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夜の風景  作者: 暗中光
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雪が降る前に

第四章 – 第十一ページ:数か月ぶりのメッセージ


12月初旬 – 初雪の前日


空気は、ここ数日でさらに冷たくなっていた。


ミアは窓辺に座り、灰色の空を見つめていた。

空気には雪の匂いが漂っている。


まるで、何かが近づいているようだった。


数か月が過ぎていた。


あのパーティーの夜から、ミアはアイロに何も尋ねなかった。


そしてアイロも、もう一度ミアに近づこうとはしなかった。


けれど今夜――


ミアは、長い間触れることのなかったスマートフォンを、初めて手に取った。


メッセージの一覧には、今もアイロの名前が残っていた。


ミアは数秒間、ただその名前を見つめていた。


そして、ゆっくりと文字を打ち始めた。


ミア:


「こんばんは、アイロ。」


指が、しばらく画面の上で止まった。


それから、二つ目のメッセージを打った。


ミア:


「明日、午後6時にお台場の海辺で待ってる。」


送信。


ミアはスマートフォンをそっと置いた。


心臓が、速く鼓動していた。


アイロが返事をくれるのかも分からない。


そもそも、明日、本当に来てくれるのかさえ分からなかった。


数分が過ぎた。


すると、スマートフォンの画面が明るくなった。


アイロ:


「みや……久しぶり。」


続けて、すぐにもう一通のメッセージが届いた。


アイロ:


「わかった。明日、6時にお台場へ行く。」


ミアは、静かに息を吐いた。


けれど――


アイロからの最後のメッセージは、まだ終わっていなかった。


アイロ:


「今度こそ、ちゃんと話したい。」


ミアは、その一言を長い間見つめていた。


そして、スマートフォンを胸に抱き、ゆっくりと目を閉じた。


明日。


数か月ぶりに、またアイロの前に立つことになる。


そして今度は――


ただ過去について話すだけではなかった。


外では、風がさらに冷たくなっていた。


まだ、最初の雪は降っていない。


けれど空は、まるで明日のために準備をしているかのようだった。


つづく……

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