26.その後
さて、ゴブリン掃討とゴブリンイーター討伐を終え、俺達は無事に帰還した。
ゴブリンは全て掃討し、問題だったゴブリンイーターの方も、実は3匹いたというイレギュラーはあったが、全て師匠の手によって討伐されたのだった。
それなりに犠牲者も出てしまったので手放しで喜ぶ事は出来ないが、俺達の知り合いは全員無事だったのでそこは喜んでもいいだろう。
結局先の戦いではギルバートさんとしか絡んでいないが、アルドやサミアにユーリン、ルルフレアも参加していたらしい。
みんな配置が離れていたので仕方ないと言えば仕方ない。
ゴブリンを倒すのが楽しくて忘れてたとも言う。
ルルフレアはまぁ、荷馬車に乗った時から驚くほど絡みが無いが、本人が無口な事もあるので仕方ないだろう。
しかし、何処かで見た事があるのは間違い無いと思うのだが、はっきりと思い出せない。
恐らくパープルと言う性に覚えがあるのと、出身が貴族であるということを考えると、パーティーやらで会っているのかもしれない。
しかし!本人と喋る機会も無ければ、当の本人も余り喋らないとなるともうお手上げだね。
まぁ向こうが何も言ってこない事も考えると、恐らく俺の事等覚えていないのだろう。
覚えられていたら覚えられていたで、ちょっと面倒になりそうだし、絡まないに越したことは無い。
あの頃の俺は、挨拶をする時以外はスキルを使って気配を消していたので、そこまで印象には残っていないはずだ。
ほら、俺って影薄いし。
まぁそれはいい。
そして、件の作戦で出た犠牲者に付いてだが、全部で10人が亡くなった。
俺達とは別働だった討伐隊7人は全滅で、残りの3人はゴブリンにやられたらしい。
ゴブリンにやられたのは皆Cランクで、残りの討伐隊のほうは、Bランク6人と、Aランクが一人。
完全に調査不足という組合の落ち度ではあるのだが、どうやら件のゴブリンイーターはかなり成長の進んだ個体だったようで、その脅威度はランク7相当だと言う話だった。
師匠が言うにはそれなりの知能を持っていたらしいので、隠れていたのか、はたまた移動してきたのかどちらだとしても今言っても仕方ない。
通常ランク5以上となればソロで相手をするのは難しいという話なので、必要以上の安全確保に離れた位置から視察を行えば必然的に抜けは出るだろう。
勝てない相手には逃げの一手、不測の事態を回避する為の警戒、等は冒険者として当たり前の話だ。
落ち度はあっても責任を取る必要は無い。
冒険者とはそんなもんだ。
因みに一応同意書みたいな誓約書は冒険者になると同時に書かされる。
死ぬのは自分の責任みたいな感じだったはずだ。
特に許可を取る保護者みたいなのも居なければ、俺には現在家族も配偶者も居ないので二つ返事でサインしたのだが、師匠はちゃんと読んでいたので大丈夫だろう。
まぁ、俺達がそっちに行けば何とかなったかなと思わなくもないが、それも後だから言える事だ。
師匠もそのランク7のゴブリンイーターには結構苦戦したと言っていた。
その証拠に、直ぐにそのランクAの男を助けにいったのだが、手強かった事もあり、暫くは均衡状態を保てたが、男はゴブリンイーターの攻撃にやられてしまった。
しかし、その男を攻撃した隙を付いて何とか倒したらしい。
あの出発前に挨拶をして来たイケ好かないイケメンはお亡くなりなってしまった様だ。
ザマァミロと言う程嫌っていた訳ではないし、流石にそれを言うと俺の人間性を疑われそうなので、ご冥福をお祈りいたします。
そんな事よりも、あの師匠が苦戦するとはビックリニュースだが、ランク7と言えばSランクでようやく勝てるぐらいの魔物らしいので、当然と言えば当然なのかもしれない。
どうやら、名実共に師匠はSランク相当だと言う事が証明されたようだ。
もうそれ以上のランクの魔物となると、ランク8でSランクがパーティーを組んで討伐されるレベルで、それ以上の9や10になってくると国が動かないと相手にするのは難しいレベルらしい。
どんな魔物だ!と興味が沸かないでもないが、そんな化物とは流石に出会いたくは無いな。
あ、これはフラグじゃないからね?ちがうよ?え、ちがうよね?
