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5.荷馬車

思った以上に長くなってしまいました。

少しだけ説明回というか、設定回というか、そんな話です。

「ギムレットさん、御者変わりましょうか?」

「いえいえ、平気ですよ。皆さんは今の内に休んでおいてくださいな」


 ゴトゴトと揺れる荷馬車の中から、外にいる御者、ギムレットと呼ばれた男へと声が掛かる。


 人族である彼、名をギムレット・スコフィールドと言い、ここから東へ進んだ商業都市リムールに店を構える中堅商人だ。

 仕立てのいい布の服に、腹巻を付けた如何にも商人と言った感じの恰幅のいい中年男性で、少し青みが掛かった短髪に、整えられた口髭がこれまた如何にもと言った感じで纏まっている。

 彼のポリシーとして、商品を仕入れる時は必ず自分の目で見て自ら行う。

 自分の店で取り扱う商品なのだ。

 粗悪な品では信用に関わる事もある。

 彼は自分の目で見た物しか信じない。

 そんな男だった。

 まぁそんな拘りのおかげで、長く取引を続けてもらえる信用を勝ち取り、大手には敵わずとも、中堅の中では数本の指に入る程のやり手として名が売れていた。


 そして今現在、長い道のりを馬車を走らせ、王都のお得意先である仕入れ先へと自ら出向いたその帰り道という訳だ。


 そんな成功を納めていると言っても過言ではない彼だったが、現状で満足している訳では勿論無い。

 いずれは今よりも更に店を拡大し、大手と肩を並べるという野望を胸に抱いている。


 そんな彼であったが、最近はどうも業績が伸び悩んでいるのが現状で、頭の痛い話であった。

 まぁそれはさて置き。


 一方で、荷馬車の中。

 様々な商品が所せましと積まれた中、その隙間を埋める様に数人の男女が座っていた。


 中は少し薄暗いが、前と後ろを開いているのである程度の光源はある。

 外のポカポカとした陽気と、前から後ろへと流れる風が丁度いいバランスでマッチし、荷馬車の中は案外快適な様子だった。


 その中の一人、荷馬車の中の一番奥、御者側の近くに座っている女性が、先程ギムレットへと声をかけた人物だ。


 外見を見る限り、歳の頃は10代の中頃だろうか。

 しかし、その長く尖った耳を見て解る通り、エルフである彼女は長命種である為、見た目の年齢程若い事は無いだろう。


 その見た目は、エルフの種族全体に言える事だが、ほっそりとした顔立ちに、色白の肌。

 青い瞳は切れ長で、整った顔立ちをしている。

 まぁエルフの不細工を見つけるのは、男前のゴブリンを見つけるより難しいという諺通りの外見だと言えば解るだろう。

 髪型は金髪のロングヘアーで、編み込んでサイドに流している。

 服装は緑色のシャツに、白いズボンを履いており、皮の胸当てを付けていた。

 傍に立てかけられた弓と矢筒を見る限り、弓手である事は間違いない。


 御者を断られた彼女は、頬っぺたをプクッっと膨らませて少し機嫌が悪そうだった。

 見た目の年齢的にはそれ程不自然ではないが、長命であるエルフとなるとその様は少し子供っぽさが過ぎる。

 それを見た共に荷馬車に乗っている他の仲間達は、またかとあからさまな溜息を吐いている。

 彼女は何も、親切心からギムレットに御者を変わろうと言った訳ではない。

 これもまた、エルフという種族全般に言える事なのだが、彼等、彼女等は、かなり好奇心が旺盛なのだ。

 気になる場所があれば言ってみたいし、初めて見る物は触ってみたい、何でもやってみたい。


 そんな子供の様な好奇心の塊が、エルフという種族全般の周知の事実であった。


