一家に一個?魔帝スキル
???「前回のあらすじ!
戦った!
負けた!
以上!」
黒人「どうやら馬鹿のようだ。一刻も早く病院へ行かなくては……(ガチャ、バタン)運転しろ」
〜〜以下略〜〜
啓司「渋滞ですゥ~ 夕暮れの通勤時間帯はギシギシなんですゥ~」
黒人「行け」
啓司「い・・・ 行けと言われても、これでは進めません・・・」
黒人「歩道が広いではないか・・・行け」
啓司「ほ、歩道~~!?仕事帰りの人があふれていますよォォォォォ」
黒人「関係ない 行け」
啓司「は・・・ はいいィィィィィィィ~~~!!」
黒人「飛ばせ」
啓司「ハイイイーーッ」
. ∧_∧
(´・ω・)
( つ┳⊃
ε(_)へ⌒ヽフ
( (〃・з・)
≡≡ ◎―◎ ⊃ ⊃
「いてぇ〜〜」
壁に頭だけの状態で嵌っている物凄く滑稽な状態の俺です。
現在抜け出そうと魔帝の力を使用しているであります。
はぁ……レアが止どめを刺しに来なくて助かったぜ。
死人の効果によって頭だけになっても無事活動出来る俺、化け物状態。
……今更だな。
やっぱりレアには勝てなかったかぁ〜〜
あの動きはいくらなんでも速すぎる。
間違いなく、あの時読めなかったスキルが関係していると思われる。
取り敢えず、これから鉢合わせしないように追跡者を使っといたが、あれ反応されるのかよ……
バレてたらどうしたんだ俺よ……
まぁ結局そのまま立ち去ってくれたし結果オーライなんだがね。
それにしても、見事に頭と胴体が泣き別れしているが、どうすればいいんだ?
魔帝でくっつけとけばその内治るかな……
魔帝を使用し、靄で首と右腕をくっつけた。
何度か手を握ったり開いたりして、しっかりくっついていることを確認すると、今後の行動について考えることにした。
取り敢えずこの国は今度ぶっ潰す。
クラスメイトと合流する必要性は感じられないし、レアと会う危険性もあるので却下。
と言うことは国外逃亡だな。
異世界なんだし冒険者ギルドだってあるだろう。
多分。
ということで、国外逃亡&冒険者をやろう、が目標となった。
そう言えばさっき作った剣はどこにいったのか。
少し回りを見渡すと、剣はすぐに見つかった。
ちょっと気になっていたので、特殊鑑定を剣に向かって使ってみる。
ーーーーー
黒剣ルイン ランクA
???の愛剣であった剣。
今はもう主の面影は無いが、それでももう一度自らの主人に会いたがった剣の願いが奇跡を起こした。
スキル
[破滅LV1]
ーーーーー
うーん……
この???って俺のことか?
なんかこの剣既視感があるんだよな。
あっ、ついでに短剣も確認してみるか。
ーーーーー
影の短剣 ランクD
何かから作り出されたよく分からない短剣だが、その力は本物である。
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やっぱりルインが特別なだけか。
多分俺の失った記憶に関係しているんだろうが……
今はどうしようもないな。
それにスキルだって無いわけだし。
そういえばルインには鞘が必要だな。
ーーーーー
影の鞘 ランクD
よく分からない何かによって作られた鞘。
一応ランクDなのでしっかりとした作りになっている。
ーーーーー
なんというか、武器錬成に必要なはずのイメージなんだが、結構曖昧でもいけるな……
よく分からないがラッキーということにしておこう。
処刑場から出た後、出来る限り気配を消しつつ移動していた俺はとあることに気付いてしまった。
どうやって国を出ようか。
どう頑張っても、この容姿は目立ち過ぎる。
ごちゃごちゃした髪色に色々混ざった肌。
こんな容姿のやつが入って行ったらまず覚えられるはずだ。
だが、俺は街の中でこの姿になったから、出る時に怪しまれる訳だ。
上に連絡でもされてレアに俺が生きているということを知られると少しまずい。
こういう時は変装が鉄板だが、何か出来そうなスキルはあるかな?
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幽冥黒人18 レベル1
種族:合成死獣人
クラス:キメラ
魔力4000
種族スキル
[感情希薄LV-5] [死者LV-]
固有スキル
[特殊鑑定LV4] [追跡者LV2] [魔帝LV2]
[武器錬成LV2] [魔力解放LV1] [死霊合成LV2]
スキル
[奇剣術LV3] [補助魔法LV2] [身体強化LV3]
異能力
【所有LV2】 【呪印LV1】 【原点回帰LV0】
犯罪歴
無し
呪い
[記憶封印LV15]
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あの戦いのせいか、スキルが大量にレベルアップしたり変化したりしている。
ちょっと確認もしていこう。
※追跡者LV2 ー 1人にしか使用することが出来なかったマーキングの同時使用回数が+1される。
※魔帝LV2 ー 黒い謎の力を纏うことにより、ステータスアップや、気配遮断、容姿偽造が出来るようになる。
※奇剣術 ー 通常の剣術とは異なり、奇なる戦い方をする人物のスキル。あらゆる行動に+補正がかかるが、微々たるものである。
一家に一個魔帝スキルが欲しいな。
かなり便利だ。
と言うわけで早速纏って偽造してみた。
……どうやら肌の色は死ぬ前に戻ったようだが、髪色は銀一色、耳あり尻尾あり目の色は両方黒という状態になった。
偽造にも限度があると言うことだろうか。
まぁ、正直言ってしまえば、髪の色と肌の色さえなんとかすれば良かったからこの結果はいいと言えるだろう。
どっかの魔帝さんには感謝しないとな。
そんなこんなで門の前に来たはいいが、何故か誰も人がいなかった。
何故だろうか。
よく考えてみれば身分を証明出来るようなものも持っていないわけだし運が良かったってことか。
外の街道を歩いていると、ゴブリンっぽい生物が目の前に現れた。
比喩とかじゃなくて、いきなり幽霊みたいにスーっと現れた。
恐怖!突然現れるゴブリン!!
