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可愛いエリス様

途中少し逃げ出す経過を変えました。違和感を感じたので。


思っていたより、たくさんの方が読んでくれているので、ビックリしました。更新します。遅れていてすみません。先を少し悩み中です。

「おはようございます。ダイニングレストラン《おにく》のレティでございます。本日は私の一日を密着取材されるという事なのですが、私なんかの記事で大丈夫ですか?」


「はい! 大丈夫です。今このアーティの街で一番美味しいと話題のお店ですから」


「話題?お客様は、多数いらっしゃいますが、そこまででは無いと思いますが」


「いえ! 貴女のお料理はとても美味しいです。ただ肉を焼くのではなく、ひと手間かけてますよね! 私、料理はしませんが、食べるのは大好きなのです。一度食べて貴女の料理の虜になりました。だから、お仕事を口実に貴女の料理の秘密を暴きたいと思います!」



私は秘密という言葉に、ドキッとして胸に違和感が湧きました。変な汗が身体中から滲み出てきます。


 でも、きっと大丈夫。この場所は、あの国からすっごくと遠いし、両親達は獣人国の事は良い様には話してはいなかったから、絶対に来ることにはならないわ。と、心の中で自分に言い聞かせて、今日一日お世話になるリスの獣人のエリス様の私の料理への賛辞を有り難く聞いている。可愛いリスさん。



「まずは、エリス様。朝の市場に行って新鮮な食材を調達しにいきましょうか。私のお店は知っていらっしゃるかもしれませんが、ランチだけのお店ですから結構時間も余裕があるのです。だから、ひと手間かけて丁寧な準備が出来るんですよ」


「市場までの間、色々聞いても良いですか?」


「答える事ができるものなら良いですよ」


「では、早速行きましょう!」



元気なリス様がぴょんぴょん飛び跳ねると、毛量たっぷりの茶色のポニーテールと同じ雰囲気の尻尾もぴょんぴょん同時に飛び跳ねてる。同色の瞳も元気が有り余っているのか、キラキラ輝いているし、エリス様は生命力の塊の様な方だと思うのよ。



「それではお聞きしますね」


「はい。エリス様」


「貴女がこの国へ、この街へ来た理由を聞いてもいいですか」


「そうですね。私はお料理を作りたかったのです。お料理を作り、それを美味しく食べていただける事それを目指してこの国にきました。この街は材料が豊富でなんでも揃いますし、獣人の方々は沢山食べてくれますでしょ。それが私の喜びなのです」



本当は、山越え途中の宿泊地で自殺を仄めかして、その後、崖から落ちた風に装って逃げ出した。持ち物は、事前に自身の宝石や今迄貯めたお金類を鞄に入れて来たので、それだけ。その時、たまたま大きな荷馬車が止まっていたので、その荷物に紛れて隠れていたら、動き出した。結果、数日後には獣人国へ着いていたと言うのが真実です。


 その時の細かなことは、自分自身でもかなりうろ覚えで、逃げないと駄目だという変な強迫観念ばかりがあり、無我夢中だった。


 その後は、あまり田舎も目立つから駄目だと思い。城の近くも目立つから嫌だしという事で、この街アーティにたどり着いたというのが、真実の話。今考えると、結構行き当たりばったりだったと思う。


 それからは、お料理の事や私生活の事を聞かれたけれど、家族構成や住まいのことは知られたくない事が多いので濁し、市場に着くまで基本料理の事ばかりを話していた。


 エリス様は従業員を増やしたり、夕食も出すみたいな、もっともっと規模を拡大していかないのか?等とも問われたが、自分自身で納得のいくものを、目の前の人々が笑顔で食べてくれるという事が、一番の希望なのと話すとキラキラした瞳をうるうるさせて、いい記事を精一杯書きます!って宣言されました。


 ほんっとエリス様って可愛いな。


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