表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた  作者: 向原 行人
第2章 精霊と学校へ通う元聖女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/79

第24話 学校での情報収集

「ねぇ、聞きまして? 昨日、南の方で大きな事件があったとか」

「なんでも、魔物が沢山押し寄せたそうですね。普段から騎士隊が巡回しているし、魔物退治も定期的に行っているから、こんな事は滅多に起こらないって聞いていたのに」

「まぁ怖い。この国も、アメーニア王国のように、聖女様が守ってくださらないかしら」


 昨日の魔物襲来事件の翌日、学校へ来ると、早速その話が耳に入ってきた。

 騎士以外の国民には詳細な情報は入ら無さそうな物だけど、流石は貴族令嬢たちが通う学校と行った所なのか、話している内容は大きく間違っていない。

 それに、アメーニア王国の聖女の話まで知っているんだ。

 とはいえ、その聖女の名前や顔までは知らないみたいだけど。


『そういう守護者とか英雄とかって話は、護られている当人たちよりも、周辺の護ってもらいたい人たちの方が沢山伝承が知られているっていう事は、ままあるね』

(けど、だったら昨日クロードさんに言った、小規模な精霊の守護の話ってしない方が良いかな?)

『どうして? 別に良いんじゃない? 話の流れとしても、大きくずれていないし、そんな話をしたからって、リディアが実は聖女だった……なんて、絶対に辿り着かないよ』

(そっか。じゃあ、ちょっと聞いてみるね)


 エミリーに後押ししてもらい、上品に会話を楽しんでいる女子生徒の中へ突撃していく。


「あの、今の話なんだけど……」

「あら……リディアさん、流石ね。転校してきたばかりだというのに、耳が早いのね」

「リディアさん、暫く街の南には近寄ったらダメだよ? とはいえ、街の南側は平民が住む区画だから、行く事なんて無いけどね」


 あー、やっぱりこの国も同じなのかな?

 貴族だから、平民だから。

 生まれがちょっと違うだけで、同じ人間なのに。

 ……一応、聞いてみるけど、あんまり期待は出来なさそうかな。


『リディア。だけど、意見を聞きだしたいのなら、今はそういう話を出さない方が良いんじゃない?』

(そうだね……)


 あまり期待は出来ないと思いつつも、一先ず話を出してみて……


「え、えっと……皆は、もしも魔物が近くに現れたら、どうする?」

「どうする……って、もちろん騎士を呼びますの。私たちの領地から接収している税金で騎士団が維持出来ているのですから、騎士たちには存分に護ってもらわなくては」


 あ、やっぱりダメだった。この人とは発想が全然違う。

 騎士を呼ぶっていうのは私も同じ。しかし、護ってくれてありがとうって感謝はするけど、護ってもらって当然……みたいな考えにはなれないや。


「んー、リディアさんは、どうしてそんな事を気にするの? まさか……南側に住んでいるの?」

「え? ううん。家は学校の近くだよ。馬車ですぐの所だけど、その、もしもこの国にも聖女が居たらなーって思って」

「ふーん。まぁいっか。魔物が近くに現れたら……だよね? 私なら、間違いなく逃げ出すと思うから、逃げる為の時間を稼ぐなり、早く逃げられるようになれば助かるかな。まぁ一番は、そもそも魔物が現れない事だけど」


 ちょっと変な目で見られかけたけど、一先ず話を誤魔化せたし、一つの意見を得る事も出来た。

 それから適当に話を合わせ、同じように他の人たちにも話を聞いて……似たような話だけが集まる。

 残念ながら、この学校……というか、貴族に国民の話を聞こうとした私が間違っていたんだって事だけがハッキリしてしまった。

 一旦、学校での情報収集については諦め、別の手を考える事にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