あとがき3
はい、というわけで3話にわたってあとがき続きます。…長い、でも言いたいことがあり過ぎる。
というわけでキャラ毎の総評を述べさせていただきたいと思います。
まずは本作の主人公、皆様もよーくご存知のこの物語の主人公…ユーキです。
…え?主人公は田中じゃないのかって?。
…いや、あいつが主人公だなんて明言した覚えないよ…うん、覚えはない。
まぁ、なんにしても私的にはこの物語の主人公はユーキなんですよ。
ということでユーキの話をば…。
ユーキはとりあえずはゲームの世界に来たことに浮かれた厨二キャラとして書き始めました。ですが数々の不遇な冒険を通して身の程をわきまえて…だけど、それでも目の前の誰かを救おうとすることを諦めなかったヒーローです。彼には特別な能力とかスキルとかそういう類のものは一切ありません。レベルも11と半端なままの普通の底辺冒険者…だけど、そんな彼がヒーローへとなって行く姿はなんの変哲も無い彼だからこそ胸を打つものがあります。大体の物語のヒーローというのはなにかしらの能力や強さや特徴や才能を備えているものです。でもそんなものを備えた奴がヒーローになったって『運が良かっただけでしょ?』と思ってしまうのですが、そういうものがなくても英雄であり続け、そして最終的には自我共に認める英雄になるからこそ凡人の私でも『自分でも頑張れば…』と思わせてくれるものです。
話は少し変わりますが、私はいわゆるなろう系というのが好きではありません、っていうか嫌いです。というのも、転生した先で自由に生きたいように生きる彼らは羨ましいとは思うのですが、逆を言えばそれは『転生でもしなきゃ生きたいように生きることすらできない』って言ってるようなものなんですよね。そんなの絶望的じゃないですか?。転生なんていうどうあがいても手が届かないものがなければ生きたいように生きることすら出来ないなんて絶望的じゃないですか?。そんな絶望的な話に意味なんてない。だから私はなろう系が嫌いなんです。だからこそ、特別な力とかそういうのもなく、凡人でありながら誰かを救って英雄になるユーキこそ、私が理想とする真の英雄なんです。そういうわけで彼は本作の主人公なんですわ。
そんな彼の裏話をすると…実は最序盤はこいつはリアルでは女性にしようかと思ってたんですよね。リアルは女性だからこそカッコいい男に憧れて…みたいな想像をしてました。ですが物語の進展と共に『それはちょっと…』となり始め、しかしその路線も捨てきれず、有耶無耶にするため『記憶喪失ということにしてリアルのこいつの詳細は後で決めよう』という結論に至ったため、ユーキは地味に記憶喪失という設定が追加されたんですよね。…まぁ、蓋を開けたら結局ただの男子高校生で落ち着きましたけど…。最後までこいつのリアルについては悩んでいたんですよね。でもそういう理由で私生活の姿が見えなかったからこそ、自由にゲームの世界に溶け込めたキャラなんじゃないかなとなんとなく思ってます。
まぁ、ユーキに関してはこんなもんですね。総評としましては真の英雄です。
続きまして今作の…一応ヒロインって扱いになるのかな…ポンコツを継承するもの、田中です。
元々ゲームに携わっていた関係でゲームの攻略法を熟知している上で、こいつをどう底辺冒険者に陥れるか…それがこの物語の起源ですね。その結果は皆様のご存知の通りかと…。あくまでコメディなので陥れても可哀想にならないように性格を捻じ曲げていった結果、完成品があのポンコツです。ですが、元々佐紀ちゃんはええ子なんですよ、でもその性格がねじ曲がってしまったのは…ゲームの世界の創世記の時に深く関わってしまったあいつのせい…まぁ、分かる人にはわかるあのクズ野郎のせいなんですけど…。なんにしてもこの子はとある人物の影響を大いに受けてしまったがためにあんな性格がねじ曲がってしまったんですよね、可哀想に。ですが、根は割といい子なので物語を通していろんなことを経験し、色んな人と出会い、少しずつ変わっていく…かと思ってたんですけど、これは変わったのかな?。自分の身に起きた残酷な真実を知ってNPCに優しくするようになり、少しずつ変わっていく…そういう予定だったんですけど、そう簡単にはねじ曲がった性格を矯正することは出来ず、結局ゲームへの復讐心という形で蟠りをゲームにぶつけて八つ当たりしたという感じですね。