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親愛なる妹へ


 急に暑くなってきたが、そちらは変わりないだろうか。

 先日は久しぶりに元気な顔を見られて嬉しかった。

 お前があまりに早く帰ってしまうものだから、あのあと小僧や秘書に散々なじられたぞ。

 今度来た時は、市内見物と夕食くらいは付き合ってもらいたいものだ。


 十五で家を出た時、もう二度とあの家に戻ることはないものと思っていたが、お前が手を尽くして繋ぎとめてくれたおかげで、今でもお前の「兄」でいられることに心から感謝している。


 私は皆が望むような後継ぎにはなれなかったが、それも人生だ。

 遠く離れたこの都から、いつも皆の幸せを祈っているよ。


 いずれ、小僧を連れてそちらに顔を出そうと思っている。


 それでは、元気で。

 皆によろしく。



 「伝説の卵神官シリーズ」外伝、本編主人公ラウル(と養父ダリス)の過去を繙くお話でした。

 今回のテーマはずばり「手紙」、そして「妹の来襲」。お話のネタはもう何年も前から練っていたのですが、なかなか書き起こす時間がなく、月日ばかりが過ぎていきました。

 そもそもシリーズ第一作「未来の卵」を書き始めた段階では、養父ダリスの存在どころかラウルが拾われる経緯すら設定されていなかったのです。 緻密なプロットを作っているつもりでも、実際には穴だらけの設計図をもとに直感だけで橋を作るような書き方をしているもので、こんなことは日常茶飯事。しかし、その「行き当たりばったり」が生み出した人間関係や登場人物達の過去などは、計算して作ったものより遥かに面白かったりするので、あまり緻密に設定を作り込まない方がきっとよいのでしょう(苦笑)


 今回の鍵を握る人物・ドロテアは、ダリス同様最初から設定されていたキャラではありません。妹がいるという設定は「眠れる森の姫」でダリスが自身の生い立ちを語った際に出てきましたが、ドロテア自体はSS「Flower Garden」が初登場となります。その時点ですでに「兄に対して容赦のない妹」という性格づけはされておりました(笑)


 あのダリスの妹なので、きっとラウルと気が合うのではなかろうか、という思いつきから広がっていった今回のお話。案の定、出会ってすぐに意気投合した二人は、この後も手紙のやり取りなどを通じて親睦を深めていった模様。「いとこが欲しい」とごねていたドロテアの子供達も嬉々として加わり、賑やかな交流が続いていたと思われます。


 なお、このお話の冒頭と最後にあった手紙「親愛なるお兄様へ」ならびに「親愛なる妹へ」は、2016年3月21日に行われました「Text-Revolutions3」内有志企画「300字SSポストカードラリー」に参加させていただくために書いたものです。

 前々から練っていたドロテア来襲のネタから「親愛なるお兄様へ」を思いつき、その返事となる「親愛なる妹へ」も書いたことで、「じゃあこの間の話もちゃんと書いた方がいいよね」「ついでに同時頒布出来たら最高だよね」と思ってしまったことから、この「Letters」が生まれたと言っても過言ではありません(^^ゞ

 というわけで、きっかけを与えて下さった「てきれぼ300字企画」さんにはどんなに感謝しても足りません~!! ありがとうございました!


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