ゲーム始めます
「取りあえず、アバター作成はこんなものでいいか」
俺は今しがた完成したアバターが映し出されている画面を見て、達成感を感じていた。アバターは元々の自分の顔に白色の髪。
目の色はゲームの世界ということなので、思い切って赤色より少し濃い紅色にしてみた。あまり明るすぎるのはどうかと思うしな。
名前は‥こうゆうゲーム的な名前はよく分からんから『リュート』でいいかな。まぁ、目と髪の色以外はそんなに変わってないから違和感自体は無い‥と思ったが意外にあるな。
といってもこれがゲームでの俺の姿になるから早いうちに慣れないといかない訳だがな。
こんな感じでいきなりサクサク説明されてもよく分かっていないであろう、お茶の間の皆様に説明すると、俺、神崎隆斗は今、とあるゲームをするために自分のキャラを作成していた最中だった。
イモータル・ワールド・オンライン。通称、IWO。
今回新たに発売されたのVRMMORPGで、ベータテストが数か月前に終わり、一昨日正式なサービスが開始されたばかりのゲームである。また、ベータテスターの感想が話題をよび、今現在予約殺到中のゲームでもあるのだ。ちなみに俺はベータテスターではない。
ここで何故そんなゲームをベータテスターでもない俺が持っているのかというと、俺の幼馴染達がベータテスターで運営から追加でソフトとゲーム機本体を貰っていたらしく、
「隆斗、お前どうせ夏休みすることないだろ、IWOのソフト一つ余ってるから一緒にやろうぜ!!」
と言って誘われたのだ(強制)。
理由には腹が立つが、実際予定はさほどないのは確かなのでありがたく頂戴したのだ。
でも、普通はベータテストしただけでゲーム機本体がもらえるはずがないから確実におじさんに頼んだんだろうな。
そんな経由で手に入れたIWOだが、その内容は中世ファンタジーを舞台にしたお馴染みの設定だ。
しかし、このゲームの本当に凄いところはNPC(通称ノンプレーヤーキャラクター)、よくゲームとかでは「ようこそ〇〇村へ!!」などのお決まりのセリフしか言わないはずのキャラだが、このゲームではどういう原理かは分からないが人間と同じ知能をもつAIが搭載されているらしくそれはものの見事に喜怒哀楽が表現されているらしくこのゲームが注目されている理由でもある。
まぁ、あいつらにあらかじめ設定の仕方は聞いておいたので、特に迷うことのなく終わらせることができた。元々自分達の趣味には面白いほど無駄な能力を発揮する奴らだからな。いつもそうなら苦労しないんだがな‥。
アバターの外見作成が終われば残りはログインしてかららしいから機体を頭に被る。
すると『これで外見設定を完了します、本当によろしいですか?』と出たので「はい」と答える。
『それではイモータル・ワールド・オンラインの世界をお楽しみくださいせ』という言葉とともに、俺の意識は、ゲームの世界へと旅立っていった。