終盤になって復讐という程でゲームをクリアしてプレイヤーを助けようとしたのは…怒りと贖罪が混じって本人もどうしたいのかよくわからなくなってしまったからでしょうね。そしてユーキと関わり、自分の本心に気がつき、抑えきれなくなりようやくエンデングの最後で助けを求めた。そんな複雑な葛藤が彼女の中であったんでしょうね。最初は『こんなクソをヒロインに仕立て上げられるのか?』と不安を覚えていましたが、読者の皆さんの反応を見るに一応はちゃんとヒロインに出来たかなと思います。
また、彼女の悪癖とも言える意地の強さがなければ、あんな苦行は長くは続かなかったでしょう。彼女はめちゃくちゃひどい目にあっているのに全然弱音を吐かない…そうでなければこの作品はコメディにはならなかった。彼女のクソさを含めてこの作品の核とも言えるキャラです。
総評としては設定は悲劇のヒロインだけど、それを感じさせない意地とも言える心の強さを備えた不憫なヒロインという感じでしょうか?。
続きましてはシン。
こいつは…序盤は作者視点でも文字通りお荷物だった。まず、私はこれ以前の作品は『キャラ名「セリフ」』という風にセリフの前にキャラ名を入れる形で小説を書いていたのですが、今作ではそのようなスタイルを取っていません。そのため、人数が増えれば増えるほど誰がセリフを言ったのかを書かなければ分からなくなる。しかし、いちいちそんなものを書いていたらテンポが悪くなる。序盤の田中、ユーキ、シン、ナビィの四人で冒険していた時は慣れない書き方ということもあってかそんな悩みがありました。それ故に『誰か居なくなれば楽なんだけどなぁ』とか考えていて、そうなった場合、田中は物語の核だし、ユーキは割と使いやすいキャラだし、ナビィさんはキャラ的に絶対に外せなかったし…でも、シンって別に要らなくね?と思ってたんですよ。おまけに目的が妹を探すことだから作者的には冒険させたいのに冒険に行きたがらないし…はっきり言って邪魔だったんです。そしていざ冒険に出かけようとした時に、冒険に出たくないシンと田中達が対立した結果…シンを棺桶にすることに迷いはなかった。『まぁ、とりあえず棺桶にして放置して、こいつの処遇は後で考えよう』と思ってシンの扱いを先延ばしにし続けた結果…棺桶がデフォな不遇キャラが定着した。そしてそのまま地獄の乱数調査が始まり、約5千回にも及ぶリスキルを繰り返した結果、流石に可哀想だと思った。『これはここで救済しないとマジで最後まで棺桶だな』と考えた結果、シン生存ルートへと分岐することになった。しかし、生きることを許されても所詮はレベル1、出来ることも特になくそのまま物語は進み、棺桶ガードとして棺桶でいる方が役に立つことが判明した。…今考えるとマジで居た堪れないな。
だが、そんなシンもフローラとの再会を機に成長していく。パーティにも積極的に貢献するようになり、なんやかんやで気がつけばパーティの一員となっていた。おめでとう。
最終的にはレベル1フェニックスによって強キャラへと変貌し、物語に大きく貢献した。ちなみにレベル1フェニックスはゲームのポケモンの戦術として存在するレベル1ココドラという発想をパクったものである。
総評としては気がつけばなくてはならない存在になっていたキャラである。
お次はナビィさん。
ご存知鬼畜妖精のナビィさん。その鬼畜の所業でパーティをかき乱し(割と自滅していたが)、この物語をコメディーとして成立させていた影の立役者。彼女がいなければ多分この物語を続けようとは思わなかった。そう思うほどに良い意味でパーティをかき乱してくれた。ナビィさんの設定としては運営陣が田中を監視するために作った田中を監視するための存在というものである。それ故にゲームが始まる前から田中と接し、田中を支えていた存在であり、長く接するに連れて田中への愛着が湧いたのだろう。田中の肉体が死んでいることを知っていたナビィは田中を思って、田中にこのゲームをクリアさせまいという隠れた目的を持ってパーティをかき乱していました。それ故に彼女は何かとつけては冒険の邪魔ばかりしていたんですね…ナビィさぁぁぁん。しかし、あくまで監視者という立場上、直接手出しをすることは出来ず、終盤に差し掛かり、田中が着々とクリアへとブラッドを稼ぐ様子を見ていることしかできませんでした。…ナビィさぁぁぁぁん。