 なぜそんな事になっているかというと、エルフ達は長命であるにも関わらず、驚くほど世間を知らなかったという事に起因する。

 長く閉鎖的な時を過ごしてきたエルフに取って、飛び出した世界は見る物全てが新鮮で、興味深い物だったのだ。


 そもそも、エルフが外の世界で多く見られる様になったのは、ここ100年という随分最近の事だ。


 十ヵ国大戦と呼ばれる国同士の覇権争いにより、エルフの住んでいた森が数ヵ所焼けてしまったのが事の発端だった。

 閉鎖的な考えを持っていたエルフたちは、当初、覇権争いに興味は無かったが、住む場所を脅かされては黙っている訳にも行かず、弓を取った。


 そして、見事に大戦を乗り切り、現在7ヵ国まで淘汰された内の一国を勝ち取ったのだ。


 それからという物、新しく生まれてくるエルフ達は勿論、今まで閉鎖的だったエルフ達は外の世界にも目を向ける様になった。

 そして現在、余り見る事が出来ない神秘的な種族としての地位を持っていたエルフ達が、好奇心旺盛な子供種族と揶揄される様になるのに、長い時間はかからなかった。


 余談ではあるが、世の子供達に根強く人気のある絵本、「ドラゴンの巣を突っつくエルフ」は、ほぼ実話だという話は有名なのだ。


 要するに、少し長くなったが、彼女は親切心ではなく、ただ単に御者をやってみたいと駄々をこねる子供であるという事だ。


 そんなふくれっ面のエルフに、呆れたように一人の男が口を開いた。

 歳の頃は20代前半といった所で、引き締まった精悍な顔立ちの若者だ。

 赤い髪を短めに整えていて、軽装であるエルフの彼女とは違い、フルプレートに身を包んでいる戦士と言った所だろうか。


「はぁ……、ユーリンよ。御者をやりたいと言う前に、せめて馬ぐらい乗れるようになってくれ」

「はぁ!?それとこれとは話が別ですぅー。馬に乗れなくても困らないもん」

「語尾を伸ばすな。もんとか言うな。歳を考えろ。若作りが。」

「……オーケー。喧嘩だな。喧嘩を売っているんだな!よし買った!!表出ろっ!!」


 狭い荷馬車の中、ユーリンと呼ばれたエルフが真っ赤な顔をして立ち上がる。

 怒りに我を失っているのが、ありありと手に取る様に明らかだった。

 それにつられて、男の方も立ち上がり、鎧の上から腕まくりをする様な仕草に「おーおー!かかってこいや!」等と息巻いている。

 そしてユーリンは指を立てながら「私はまだ50代だっつーの!!」と叫ぶ。


 そんな二人を宥める様に間に入る女性が居た。


 長く艶やかな黒髪を後ろで一つに纏め、少し垂れ目がちな茶色い瞳。

 顔立ちは決して太っている訳ではないが丸く、幼い印象を受ける。

 美人と言えなくもないが、どちらかと言うと可愛らしいと言ったほうが正解だろうか。

 服装は軽装で、鎧などは身に着けず、布製の服に、長いローブを身にまとっている。

 見るからにふくよかな胸がこれでもかと主張し、服の胸元部分がピッタリと張り付いてきつそうに見える。

 そんな妙齢の女性が、今にも殴り合いの喧嘩に発展しそうな二人の間へと割って入った。


「もう!こんな所で喧嘩なんてしないで下さいよ二人とも。子供じゃないんですから……。ユーちゃんも、アルド君も!座ってください!冒険者が雇い主の前で喧嘩なんて言語道断ですよ!」

「だってよ!姐さん!」

「だって!サミアお姉ちゃん!」

「「こいつが!!」」


 喧嘩を窘めるサミアへ向けて、二人はお互いに指さし、同時に声が重なる。


 同じ言葉を同時に発し、声が重なった事に気に入らなかったのか、またもお互いに睨み合いを続ける二人に、サミアはあからさまに溜息を吐き、手に持った木の杖をコツンッと鳴らした。

