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精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた  作者: 向原 行人
第2章 精霊と学校へ通う元聖女

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第22話 高価だけど即効性のある精霊石と、安価だけど遅効性の力ある石

 私が忙しくなろうとも、それで亡くなる人が減るのなら、良いのではないだろうか。

 人は、死んでしまったら終わり。

 私は忙しくても、生きられる。

 だったら、私が忙しくなったとしても、人々を護る方が……


『だ、か、ら! それはダメって言っているでしょ! 前に居た国の事を覚えてる? 確かに初めは国を挙げてリディアの事を皆褒め称えたよ? だけど、それも暫くすると、リディアに護ってもらう事が当たり前になって、感謝どころ無駄遣い呼ばわりまでされていたじゃない!』

(え? そうなの?)

『……リディアが気付いてないだけで、酷い人は酷かったの。あの、第四王女なんて典型的じゃないか』

(だけど……)

『とにかく、ダメったらダメ! 聖女様ってチヤホヤしてくれるのも最初だけだよ。後で絶対に後悔するから!』


 エミリーと話し合いながら街の門へ戻ってきた。

 一先ず今は、私たちのやるべき事をやろう。


『シルフッ!』


 エミリーに頼んで風の精霊の力を使ってもらい、軽傷の人たちを一斉に治していく。

 すると、今ので元気になったのか、一人の騎士が近づいてきた。


「リディア様! ありがとうございます。リディア様のおかげで、想定よりもかなり負傷者が少なくなりました」

「え……あ、スコットさん。隊は大丈夫ですか? 随分と門から離れた場所に、騎士さんたちが居られましたけど」

「はい。その……お恥ずかしい話で、こういう場合は門で魔物を食い止めるのが鉄則なのに、僕の指示を聞かない部下が何人か居て、飛び出してしまい……」

「あー、ですよね。どうして、わざわざ門から離れたんだろうって、不思議だったんです」

「すみません。前にもお話した通り、僕の足を引っ張ろうとしているんじゃないかと……」


 んー、前からスコットさんはそんな事を言っているけど、自分の命を危険に晒してまで、人の邪魔をするかな?

 何か理由が有る気がしてきた。


「そうだ。スコットさんから伺った話を基に作ったアクセサリーがあるんです。こんな場所でなんですが、どうぞ」

「あ、ありがとうございます。……おぉ、剣帯ですか」

「えぇ。その剣帯に付けた空色縞瑪瑙――ブルーレースアゲートには、人間関係を改善する効力があります」

「なんとっ! 凄いですね!」

「ですが、即効性がある訳ではなく、スコットさんから人間関係を良くしようとする努力が必要です。改めて、騎士さんたちの話を聞くようにしてください」

「分かりました。部下とのコミュニケーションを心がけるようにします。ありがとうございます!」


 スコットさんが渡した剣帯を早速身につけ、他の騎士さんたちの所へ歩いて行った。

 そんないきなり!? 精霊石じゃないから、即効性は無いんだけど……って、談笑し始めた? もの凄く笑顔で、互いに肩を叩きあったりしてる。


(あれ? 困っているって言っていたけど、めちゃくちゃ仲が良さげだよね)

『リディア。ふと思ったんだけど、この国で取れる石って、かなり質が良かったよね』

(そうね。というより、アメーニア王国で使用されていたのが、見た目を重視して綺麗にカットしたり磨いたりして、質が落ちていたっていう感じだけど)

『まぁ何にせよ、石に込めた精霊の力の効力が以前よりも高くて……もしかして、遅効性だと思っていた力が即効性を持っているんじゃないかな?』

(なるほど。その可能性はあるかも。だから、人間関係で困っていたスコットさんが、アクセサリーを身につけた途端に、そんな様子が微塵もない訳だね)


 改めてエミリーが呼び出してくれる精霊の力が凄いと思っていると、


「リディアちゃん、貴方やるじゃない。石の鑑定だけじゃなくて、魔道士でもあったのね」


 見知らぬ綺麗な女の人がやって来た。


「……あの、どちら様ですか?」

「何よ! 酷いわね。ほんの少し前まで王宮で喋っていたのに、私の顔を忘れたの!?」


 え? 本当に誰なの? 凄く綺麗な髪の毛は長くてサラサラしているし、肌は水を弾きそうなくらいにツヤツヤしてる。

 でも、何だか変な喋り方で……


「ちょ、ちょっと待って! まさか、ロ……ロビンさんなんですか!?」

「まさか……って、そのロビンに決まっているでしょ? 失礼しちゃうわね!」

「いえ……何というか、その、女性だと思ってしまって。……って、どうして魔物を倒しに来たのに鎧を着ていないんですかっ!」

「何を言っているの!? 鎧なんて着たら、私の美貌が損なわれるじゃないの。でも、女性みたいだなんて……リディアちゃんも嬉しい事を言ってくれるじゃない」


 目の前に居るのはロビンさんなんだけど、ロビンさんじゃない。

 別人……とは言わないけれど、髪と肌が綺麗になると、こんなにも印象が変わるんだ。


「……って、そうだ! そうだわっ! これなら、皆を護れるっ!」

(え? ど、どうしたのさ、リディア)


 突然変わったスコットさんとロビンさんを見て、私は私でありながら、人々を護る方法を思いついた。

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