それでもなにか田中達の力になりたい…あくまで中立な彼女が出来る最大のアシストが最後のあの封印の聖杯ということです。…ナビィさぁぁぁぁん。
というわけで総評は、重要な影の立役者の一人という感じですね。
続きましてゴブリー。
本来はチュートリアルボスとして最初のダンジョンのボスを担っていたNPCですが、田中の暴力的なSTRによって冒険者として生まれ変わったキャラ。初めは田中達よりもゴブリンの方が冒険してるという対比と、田中達だとまともに冒険出来ないと悟ったが故にゴブリーにちゃんとした冒険させて『冒険を描きたい』という心を抑えようという作者の緩和剤として書いたキャラ。冒険出来ない不遇な田中達との反動で勇者になるという高待遇に加え、ハーレム展開という王道展開を味わったキャラ。しかし、常にバハムートに命を狙われたり、魔王と戦ったりと苦難もそれなりにあり、なんにしても田中達の代わりに作者の冒険欲求を満たしたキャラである。最終的には勇者の定めに則り、田中に取り付いた魔王を封印する役目を担った。
総評としては『こいつがいたから田中達は冒険出来なかった』である。
続きましてメル。
本来は某ゲームのボーナスキャラのようにプレイヤーに経験値を与えるだけのモンスターであったが、ゴブリーの手によって冒険者として旅だったキャラ。ブラッドの塊であるが故に厄災を招くという設定はRPGのヒロインとして個人的には燃える展開である。ひとときは田中に復讐するためにモンスターと化したが、冒険を通じてそんな怒りも忘れてしまうほどの何かに出会えることを信じて再び冒険の道へ。彼女達の物語は完結してないので、おまけ程度になにかちょっと書こうかとは思ってる。
総評としてはTHEヒロイン。
続きましてマオ。
魔王の器としていずれ魔王となる前に勇者であるゴブリーに自分ごと消し去ってもらうためにゴブリー達と行動を共にし始めたキャラ。呪われた定めをもつその設定はメルと同じく個人的に燃える展開である。そんな燃える設定が二人もいるこのパーティはもうそれだけで色々と妄想が膨らんでしまう…なぜこいつらが主役じゃないんだ?。序盤は雪を真似て明るく振舞っていたが、物語の進行とともに事態が深刻になるにいくにつれ、後ろ向きな素顔が垣間見えるようになっていく。最終的には間接的に田中に救われることとなり、死にゆく定めであったのに生きることを強いられ、冒険を通して生き方を見定めようとしている。
総評としては『なぜこいつらが主役じゃないんだ?』である。
続きまして雪。
一応はシンの妹。元々はひとりのプレイヤーとして魔王であるマオに挑もうとしていたが、魔王としてやる気のないマオを見て興がそれてしまい、なんとか魔王としてやる気を出してもらおうとマオと接しているうちにマオと仲良くなり、マオに冒険に出てもらうためにリネームカードを使って自分の名前を魔王に変え、魔王の影武者を引き受けたキャラ。それ故に田中達とは魔王としてはじめに対峙することになったのだが、その時シンは棺桶となっていたため存在に気がつかなかった。マオが心置き無く冒険に出かけられるようにマオの代わりに立派な魔王として魔王城を守るとマオと約束したが、田中の手によって魔王城は崩壊し、その約束は破れてしまった。本当は『ジャジャーン!!魔王は実はシンの妹でしたぁぁ!!!!』感を出したかったが、タイミングを失ってしまい有耶無耶のまま終わってしまった。その後はゴブリー達と行動を共にし、最後までゴブリー達との冒険を楽しんだ。現実世界の身体が病弱である反動でゲームの世界を思いっきり楽しんでいたキャラであるが、その辺ももっと掘り下げたかった。
総評としてはちょっと上手く活かせなかったキャラである。
続いてはアイロ。