 その音は小さい物だったが、ガタガタと揺れる荷馬車の中、不思議なほど良く響いた。

 その音を聞いた睨み合っている二人が、ビクリッと肩を震わせ、ソーッと伺うように後ろに座っているサミアを見やる。


「へぇ……、二人共、私の言う事が聞けないんですね。どうやら、街に付いたらお仕置きが欲しい様ですね?ふふふ」


 見た目にはサミアの表情は凄くいい笑顔だった。

 しかし何故だろうか。

 その笑顔は見る物に、底冷えの冷気を感じさせるほどに冷たい。


 見る見る内に、喧嘩をしていた二人の顔面が蒼白へと変わり、目に見えて体がガクガクと震えていた。



「ななな、なにをおっしゃいますか!姐さん!そんな訳ないじゃないですか!俺達二人は超仲良しですよ!な!ユーリン!」

「そそそ、そうよ!!ちょぉっとふざけただけなんだよ!!だからお仕置きは止めて!!!」

「……はぁ、座って、二人共、大人しくしていてください」

「「……はい、すいませんでした」」



 ショボーンと肩を落とし、イソイソと腰を下ろす二人であった。


 そんな二人を尻目に、サミアはもう一度溜息を吐き、荷馬車の一番後方に座って外を眺めている一人と、我関せずと目を瞑っている一人に申し訳なさそうに声をかけた。


「煩くしてごめんなさい……。二人共悪い子達では無いので、許してあげて下さい……」


 そう言って手を合わせるサミアに、外を眺めていた女性が顔を向けて笑顔を浮かべる。


「いえいえ、気にしないでください。一人旅が長かったので、賑やかなのは楽しいですよ」


 茶色い長髪をポニーテールに纏め、温和そうな笑みを浮かべる彼女は柔らかい口調でそう言った。

 言葉を終えた後もニコニコと笑みを絶やさない彼女は、馬車に乗る時も、挨拶をする時も、いつもいつでも常に笑顔を崩さなかった。

 パッチリとした黒い瞳に、小ぶりな桜色の唇は如何にも柔らかそうで瑞々しく、整った顔立ちをした美少女。

 露出された耳は人族とは違って先端が尖っている為、魔族である事が解る。

 魔族も長命種ではあるが、ある程度の年齢までは見た目と比例して成長する為、恐らく見た目通り、10代の後半程といった所だろうか。


 その服装は珍しい物で、南の小国で良く見られる物だ。

 白い上着に下は紺色。前世で言う所の剣道着と呼ばれる物に似通っている。

 その上から黒いフード付きのローブを身に纏っていた。

 そして傍に置いているのは、刀と呼ばれる珍しい武器だ。

 

 彼女曰く、一人で武者修行の旅をしており、冒険者では無いのだが、腕に覚えがあるそうで、直接ギムレットと交渉を行い、雇われた用心棒らしい。

 自己紹介では簡潔に、「シルヴィアです。皆様、よろしくお願いします」と告げ、ニコリと微笑むだけであった。

 彼女はまた、外へと視線を戻し、何が楽しいのか、笑顔を浮かべながら後ろに流れる景色を眺めるのだった。


 そんな彼女と入れ替わる様に、目を瞑っていた少女が口を開く。


「……別に、気にしてない」


 ポソリと、呟くように言葉を発した少女は、また目を瞑り、それ以上の動きは無い。


 背中まで伸びたストレートのロングヘアは少し青みがかかった灰色で、赤い瞳は現在硬く閉じられており、瞑っている為に一層際立って見える長いまつ毛に、鼻梁の通った顔立ち。

 表情という物が余りない様に感じられるが、それを差し引いても十分に美少女と呼べるだろう。

 その無表情故か、少女の年恰好から連想される幼さや可愛いらしさと言った物を余り感じられない。

 その為、やはり可愛いというよりは、美しいという感想を抱かせる少女だ。


 しかし、小ぶりな体躯とは裏腹に、身に纏うのは赤をベースに黒い文様が入った美しい全身鎧だ。

 見るからに性能の良い魔法鎧に、傍にたてかけられた白銀のハルバード。


 見ようによっては、幼い少女が見栄を張って不釣り合いな装備をしている風にも見えるが、それを感じさせない程の何かが彼女には備わっていた。

 少なくとも、今一緒に乗っている彼、彼女等がそれを言う事も、ましては思う事などあるはずも無い。


 何故なら彼女、ルルフレア・パープルは高名な貴族の直系の出であり、そして更に新進気鋭のBランク冒険者として冒険者仲間の間では少し有名なのだ。


 そんな彼女であったが、そのストイックな性格と、自身の無口さ等が相まって、友達が居ない事で悩んでいるとは、誰も知らない事実であった。

 

