卵
昔々のその昔、
蛇は綺麗な白い卵を産んだとさ。
鳥は汚い黒い卵を産んだとさ。
鳥は蛇の卵を羨ましく思い、
自分の卵を捨てたとさ。
そして蛇の卵を盗んだと。
鳥は蛇の卵を温めて、
やがて小さな蛇が出てきたと。
蛇はそのうち大きくなって、
己を育てた鳥を食べたとさ。
あな、おそろしや、おそろしや。
さすれば鳥達はこういった。
お前を育てたあの親を、
お前は丸飲みにしたのかと。
あの鳥が犯した罪をも忘れ、
蛇を責め立て泣いたとさ。
あな、おそろしや、おそろしや。
どちらが悪いか分かりゃあせんが、
これにて幕引きといたしましょう。
童話にしようかとも考えましたが、詩にしてみました。
読んでくださりありがとうございました。
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