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霙の編み

作者:

 霙を編みこんだ冷たい結晶の網を


 葦の形につくりかえ、



 そのまま、冷たい大地に植えつけました。


 うずくまって、葦の気持ちになって



 凍えたあしさきは、ぺりぺりと、大地に張り付いていきます。



 そのうち、私は、大地と一体化し



 大地から吸い上げる水の流れを身体の毛細血管で感じ取りました。




 ガンガンと、頭に響きます。




 わたり




 つぃっと



 わたり




 私のいっぽん通った背骨は、まっすぐ地面に根を降ろしました。



 すいすいと、細い細い血管のような根がやわらかでしめった地中の奥深くへと伸び進んでいくことを感じ取ります。


 喜びのなかで



 私は、水を吸い上げる喜びを



 知り



 私の葉から伸びるいくつもの産毛に水滴をつかまえて



 やわらかく注がれる太陽の光に、至上の喜びを感じ取っています。




 ああ、私は、今、一本の葦であるのです。



 近くで、川のせせらぎの音が葉をくすぐり、私の背骨をゆらします。



 やわらかに、くすぐります。



 けれども、霙を編みこみ葦をかたどった私は


 まがい物であるのです。



 私は、大地に蹲りました。



 風が柔らかく私のこころを追い立てます。




 急かすように



 泣かせたいのでしょうか



 私を、泣かせたいのでしょうか



 こころを追い立てられれば



 そのうち、私は、

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