菊奈達の入隊
久しぶりの投稿ですね(●´ω`●)
最近仕事やら何やらとにかく忙しい。
こう言うのもリア充と言うのでしょうか(泣)
義雪隊と宗茂隊の『恒例』の模擬戦の前に義雪隊の面々は一カ所に集められた。
新しく義貞分隊に所属する菊奈達姉妹を紹介するためだ。
最初菊奈達が戦場に出ることを頑なに拒んだ義雪であったが、彼女達の熱意の籠もった嘆願に遂に折れ『義貞隊にて医療や補給に従事する』という条件の下に入隊を許可されたのだった。
「今度から義貞の医療補給隊に配属される事になった者達で、一番前にいるのが菊奈、その後ろにいる双子が右から萌鳥と魅鳥だ。皆仲良くやってくれ」
「…菊奈と申します、皆さんよろしくお願いします」
「萌鳥だよ!兄ちゃん達よろー!」
「魅鳥だよ!怪我してもしっかり見てあげるからねー!」
「「「おおおお!!!」」」
義雪隊の面々はむさ苦しい男だらけの隊に若い女子が入ったことに歓喜し、ある者は踊り出しある者は奇声を上げ喜んだ。
「それと菊奈達には個人的に紹介したい者がいる。明光、景家、治吉!」
「「「はっ!」」」
義雪に呼ばれて三人の青年前に出てきた。
「こ奴らは我が隊に所属する武士で右から畑守明光、吉岡景家、臼杵治吉という。時にはわしと共に前線に、時にはわしの代わりに隊指揮をしてくれる優秀な者達だ。隊のことでわからないことがあったらこの者達に聞くと良い」
義雪が三人の簡単な紹介を済ませる。
「では某からご挨拶を」
そう言って最初に爽やかな笑顔で菊奈達に挨拶をしてきたのは臼杵治吉であった。
透き通る瞳、綺麗にさらさらとした黒髪、左目の泣き黒子が特徴的な好青年だ。
「初めまして臼杵治吉と申します。本来私とそこの景家は豊後の者なのですが、故あって義雪様の麾下に身を置かさせて貰っています。……と言っても貴女方は覚えてないかもしれませんが、実は某達と貴女達は既に一度お会いしているんですよ?」
「「「?」」」
菊奈達は本当に治吉達と会ったことがあるか記憶を探ってみる。
しかし、こんな人物は思い当たらない。
こんな特徴的な好青年を忘れる筈はと、困惑する菊奈達。
治吉はその仕草に悪戯っ子のような笑みで笑う。
「失礼、余りにその仕草が可愛いらしかったのでつい。お覚えないのも無理はありません、何せあの時貴女達は瀕死の重傷で周りの者達に一々気を使ってる暇は無かったのですから」
「「「!!」」」
「どうやら何時お会いしたか大体お解りになったみたいですね。あの時は疲労困憊の銀次郎殿に変わって某が菊奈様を担いで診療所まで連れていかせてもらいました」
「あの…その節は大変お世話になりました」
菊奈は深々と頭を下げ礼を言う。
「いえいえ、お気になさらず。傷ついた方を救うのは武士として当然の事ですから」
爽やかな笑顔で手を振り治吉は謙遜した。
「じゃあ、次は某だな。菊奈殿達に忠告しとくが治吉は大の女ったらしだから気をつけた方が宜しいぞ」
次に口を開いたのは、治吉を蔑み汚い物を見る男。吉岡景家であった。
彼も大分好感の持てる好青年である。
力強い眼差しに、茶髪の少し縮毛気味な髪が特徴的であった。
「某は吉岡景家。さっき治吉から説明があったと思いますが豊後出身です。以後お見知り置きを、あと治吉が何か不埒な事を致しましたらすぐさまご報告ください。苦しみ悔い改めるようにじわじわと斬首いたしますので」
「わかりました」
「「りょーかい」」
「おいおい」
苦笑いする治吉。それを見る景家の顔は真剣であった。
こうして二人まで大体挨拶が終わった時にふと三人目の男、明光が口を開く。
外見は……大きく、背の低い菊奈達からしてみたら山のように思える程であった。
その顔は前の二人と違い、整った顔つきではない。例えるならばそう、鬼のように恐ろしい面構えであった。
しかし、菊奈達は不思議と恐怖、畏怖という感情は沸いてこなかったのである。
とても不思議な雰囲気を持つ人だと三人とも感じたという。
そしてその挨拶はーー
「…畑守明光だ」
凄く簡潔且つとても短い挨拶だった。
思わず何を言えばいいか困惑する菊奈達。
それを見かねた義貞が彼について話し出した。
「畑守殿は……まあ、無口でな。あまり会話が得意ではないのだ。彼についてはわしが代わりに話す。畑守殿は我が隊最古参の者で、わしよりも兄者に仕えた歴は長い。しかも外見通りの猛者でありながら卓越した指揮能力も備えておる正にうちの隊には勿体無き御仁よ」
「「へぇー凄いんだね」」
説明を終えた義貞に明光は一礼を済ませると腰から干し柿を取り出し、菊奈達に差し出した。
「これを私達に?」
「……」
無言で頷く明光。
「あ、ありがとうございます」
「「ありがとうね!怖い顔の兄ちゃん!!」
」
「こ、こら!魅鳥、萌鳥!!失礼でしょ!!」
「「あ、ごめんね」」
