表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
義雪伝  作者: 戦国さん
番外編その壱
14/22

釣りと家計と誓い

いやはや、ほんま最近暑すぎでしょ(泣)

なぜこんなに暑いのでしょうか?

私の住まいはそんなに暑い場所じゃ無いはずなのですが…まぁ、とにかく水が飲んでは出て飲んでは出て回転の良いこと回転の良いこと(笑)

とりあえず久しぶりの(…と言っても数日です)が投稿です。


春の暖かい陽気の日。

今日は仕事が無い義雪は菊奈を連れて近くの河川に釣りに来ていた。

「…獣志郎様、釣れますか?」

「ふむ、さっぱりだ、やはり竿と槍では勝手が違うな。菊奈はどうだ?」

「こちらもさっぱりです」

二人同時に溜め息を吐く。

現在立身家は菊奈姉妹が住まうようになってから深刻な金銭不足に陥っていた。

義雪は隊持ちの侍大将といっても身分だけで貰ってる給金は高くなくまた、隊の足軽達も立花家から借り受けてる状態である。

義貞に至っては義雪の陪臣扱いの為、立花家からの給金は雀の涙程度であった。

更に本来ならば二人で暮らしていくのもやっとであった所に菊奈達姉妹が加わったのだ。

不足な所か即赤字なのは日を見るより明らかである。

そして今そんな現状に少しでも食費を浮かそうと義雪と菊奈は近くの河川で釣りをしていたわけであるが、如何せん二人とも不慣れな作業だ。

数刻粘ってはみたものの、一匹も連れる気配がない。

これでは溜め息もでるのも仕方ない。

(この調子では日が暮れても一匹も釣れそうにないな…誰か知ってそうな者に指南でも受けれれば良いのだが…)

義雪は考えた、誰か釣りが出来そうな知り合いはいないものかと、そしてその人物の顔はすぐさま脳裏をよぎった。

「……そうじゃ、奴ならば」

「どうしました?」

「いや、なに、少し妙案が浮かんでな。それより場所を移動するぞ」

「移動……ですか?」

義雪は早速釣り道具を片付け初め、そんな義雪に何か考えがあるのだろうと菊奈も何も聞かずに片付け初めた。


「で、俺の所に来たのかよ」

「水軍の頭であるお前なら釣りの事にも詳しいだろ?」

現在義雪と菊奈は博多の港に停泊している万字水軍の船の上にいる。

義雪の脳裏をよぎった人物とは銀次郎の事だったのだ。

「…俺だって暇じゃねえんだぞ。だれが…」

「お頭はそこでふんぞり返って酒飲んでるだけじゃないですか」

「な!?」

銀次郎が断ろうとした横から部下の平村大助が口を挟む。

その手には数々の書類、竹巻を持ち目の下にも隈が出来て、銀次郎に比べてとても忙しそうだった。

「…大丈夫ですか?平村さん」

それを心配そうに気遣う菊奈。

「大丈夫ですよ。それよりこの使えない遊んでばかりの頭領がお役に立つのでしたら、連れて行ってください。…ここにいても酒を飲むだけなので」

隣の主を一睨みする平村。

余程こき使ったのであろう、その瞳には最早敬いや忠誠といった気持ちは無く、ただ憎悪と軽蔑しか含まれていなかった。

「ちっ、わかったよ!行けばいいんだろ行けば。準備するから少し待ってろ」

「ありがたい、助かる」

こうして義雪達は釣りの事をよく知る人物銀次郎を加え再び河川に向かった。


河川に着いた銀次郎は早速義雪達に釣りのなんたるかを教授し始めた。

「いいか?今からお前たちがやる川釣りってのは正直釣りの中でもかなり面倒な釣りだ。使う忍耐力や体力は半端ではない故に、枝や、流木等に糸が引っかかっちまう事もしばしばだ、素人であるお前らが一匹でも釣り上げるのは至難の業だろう……で、今回はそんなお前らでも釣れるように沢山魚がいる穴場を教えてやる。まぁ、下手な鉄砲数打ちゃ当たるって事だな」

