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結婚生活五年後から

 良くしてやれば良くしてやるほど、横柄な態度で生意気な事を言い出す。下手にでると、つけ上がって本来の自分が出るようである。

 ここらへんから、駄目だこいつは、と僕も悟りだす。


 生きていく上で、謙虚でいるのと感謝をするのはとても大切な心得だよ、と何度さとした事か。

 言うだけ無駄だったけど。


 何度も東京に帰れと言った。初期の頃は泣いて謝っていた。絶対に直しますから許してくださいと。何度も許してやったのが間違いだった。

 こいつは畜生と一緒だ、いくら口で言っても直らない。殴って恐怖で支配するしかない。

 子供がいない時に、そんな事をしないで強制的に別れたかったのだが、一時期は一度婚姻関係を持つと簡単には離婚できないとか言って開き直っていた。その時にずっと無視していたら態度がまともになったんだけど、許してやるとまた元通り。その繰り返し。

 しかし子供がいるんだからもう許しておくわけにはいかない。気違いレベルの短気と人を見下した態度。自分はどうしようもないぐうたら専業主婦なのに。

 一つの真理。あらゆる体制も権力も暴力によって支えられている。暴力は使い方によっては悪になるが、平和を維持するための暴力は必要。

 東京に帰していた家内が、また一緒に住みたいと言うので、僕は宣言した。帰ってくるなら殴るぞ。前に予告しただろ、今度馬鹿みたいな事で短気を起こしたら殴るって言ったよな。そしたら、「はい、殴ってください。ごめんなさい」という返事だった。

 で、東京から帰ってきたので殴った。顎にアッパー一発。ボディにフック二発。それで立てなくなったが、あまりにも甘すぎるので回復を待ってもう一発ボディにアッパーを入れた。一番自信のあるストレートを入れなかったのは俺の情け。


 いまだに美味しいチャーハンを作れない。いつもまずい。ある日、いつにも増してまずいチャーハンが出てきたので、一口食べてギブアップ。マズイと言ったら、人がせっかく作ったものをマズイと言うなんてどういう神経してんのよ、と怒りだす。

 じゃあ、おまえこのチャーハン食べてみろよ、と言ったら、私はいまチャーハン食べたくないからと拒否する。さすがに頭にきて、食べろって言ってんだろ、と怒って、食べさせてみると家内も一口たべて黙り込んだ。

 どうやら家内の作るチャーハンは冷蔵庫の残飯整理の模様。僕は豚扱いか。そりゃ何年専業主婦をしていても飯がまずいわけだわ。


 僕が子供の歯磨きをしないともんくを言う。あんた専業主婦だろ。


 保険会社の人から「引き落としができませんでした。XX日までにご入金ください」と連絡がきた。それを家内に言うと、ちゃんと入れておきます、との返事。これで三度目だっけ。

 っていうか、なんでそんなぎりぎりの額まで自分の口座に移しかえるんだよ。僕が渡す給料も市役所から振り込まれる子供手当も全部自分の口座に移してるよね。

 僕の知らないうちに僕名義のカードの暗証番号を勝手に変えているし。

 そのカネを持ってどこかに消えてくれるのなら文句は言わないけれど。


 専業主婦だというのにあまりにも傲慢。食事も相変わらずまずい。僕は食事を完全に自分で用意するようになりました。結婚八年目。よく今まで我慢して食べたものだ。自分で自分を褒めたい。


「おまえといると死にたくなるよ」

「死ぬんならちゃんとお金を残してから死んでよね」


 家内が長男の顔を平手でおもいっきり殴っているのが発覚。理由がはっきりしてなかったのだが、ある日の夜、僕と一緒にテレビを見ていて、いつも通りに九時前に片付けを済まして眠りにいくと、家内におもいっきり顔を殴られていた。僕が慌てて行って、「なんで殴るんだ」と聞くと、「長男が起きているせいで下の子が泣きやまない」と言う。長男は僕と一緒に静かにテレビを見ていただけなのに。僕は家内の顔を殴りました。結婚八年目にして二回目の殴り。初めての顔面への攻撃。

 二度と子供を殴るなと強く言いました。


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