閑話休題。
まぁそんな訳で、晴れて俺と師匠は冒険者になりました。
因みに、俺は飛び級でCランクを貰い、師匠はBランクです。
師匠はAを貰う予定だったのだが、実績が無さ過ぎて却下された。
しかし、ゴブリンイーターを倒したのは事実で目撃者も多数いる為、Bだけは貰えたのだ。
ランク7倒したのになんで?と思わなくもないが、師匠本人が余り気にした様子も無いので良しとしよう。
支部長とギルバートさんがおっしゃるには、ゴブリンイーターの討伐数が少ない事もあって、本当にランク7相当だったかも確認が取れないのだから仕方ないらしい。
基本的に、Bランクまでは比較的難しくは無いそうで、普通に冒険者として依頼をこなしていればいつかはBに上がれるそうだ。
それがいつになるかは本人次第ではあるが、簡単な任務ばかりでは認められないし、本人の実力等にも依存する。
基本的にBまではその町の支部長に裁量権があり、支部長が認めればBランクだ。
そしてAランク以上になると少し話が変わってくる。
Aランクになる条件としては、未発見アイテムの発掘、未踏破ダンジョン攻略、ランク6以上のモンスターのソロ討伐、高難度認定依頼を数件解決、等のどれか一つでも確認されれば、認可されるらしい。
その他にも色々と条件はあるらしいのだが、多岐にわたるので省略。
そして、これがSになってくると、またまた話が変わってくる。
上記の条件を3つ以上の複数回確認。回数はその評価による。
そして、それを確認されてから、組合長と呼ばれる地位に付く7人の半数以上の同意が必要であるらしい。
組合長は、それぞれの国の冒険者組合国家本部に一人づつ存在し、例外はあるが、基本的に首都とされる都市に本部は構えられており、ここ魔王国フレイムなら、王都フェムリルにある。
この条件を聞くと、どれだけ実力があっても、いきなりAランクやSランクは無理そうだ。
実力社会ではあるが、それだけでは上に登って行けないという事か。
因みに、俺と師匠はあだ名をつけられた。
二つ名?と言ってもいいかも知れないが、先の戦いで俺達を見た冒険者達が言っているだけなので、広まるかどうかは微妙な所だ。数もそんなにいないし、噂程度だ。
俺が炎舞姫で、師匠は瞬舞姫、らしい。
師匠の方は当初、殺戮姫とかなんとか言われていたのだが、少し落ち着いた様で安心だ。
二人そろって二美姫とか死舞姫とかなんとか言ってる輩もいたのでどうかしていると思う。姉妹と死舞をかけてる。うまい!とは言わないよ?
師匠はともかく、俺まで姫って……。
ん?お前実際お姫様だろって?あ、ホントだ。はっはっは。
まぁ女に転生しているので仕方ない。
まぁ、現実逃避はここまでにしておこうか。
今現在、俺と師匠は、アルド達のパーティーと、その他数人の冒険者とで、お疲れ会と称した食事へと誘われ、参加する事になっているのだが。
「さて、俺にどうしろと……」
呟き、頭を抱えた。
今俺は、泊まっている宿屋の一室にいる。
師匠は外で待っているのだが、「これに着替えて下さいね」、といい笑顔で渡されたのだ。
俺の前、ベットの上には見た覚えがあるメイド服によく似た服が置かれていた。
それと、見紛う事無く件の小さいフリルとリボンが付いた三角の……、あぁ、もう!、パンツだよ!パンツ!
「これが、罰ゲーム……、だとっ……」
俺はここまでの罰を受ける程の罪を犯したとでも言うのか!
神様っ!!
続く。
え?続くの?これ?