みたいな感じか?
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無し 3 レベル3
種族:亜人
クラス:ゴブリン・ノーマル
魔力20
種族スキル
[性豪LV6]
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種族スキルだけしか持ってないのか。
ノーマルってことはソードマンとか色々タイプいそうだな。
ルインを抜きつつ一瞬で肉薄すると、首を即座に落とす。
<てれれれってってって〜>
なんかとんでもなく間抜けな音が頭に響いた。
某りゅ○おうを倒すゲームのレベルアップ音みたいだ。
確認してみるとレベルが2になっていた。
ゴブリン一匹で上がるのは少し違う気もするが。
ふと、考える為下げていた視線を上に上げてみると、ゴブリンの霊っぽいのがこちらを見ていた。
"なんと ゴブリン が なかまに なりたそうに こちらをみている! なかまに してあげますか?"
1 はい
2 いいえ
いいえに決まっているだろう。
"ゴブリン は さびしそうに さっていった"
急にドラ○エ要素入れるのやめないか?
俺は突っ込まないぞ?
あれからたくさんゴブリンが登場した。
それはもううんざりするほどだ。
感情が薄くなっている俺でもうんざりするんだから相当だな。
例
ゴブリン・ソードマン
剣持っただけのゴブリン。
ゴブリン・モンク
素手のゴブリン。
ノーマルと何が違うのか全くわからない。
ゴブリン・ヒーラー
ヒーラーとか言いつつ回復を使わないのは覚えてないからなのか魔力が足りないのか。
ゴブリン・マジシャン
こいつはしっかり魔法を撃ってくる。
炎魔法レベル1で使えるようになる「火球」だけね。
ゴブリン・ハングドマン
ただ木に吊るされていただけのゴブリン。
ゴブリンが吊るされると強制変化?するっぽい。
ゴブリン・ジェネラル
一応将軍なのか、ちょっとだけ強かった。
ただ、それ以外にはノーマルとあまり変わり無し。
レベルは4になったが、魔力が中々のスピードで増えていっている。
大体1レベル上がるごとに100とか200とか増えている。
この調子で上がっていけばいいが、レアに追いつくのはいつになることやら。
……当然レベルアップ時の音声はオフにしたぞ。
しばらく身体強化しながら走っていたが、ようやく次の街が見えてきた。
かれこれ6時間は走ったんじゃなかろうか。
この体は死んでいるので疲れを感じないのか?
無限に走れる気がするぞ?
門の少し前で止まり、そこからは歩いていく。
「どうした坊主、入りたいのか?」
門番が話しかけてきたので、用意しておいたセリフを言う。
「はい。入りたいんですけど、身分を証明出来るようなものが現在無いんですがどうすればいいでしょうか」
「うーーんそうだな……よし。今回だけ通すが、次はちゃんと持ってこいよ?
「ありがとうございます」
いい人だったから普通に入れたけど、これ結構危ないな。
下手したら獣人って理由だけで殺されていた可能性もあるわけだし。(もう死んでるけど)
街に入るとすぐそこにデカイ建物があった。
恐らくこれが冒険者ギルドなんだろう。
ーーーーー
冒険者ギルド
色んな人がいる。
ーーーーー
鑑定もこうなってるし。
扉を開いて中に入ると視線が俺に集まってくる。
予想はしていたが、とても不愉快極まりない。
俺が常識人じゃなかったら血の海を作っていただろうな。
受付で登録するんだろうと思い、向かおうとしたら変なオッサンに呼び止められる。
「おい待てよガキ。ここは遊びにくるとこじゃねぇんだぞ?持ってる金全部置いて出てけや」
テンプレがやってきてしまった。
「……………」
「おいゴラ待てやぁ!!」
無視して通り過ぎようとしたら拳が飛んできた。
予想通り過ぎてちょっと疑うぐらいだ。
顔面を殴られつつ、過剰なまでに後ろへ飛び、ギルドを破壊する。
「あーいててーおっさんになぐられたからぎるどがこわれてしまったーどうしようー」
その場にいた人達全員が固まる。
恐らくは
何であんな吹っ飛び方してたのに平然と起き上がったんだ?
とか
あのオッサンただのイキり野郎かと思ったら普通に強かったんだな。
とかそんなことを思っているに違いない。
俺はテンプレをそのままなぞるだけなんてしたくはないんだ。
「てっ!てめぇわざとやりやがーー」
オッサンがその言葉を最後まで発する前に、一つの声が、割り込んだ。
「何をしているんだい?」
そして俺は悟る。
ああーーこれには勝てない。と、いつも言うことを聞かない本能と、普段は俺の言う通りに動く理性が、纏めて匙を投げた。