ロフトベッド
ロフトベッドの上に寝転がり牙は目を閉じた。
「なぁ、牙。さっきの地震大丈夫なんかな?」
のぼるが下から声をかけてきた。
「さあ?最近毎日22時になると揺れるんだよな。だけどそれってここだけらしいぞ。」
「ここだけって?」
「だーかーらー、男子寮だけ。最初に揺れた日、俺菖蒲に電話したんだ。大丈夫かって。」
のぼるはそれで?と聞いた。
「そしてらあいつ、ケロっとしててさ。揺れてなんかいないって言うんだよな。次の日琥珀にも聞いたけど、同じ返事でさ。わけわかんねーて思ったよ。」
牙は電気を消して、再び両腕を枕にして寝転がった。
「んで、次の日も揺れたから廊下に出たら、点呼中の麓にばったり。なんせ久々だったから俺は全然わからなかったけど、麓は俺だってすぐわかったらしく声かけてきてさー。さっきの話を聞いたわけ。」
「へー。その桐島?てどんなやつ?」
「見たことねーんだよな。」
「お前、ここにきて何年め?」
「3年目だけど?」
「それでなんで知らないんさ?」
「俺、映画の撮影で結構休んだりするからな。」
「あっそー。つかなんでわざわざこの学園にきたんだよ。」
「なんだっていいだろー!」
牙は慌てて布団に潜った。しばらくしてのぼるの寝息ぐ聞こえてきた。
寝たのかよ。
俺ももう寝るか。考えても仕方ねーしな。
牙も深い眠りについた。