菊奈達が干し柿を受け取ると、明光は一礼してその場を去った。
「…機嫌を害されたでしょうか?」
不安そうにその後ろ姿を見る菊奈。
「さぁな。いつもあんな感じの御仁故、よくわからんのう」
それに困った顔を浮かべる義貞。
「別に気にしてないみたいだったぞ。寧ろ、元気の良い娘子達だと喜んでいたようだったな」
「獣志郎様は畑守様のお考えがお解りなのですか?」
「全ては解らんが、何となくな。まぁ、長い付き合いだからな」
「義雪様、では我々もそろそろ持ち場に行こうと思います」
「うむ、今日も良き働きを期待するぞ」
義雪達はそれぞれの持ち場に戻った。
(凄い…何回か諜報で他の模擬戦は見たことあるけどこれは……もう実戦のそれだ)
目の前で広げられている熱の籠もった戦いに息を呑む菊奈。
いざ模擬戦が始まり、菊奈達義貞分隊は遠巻きからそれを眺めていた。
彼らは医療補給専門の部隊な為、直接的には模擬戦に参加しない。
しかし、する事が無いわけではない。
模擬戦にて怪我を負った者達の搬送、簡易的な治療、戦場の事後処理などある意味一番疲れる部署なのである。
「さて、そろそろわしらも動くかな。輸送担当の者は直ちに出立!医療担当の者はこれから大量にくる阿呆共の受け入れの準備を始めよ!」
義貞の言葉に一斉に動き出す隊の各員。
その動きはかなり手馴れたもので、迅速且つ的確に各々が行動していく。
「菊奈、魅鳥、萌鳥は輸送の者達についていき負傷者の搬送に勤めてくれ」
「御意」
「「ぎょいー!」」
義貞の命にて戦場へ向かう菊奈達輸送班。
そこには遠巻きで見た戦場よりより凄まじい熱気と気迫に包まれていた。
菊奈達は、既に何人か動けないまでに傷を負ってる者を見つけ早速作業に取り掛かる。
(……凄い、本気で殴り合ってる)
戦場等戦いの場に馴れている筈の菊奈でさえ萎縮する内容であった。
そんな中、菊奈は既にかなりの手傷を負った先程知り合った青年武士、景家と治吉を見つけた。
その負傷具合は致命傷ではないものの最早立って戦線に復帰出来ないぐらいに酷いものであった。
「吉岡様、臼杵様大丈夫ですか?」
「大丈夫……と言いたいところだが、無理みたいだ。すまないが助けていただきますか?」
「菊奈様、某もお願いします。治吉程ではないですが、手足が動かないという点では似たようなものですから」
「わかりました、誰か!二人を運ぶのを手伝ってください」
近くにいた輸送班の仲間を呼び、二人を後方に運ぶ準備をする菊奈。
(こんな過酷な乱戦……獣志郎様は大丈夫かしら)
作業をしつつも、その心は周りに姿の見えない何よりも慕う主を思う。
それを察したのか治吉はその心配を和らげようと声をかける。
「義雪様なら大丈夫ですよ」
「…しかし」
「心配なのは解りますが、少なくとも我々よりあの方はお強い。槍獣志郎の異名は伊達ではないのですよ」
それでも尚心配そうに土煙の舞う戦場を見据える菊奈。
その胸中は終始穏やかではなかった。
「獣志郎様!!」
模擬戦が終わり、中央の激戦区にて自力で立てるぐらいの傷の者達が帰ってくる中、菊奈は義雪の姿を見つけ、思わず駆け寄った。
「おお、菊奈か。どうだ、上手く隊に馴染めたか?」
「あ…はい、何とか馴染めたかと思います」
菊奈は思わず赤くしながら顔を伏せる。
髪は乱れ、服も汚れ、義雪の姿は綺麗なものではなかったが、彼女からしてみれば普段と違って男らしさが際立って見えていたのだ。
「…どうしたのだ?顔を伏せて。まさかどこか怪我でもしたのか?」
自分の目の前で顔を伏せて話す菊奈を心配そうに見る。
「「ふふふー、菊奈姉はしろちんが心配で仕方なくてそれどころじゃなかったんだよー」」
「!?ちょ、魅鳥!萌鳥!」
大慌てで妹達の口を塞ぐ。
(わしが心配……か。未熟故に無用な心配をさせてしまうのだろうな)
「それは……すまんな」
「じ、獣志郎様!?べ、別に気にしないでください、私が勝手にしている事ですから」
「いやいや、身内に心配されると言うことは言わばわしが未熟が故。誠に申し訳ない」
頭を下げあう二人。
「全く、戦後処理の最中に…」
「ははは、奥ゆかしき貴女も素敵ですな」
「笑う前に作業をしろ、怪我をしていてもできる事はあるだろ」
「……」
義雪隊の面々はそれを微笑みながら眺めた。
そういえば以前いきなりお気に入り数、閲覧数が増えた時かありましたが、なんとTwitterでこの作品の紹介をしてくれているお方がいたんですね(゜Д゜;)
友人の『なんかお前の作品Twitterで宣伝されてるよ』との一言を聞いてびっくりしました(●´∀`●)
嬉しいやら恥ずかしいやら( ´艸`)
ちなみ見つけた時にすかさずフォローさせていただきました(勝手ながら)
とにかく頑張らなければと、深々と思う限りです。
次回から新章です!気合い入れていくぞーー!!