「わかった、よろしく頼む」

こうして銀次郎の指導の下、早速釣りの準備に取りかかる。

餌の上手な付け方、竿の振り方、魚の食いつきの見極め、本当に何も知らないずぶの素人である義雪達はほぼすべての事を彼に教わる。

その知らなさ加減は、銀次郎が自分の釣りに集中出来ず、常に彼等に気を遣わねばならないほどであった。

そして日の傾きかけてきた頃、銀次郎の努力の甲斐もあり遂にーーー

「おお!銀次郎、釣れたぞ!!……『少し』小さいがな」

「…ああ、『かなり』小さいな」

ーーー親指位の大きさの雑魚が釣れた。

「銀次郎殿、釣れました。……とても可愛らしい大きさですが」

「…ああ、『かなり』可愛らしいな」

ーーー人差し指位の大きさの雑魚が釣れた。

「……元気に育てよ」

「……大きくなったら…また」

義雪と菊奈は、そのあまりに小さく幼い唯一の戦果を川に帰す。

とにかく成果はどうあれ、魚を釣ることに成功した二人。

夕焼けに照らされ、佇むその姿はどこか哀愁が漂っていた。

(…まあ、後で港の漁師連中にでも頼んでなんか適当なもんこいつらに恵んでやるか)

そんな哀れな教え子を見てて哀れに思う銀次郎であった。

この後義雪達は、銀次郎の知り合いの漁師から数匹適当な魚を分けて貰い、複雑な気持ちで帰路に着いた。


「帰ったぞ、やけに静かだと思ったら萌鳥と魅鳥は寝てるのか」

「おお、お疲れ様じゃったな。まぁ、仕方あるまい、ほぼ一日中文句を垂れながらも草履を編んでおったのだからな」

釣りから帰った義雪達を出迎えたのはまだその手に草鞋を編む義貞と、その膝を枕に寝ている双子であった。

彼等は義雪達が食費を浮かすため釣りに出かけたように、何とか家計を支えようと売るための草履を編んでいた。

こちら側としては魅鳥、萌鳥の双子はともかく、義貞がこの手の作業に手馴れていたのでそこそこの数を作ったみたいだった。

「全く、辛いなら外で適当に遊んで来いと言ったのに…疲れ果てて寝るまで働きおって」

自らの膝を枕に気持ちよさそうに寝る双子に悪態を吐く義貞だったが、その表情はどこかにこやかである。

「義貞様すいません。お疲れでしょう、二人は私が預かります」

「うむ、有り難い。そろそろ膝が痺れてきとったところじゃ」

菊奈は魅鳥と萌鳥を起こさないようにそっと抱きかかえ用意した布団に寝かせた。

「ところで兄者の方はどんな感じじゃった?」

「……まぁ、一応魚はあるぞ。釣り上げたものではないが」

義雪は申し訳無さそうに魚篭を前に出し、義貞に中に入った魚を見せる。

「おお、結構入ってるではないか……海魚?川に釣りに行ったのではなかったのか?」

「釣ったのではないと言っただろ。これは…」

義雪は義貞にこの魚を入手した経緯、今日一日の事を話した。

「…なるほどのう、まぁ過程がどうあれ魚は魚じゃ。これで少しは家計が浮くな。兄者、菊奈、お疲れ様」

「…すまんな」

「…面目ないです」

とにかく義貞は早速その魚が早速腐らないように夜飯の分を除きすべて塩漬けした。

そして、晩御飯。

立身家の食卓には義雪達が手に入れた魚を加えた雑炊がならぶ。

「んぐっ!魅鳥、久しぶりに…(もぐもぐ)雑炊に芋と草以外の具が入ってるよ!」

「うん!(ごっくん)…同じ雑炊でも魚が入るとこうも違うんだね…感動物だよ!」

「…魅鳥、萌鳥。食事中は静かにしなさい」

「「ごめんなさい、菊奈姉」」

久しぶりのご馳走にはしゃぐ双子。

無理もない、立身家ではここ最近野草と芋、米(雑炊)以外食卓にはならんでいない。

酷い時等は雑炊や芋も消え、野草の煮汁しかないときもある。

そんな状況下で、育ち盛りで多感な時期の双子にとって魚とは、本当に久しぶりのご馳走なのだ。

「魚や米雑炊は残り少ないが野草は沢山あるから何杯もおかわりしていいぞ」

「「左平ちん、そいつはないよ!」」

「ははは」

久しぶりのご馳走に賑やかな立身家。

笑顔な皆の顔を見て、家長たる義雪は改めて、早く出世して皆に良い暮らしをさせてやらないといけないと深々と思い、家族を幸せにすると堅く誓ったのであった。

アクセス数が過去見ないぐらいに凄いことに(笑)

どこかで宣伝でも行われているのでしょうか?

とにかく嬉しい限りです(●´∀`●)

さて、次の話をラストに番外編は終了し新章突入です。

話が進むのを待ってるお方はもうしばし待って下さいね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