 冒険者の3人組パーティーに、ソロ冒険者、用心棒と言ったこの面子は、一つの商人の荷馬車には通常であれば過剰戦力とも言える程ではあるが、これには一つ理由があった。

 その理由を念頭に置いて考えると、この戦力でようやく安心できるという所だろうか。


 それはさて置き、そんな賑やかで、色取り取りの人物が偶然にも同じ馬車に乗り合い、更にこれから進んだ先で、また新たな偶然の出会いが手ぐすねを引いて待っているとは、誰も予想さえしていなかっただろう。

 唯、一人を除いて。


 ゴトゴトと荷馬車に揺られながら、ポカポカ陽気の中を進む一行の前に、招かれざる客の姿が映る。


「ギャッギャッ!!」

「なっ!!み、みなさん!!ご、ゴブリンです!!」


 慌てたような声で、御者台から後ろへと声をかけるギムレットに、皆が一斉に動いた。

 まず御者台近くの奥側に座っていたユーリンが、置いてあった矢筒と弓を引っ掴んで御者台に出る。


 そして手前側に居た順に、シルヴィア、ルルフレア、サミア、アルドと、順番に荷台の外へと飛び出した。


 そして、荷馬車の周りを囲むように散開する。


「んー?あれー?もー、ギムレットさんてば、たったの一匹じゃないですかー」

「あ、あぁ。本当だ……、すいません。急に目に入ったもので、慌ててしまって……」


 そう告げた前に居る二人に、馬車の周りを囲んでいた皆はゾロゾロと御者台の方へと歩いて行く。

 そこで、何かに気づいたようにアルドが目を細めた。


「なんだぁ?なぁんか様子が可笑しかねえか?あのゴブリン」

「何か慌てているようですね。此方には見向きもせずに後ろを気にして……、何かに追われている?」

「ちょっとー、なんかあそこ燃えてるんだけど」


 そう言ってユーリンが指さした方角を見ると、街道から少し逸れた場所で炎上する人型の何かがあった。

 そうこうしている間に、街道へと飛び出して来たゴブリンは、中ほどまで進んだ所で振り返り、ショートソードを構えていた。

 構えたとほぼ同時に、茂みからゴブリンを追う様に街道へと飛び出して来たのは、黒い装備を身に纏った人物だ。

 その人物は、怯むことなくショートソードを構えたゴブリンへと更に加速した。

 背は低く、150cmの中頃と言ったところだろうか。

 この一行の中で一番背の低いルルフレアよりも少し低い程度だ。

 その身長から察すると、恐らく、子供であろう事は容易に想像できた。

 しかし、その飛び出して来た速度が問題だ。

 恐らくスキルの効果が乗った加速である事は見るからに明らかだった。


 見る者が見なければそこまでは看破されなかったかもしれないが、飛び出してからの動き、そして突き出されたショートソードを受け流し、側面へと回り込む速さ。

 直線的な加速だけでは無く、ある程度の自由度を持った速度の増加を可能にするスキルなど、上級とまでいかないまでも下級は遥かに超えている。


『俊足』『加速』というスキルは下級スキルに位置し、一番程度の低い『俊足』となると、唯走る速度が少し増加する程度だ。

 成長して『加速』となると一瞬ではあるが、かなりの速度で駆ける事が出来、辛うじて戦闘で使い物になるが、それは直線的な動きに限られる。

 この2つの下級スキルを除外するとなると、その上、中級スキルである『縮地』まで納めている可能性がある。

 流石に上級スキルである『神速』までは至っていないとは言っても、あの見た目通りの年齢、子供であるとすると、居ないわけではないが驚くべき才能だ。


「何者だ?あいつ」

「フードで顔が見えない。私みたいな長命種じゃないの?」


