表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた  作者: 向原 行人
第2章 精霊と学校へ通う元聖女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/79

第19話 初仕事完了

「完成ー! 出来たー!」


 アトリエ――もとい、エスドレア王国に借りている家の一部屋で、完成した二つのアクセサリーを眺め……ベッドに突っ伏す。

 とっくに夜が更けていて、もうすぐ日が変わってしまうのではないだろうか。


『リディア、お疲れ様ー。今回は随分と時間がかかったね』

(うーん。本当はもっと早く出来ていたんだけど、細かい所が気になっちゃって、そこに手を入れだしたら凄く時間がかかっちゃって)

『細部までこだわりたい気持ちは分からなくはないけれど、ほどほどにね』


 エミリーに呆れられながらも、満足のいく出来になったので嬉しく思いながら毛布にくるまると、


『……ディア! リディアってば! そろそろ起きないと遅刻しちゃうよっ!』

「……え? もう朝なの?」

『そうだよ。ほら、早く。朝ごはん食べて、着替えなきゃ!』


 あっという間に朝だった。

 そこから慌ただしく朝の準備を済ませると、昨日と同じようにクロードさんが迎えに来てくれて、学校へ。

 今日も、簡単過ぎる……と思う授業と、サッパリわかんない……って思う授業の極端な組み合わせを乗り切り、迎えに来てくれたクロードさんの馬車で王宮へ向かう。


「リディア様……学校生活は特に問題ございませんか?」

「はい。皆さん、優しくしてくれますし、凄く楽しいです」

「そうですか。それならば良いのですが……」

「あの、何かあったんですか?」

「いえ、何かあった訳ではないのですが、先ほどお迎えに上がった際に、こちらをジッと見つめてくる少女が居たので」


 馬車の道すがら、クロードさんが私を心配してくたんだけど、それって単にクロードさんが格好良いから見とれていただけでは無いだろうか。

 そんな事を思いながら、コトコト馬車に揺られて王宮に到着した。

 クロードさんと共に王宮内の談話室みたいな場所へ行くと、今日もロビンさんがメイドさんとお話ししていた。


『リディア。この人、いつも居るけど、暇なのかな?』

(ど、どうだろ。じ、実は何気ない雑談に見えて、重要な話をしてる……とか?)

『そうかなー? そんな風には見えないんだけど』


 一先ず、要件を済ませる為にロビンさんへ近づくと、乳液とか、スキンケアとかって単語が聞こえた。

 ……い、隠語。そう、今のは何かのコードネームなのよ……きっと。


「えーっと、ロビンさん……」

「あら、リディアちゃん。今日も聞き取り? 今なら、奥に第四隊長の……」

「いえ、ロビンさんに用事があって来たんです。昨日お話を聞かせていただいた効果のある、アクセサリーが出来上がったんです」

「まぁ、随分と早いのね。……一体、どんなのが出来たのかしら」

「はい。ロビンさんにはこちらです」


 鞄から小さな箱を取り出すとロビンさんの目が鋭くなる。

 顔は笑っているのに、目だけ真剣でちょっと怖いよ。


「どうぞ。開けてください」

「ありがとう。これは……剣帯?」

「はい。それなら、既に騎士の皆さんがお持ちでしょうし、身につけていただくのにも抵抗がないかなって」

「へぇー、流石ね。この細かい所まで凝っているのは気に入ったわ。……けど、ここの細工はかなり大変じゃない?」

「あ、わかります? 実は石を取り付けた所よりも、そっちに時間がかかっちゃいまして……って、それよりも先ずは身につけてもらって良いですか? 元々お持ちの石との相性を見たいので」


 エミリーの見立てでは、おそらく大丈夫という話だったけど、最終的にはちゃんと確認したいと分からない。

 早速ロビンさんに、今つけている剣帯と交換してもらい、


『うん。大丈夫そうだね。月の精霊ルナの力も、金の精霊アウラの力も弱まっていないよ』


 エミリーの言葉に胸を撫で下ろす。


「ロビンさん。その剣帯に付けた珪孔雀石――クリソコーラっていうんですけど、それに宿る力はちゃんと発揮されているので、安心してください」

「この碧い石の事ね? これを身につけていると、髪や肌が綺麗になるのね?」

「はい。ただ、即効性があるものではないのと、あくまでも石が持つ力は補助的な物なので、ロビンさんが不摂生を続けたりすると……」

「いやねぇ。誰に言っているのよ。この私がそんな事する訳ないじゃない。食事から日々の運動、ストレスコントロールまで完璧よん」

「そ、そうですか」


 この人、この精霊の力とか要らないんじゃないかな?

 もっと別の効力にした方が良い気がするんだけど。

 一先ずロビンさんが気に入ってくれたので、スコットさんが職務から戻るまでの間に、奥に居る別の隊長さんの話を聞く事にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