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駱駝鳥は、人込みを器用に避けながら通りを徐行する。流れていく景色を見るルシャの目は、懐かしいものを見る表情ではなかった。木造の小屋の中に馬車を着けた。小屋に隣接する建物がバリケイの家だった。
「到着、と。乗り心地はどうだった?」
バリケイが、駱駝鳥を柵の中に追い込みながら聞く。
「ええ……快適でしたよ」
その感想がお愛想なのか皮肉なのか、野柳自身にも解らなかった。
「師匠……真っ青ですよ!!」
「本当だね……休んできなよ、あたしは届けるもんあるからさ。家の寝台は好きに使ってくれていいから」
「流石に……申し訳ないというか……この近くに宿屋は?」
「あるけど結構遠いよ! 遠慮しなくていいって!」