元々は鍛冶屋のおっさんだが、萌え豚の手によって…正確に言えばティーンの指示を受けた萌え豚の手よって美少女になった犠牲者の一人。ユーキの言う通り、女の子ばかりではなし得ない味はあるのだが、女の子は可愛い方が有利というのもまた事実。最初はコテコテの萌えキャラだけどその実は元おっさんという素直に萌えられないキャラ路線で行こうかと思ったが、物語が進むにつれておっさん感も薄まり、普通に美少女になって来たのでただの萌えキャラにはしたくなかったためにちょっとリアルな感じの乙女という風に仕立て上げたつもりだが…皆さんの目にはどう映っただろうか?。ちなみに設定上、何度も仕事を頼むと好感度が上がるため、序盤に剣を壊しまくって鍛冶屋に入り浸っていたユーキへの好感度が高くなっていたため、最初からユーキに対してメスの顔してたのである。そういえばこの作品のあらすじに『徐々にギャルゲーになっていく中』とかそんな一文があったと思うが、ユーキが彼女との付き合いをおざなりにしたせいでギャルゲーにはならなかった。
総評としては負けヒロインである。
続きまして神父さん。
マサラの街の神父であり、プレイヤーは全滅するとこの教会で復活する都合上、普段から忙しいキャラ。そんな中、一文無しで何度も全滅する田中達は邪魔で邪魔で仕方がなかっただろうが、勝手に教会をホームとした挙句自分を家族だなどと言い張る田中達ことは地獄に落ちろ程度にしか憎めず、最終的にはソコソコの関係で落ち着いた。嫌々ながら仕事だから仕方なく任務を全うしつつ、田中達に振り回され続けるその不憫な姿は個人的には無人島で起きた某デスゲーム(笑)の某ゲームマスターを彷彿とさせた。…が、彼ほどの領域にはたどり着けなかった。
総評としては仲良くなれなかった神父さん。
続きまして魔王。
元々はマサラの城の地下深くに封印されていたが、逆さメイドがマサラを襲った際、その衝撃で封印が解け、マオの身体を乗っ取って魔王として降臨した。その圧倒的な力で数々の猛者を打ちのめして来たが…逆さメイドには勝てなかったよ。その後はなんやかんやで田中へ愛着が湧き、最終的には田中と共に運命をぶち壊すのに大きく貢献した。
総評としては物件選びが下手なのが致命傷だったやつである。
続きましてバハムートさん。
初めは竜の王としてゴブリー達に猛威を振るうが、田中の手によって空が壊れ、自由を手にした。しかし、散々竜の王として君臨していたせいで無視されることに対する耐性がきわめて低く、時に人の目を引くために一生懸命になる姿は愛くるしいものがある。空を自由にとびまわれることを生かして最終的には壁抜け要員として大いに活躍した。
また、序盤からバハムートさんは決め台詞のように言っていた『逃れられやしない、この空がある限りな』という台詞は空がNPCの行動を縛っていたことを序盤から示唆するためである……という後付け設定がある。
総評としては意外と可愛いやつである。
続きましてフィーネ。
奴隷の街の領主として多くの奴隷を抱えながら統治するキャラ。物語でよく見られる安易な奴隷批判に対するアンチテーゼのために書いたキャラ。多分彼女は奴隷を養っていくために裏で努力してるんだろうなぁ…売れ残った奴隷を分け隔てなく買い漁っているけど、そんな無茶がいつまで続くのかというのがリアル思考な疑問点。だが彼女もそれを理解した上での行いであり、彼女はより良い奴隷のあり方をこれからも考え続けるだろう。
総評してはフィー姉様である。
最後にティーン。
開発陣、運営陣とは別にデバッグ陣としてゲームに居座っていた謎の人物。ユーキ達の貢献によってゲームの核となるワールドコアを手に入れた彼の本当の目的とは…。まぁ、それはまた別のお話。こいつについては分かる人には分かる感じのやつである。
総評としては世界の癌である。
さて、キャラの総評もだいたいこの辺りで終わりにさせて頂こうと思います。一応、おまけとしてあと数話くらい何か書くつもりですが、この物語はとりあえずここでおしまいです。ここまで長いお付き合いどうもありがとうございました。せっかくなのでここまで読んで頂けたのなら何かしら一言感想でも残していただけたら幸いです。
次回作についてですが、何を書こうが考え中です。おそらくエンターテイメントを目的とした作品ではないものを書くことになるかもしれないです。まぁ、それでもお付き合いしていただけたら幸いです。
では、また何処かでお会いしましょう、お疲れ様でした、さようなら。