 訝し気に呟くアルドに、ユーリンが言葉を返す。

 確かに長命種ならば、見た目と年齢が必ずしも比例しないのは周知の事実だ。

 長い間の鍛錬の末に、未だ『加速』までしか納めていないアルドからすると、そちらのほうを押したくなっても無理はない。


 そして皆が見守る中、側面に回り込んだ人物が、ゴブリンの陰に隠れた所で、ガッ!!という何かがぶつかる音が響いた。

 と同時に、フワリと宙に舞うゴブリンを皆が目で追い、直後、ボンッ!!と弾ける様に炎がゴブリンの身を包んだ。


「はぁ!?あいつ何をした!?」

「え?魔法……、ですか……?」


 驚きの声を上げるアルドとサミアの言葉に皆が同意するように目を見開いている。

 その様子を見て、この一行の誰かが「くふふ」と笑い声を発していたのだが、その声は今なお響いているゴブリンの断末魔の叫びによってかき消される。


「あんな至近距離で発動する魔法あったか?例外もある事はあるが、魔法は遠距離が基本だろ?」

「恐らく……、独自魔法(オリジナルスペル)ですかね」


 自分が使いやすい様に、独自にカスタマイズされた魔法を使用したと考えると、納得できる話だ。

 しかしそれも、一朝一夕で出来る事ではない。

 ましてや、目の前に居る子供と思しき人物が、使用したとなると、目を疑うには十分だ。


「ほえー、なんなのかな、彼?、彼女?冒険者かな?」

「おいおい、ユーリン、興味を持つのは良いが、こっちに害意が無いとは限らんぞ」

「少し……、警戒しますか」


 目をキラキラとさせて興味津々と言った様子のユーリンを他所に、アルドとサミアの両名は警戒を強める。

 そんな3人を他所に、後の二人は驚く程自然体で唯々目の前の人物を見ている。

 御者台に座るギムレットも、目の前の人物に興味はある様だが、事の成り行きを見守る事に努めている。


 皆に見守られる中、その人物はゆっくりと被っていたフードを脱ぎ、額を拭う。


 そして、見られていることに気づいた様で、ゆっくりと歩を進め、荷馬車の方へと近寄ってくる。

 近づくほどに鮮明になるその姿は、見紛う事なく少女だった。


 艶やかなミディアムショートの黒髪に、少しツリ目気味な金色の瞳。

 見た目相応に幼い顔立ちをしているが、整った目鼻立ちや形のいい眉は、成長した姿を想像するに易い。

 このまま成長すれば、恐らく美人になるだろう事は明らかだが、如何せん今はその中性的とも言える髪と、童顔とが相まって、少年的な生意気さ、ボーイッシュさが際立っている。

 装備は黒で統一された質のいいモノで、少女のボーイッシュな雰囲気には良く似合っていた。



 悠々と落ち着いた雰囲気で此方へと近づいてくる少女に、アルドとサミアはまた更に警戒を強めるが、そんな二人の事など一切目もくれず、御者台に居たユーリンは軽い調子でピョンッと地面に飛び降りたかと思うと一目散に少女の方へと近づいていく。


「ちょっ!ユーリン!!」

「ちょっと!待ちなさいって!ユーちゃん!」


 その少女は、急に駆けて来たユーリンに少し驚いたようだったが、直ぐに年相応と言える様な笑顔を浮かべる。

 その様子を見て、アルドとサミアは顔を見合わせ、はぁと溜息を吐くのだった。



予想以上に長いと気づいたのは、書き終わった後でした!


因みに、スキル名等は既存の物、有り触れた物を引用する予定です。


ブックマークしてくださった方、読んでくださっている方に感謝をorz


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