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序章 最強の男 レベルカンストする


世界一最強のパーティーと謳われる【絶剣】


ある日ダンジョンの深部へと辿り着いた一行は

詳細不明の現象に襲われることになり…

『だぁぁぁぁっ!!!!』


剣で切り裂いた肉の音が鈍く、そして残酷に

部屋に響き渡る。


(ぐぎゃぁぁ!!!ウウゥ)


ドタンと部屋中に響き渡るような大きな音を立てて倒れ込んだのは

大きな首を3つたずさえ体は銀色のような輝きを放ち人の何倍もの大きさを持ったキング・ケルベロス

ダンジョンの主である大ボスである。


『ふぅ、、今のは流石に焦ったぞ、、、でも

かなりレベルが上がるはず』


(レベル上限に達しました、これ以上レベルを

上げるには上限突破を開放してください)


『上限突破?そんな概念があるのかよ

でも、レベル999まで行ったんだこれから先困ることなんてないだろ』


ふぅ、、と胸を撫で下ろすと流石に優越感が湧いてくる

俺はこの世界で一番先にカンストした先駆者だ

優越感に浸れないほうがおかしい

思わず頬が緩む


そう、俺はついに最強になった

剣術、魔法、回復、スキル、全てが最上位

もう誰にも負けるはずがない


『ちょっと蓮!!あれほど突っ走らないでって

言ったのに!!』


声をかけてきたのは天城 あかね

俺達パーティーの回復役であり戦闘もそれなりにこなせるバーサクヒーラー

この世界に2%くらいしかいない逸材だ。


ヒーラーはレベルが上がりにくいという欠点があるけれどその弱点を戦闘で補ってる

さらにレベルは152だから世界一のヒーラーと言ってもいいだろうな。


『なんだよ〜ネコー心配しちゃった?』


『だーかーらネコじゃないっての!!』


俺は茜のことをネコって呼んでる

理由はない、なんかよく分からんけどしっくりくるからだ。


このやり取り何回したか分からない

でも茜もまんざらでもないような顔をする

少しそこが可愛い


『俺は回復スキルも持ってるし、レベルだって

今カンストしたんだ、最強になったんだから

大丈夫だって』


『だからって……もういいわよダンジョンもクリアしたことだし早くここから出ましょ?』


『おいちょっと待ってくれ、、あれはなんだ?』


茜と俺は振り返りもう1人の仲間

剛力 まもるの方を振り返る


その名の通りタンク役

前線で常に前に出て体を張る

タフな奴だ


こいつはタンクの癖に遠距離攻撃も得意とする

スナイプタンク、こいつは更に稀で


敵の攻撃でふっ飛ばされてもすぐさま遠距離攻撃に切り替えて常に敵のヘイトを取り続けることが出来るまさに弱点のないタンク


レベルも550でカッチカチだ

ちょっとゴツすぎな気もするが…

今はそんなことはどうでもいいか


『どうした?』


俺は護が指差す上を見上げるとそこにはダンジョンの中には存在するはずのない

綺麗な星が浮かんでいた。


『こんなの初めて見るぞ…?なんだか嫌な予感…』


そう思った途端、スキルが発動した

『ッ!?!?』


(状態異常無効化のスキルが発動しました)

(状態異常無効化のスキルが発動しました)

(状態異常無効化のスキルが発動しました)

(状態異常無効化のスキルが発動しました)

(じょじょううたたたたのののの、すすきききが)


『なんだこれは!?継続的にデバフをうけ……

茜!!!護!!!!!』


そこに茜と護の姿はなく気付けばあたり一面

真っ暗に染まっていた。


『くそ!!なんだこりゃなにも見えねぇ…

スキルもなにも使えねぇ…てか2人ともどこだよ…

ゔぅぁうっ!!!?)


これまで感じたことの無い頭痛に襲われた

『なんっ、だよこれ…』


(八神 連 貴様か、我の意思に背く者

我の世界に楯突こうとする不届き者)


『誰だ!!畜生!アタマが………』


(ふむ、耐えるか、いいだろう見せてみよ

貴様の力を)


『また景色が…?』


次に見えた景色は闇のように深い海底のような

空間が広がっている。


そこには2体の赤色と青色の頭に角を2本生やした悪魔のような姿をした異型が

大鎌を携えて立っていた。


『ッ!?』


思わず体が戦闘態勢に入った、というより

自然と体が戦えと言ってるような気がした

ビリビリとした空気、今まで感じたことの無い

威圧感と圧倒的な恐怖感


『レベルはカンストしたはずなのに

こんな感覚に襲われるなんて思ってもいなかった』


体中が汗でぐっしょり濡れているのが分かる

すぐに分かった、一つ何かヘマをすれば致命傷

もしくは即死


2体の悪魔は俺に向かってすぐさま大鎌を振り上げ

懐に飛び込んできた


『問答無用かよ!!!』


連は武器を槍に持ち替え両サイドの大鎌を受け止め

旋風のように槍を回転させ大鎌を上に跳ね上げると

赤色の悪魔の喉めがけて槍を突き刺した


『なんだよ、思ったより力はねぇんだな!!!』


赤色の悪魔はその場に倒れ込んだ

(………んっ)


『なにか、聞こえ……しまっ!!!』


誰かの声が聞こえたような気がした。

それに気を取られて青色の悪魔に槍を突き飛ばされてしまった。

けど、俺にはまだ背中に両手剣がある


『問題ねぇ!!あとは貴様だけだ!!』

すぐさま両手剣を取り出して青色の悪魔にめがけて振りかぶる


『さすがに回避されるか!!ガフッ……』


悪魔の大鎌が俺の横っ腹を抉り取る

動脈をやられた、すぐに決着をつけなきゃ

死んじまう、ふざけるなよ


俺はようやくレベルがカンストしたんだ

こんな所でやられる訳には行かないんだよ!

絶対に負けられない、死にたくない


『あぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!』


最後の力を振り絞って両手剣を投げつけると

悪魔の頭を吹き飛ばしていった。


『勝った…クッソ…いてぇ…でもなんとか倒して……』


(れ…………ん……)


『また声だ、なんなんだ』


朦朧とする意識の中で周りの景色が次第に景色が変わる前のダンジョンが少しずつ見えて来た。


『ダンジョン……もしかしたら…回復スキルが…

お、、、オールヒール』


体が軽くなってくる、どうやらスキルが使えたみたいだ

意識も回復してきた。危なかったもう少しで

死ぬところだったかもしれない。


そういえば、あの2人はどこに行ったんだろう

無事なのか、まずはあの2人を見つけて…


『え?は?あ……あ……うわぁあっ!?!?』


そこには、頭のない剛力 護と

喉から血を流している天城 茜の姿があった


ジ、ジ、ジジジジジ


──そのとき、画面に表示されたログ


(レベル999 → レベル998にダウンしました)


『……は?』


ほんの一瞬、視界にバグのようなログが走った。


それが、終わりの始まりだった



─その日

世界一と謳われた最強のパーティーは崩壊した─









最後まで読んで頂きありがとうございます!!

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