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確かにそれは野柳の世界で言う駱駝と駝鳥を足して二で割ったような四本足の動物だった。やや丸めの嘴に羽。背には大きなコブ。大粒の目玉は退屈そうにこちらを見ている。
色々と疑問と突っ込み所が発生していたが、捨て置く。
「この動物と馬車はこんな悪路でも進めるんですか?」
密林の地面は草が蔓延ったり、朽ちた枝葉が散乱していたり、木の根が張り出したりしていて、平な所が見つからないような有様だ。
「快適なもんだよ。“罠”に襲われてた辺り、目的地は街なんだろ? 乗ってくかい?」
「ありがたいが……」
信用していいものか? 野柳が訝っている内に
「ありがとうございます!!」
ルシャがそそくさと乗り始めてしまった。
――もし罠として……ルシャが掛かって私が解けば問題はないか……。
「よろしくお願いします」
ルシャに続いて入り口の踏み板を踏む。
内部はやや手狭で、大人なら四人乗ればきつく感じるくらい。腰掛けたシートは見た目に反して柔らかだった。
それを見届けてバリケイは御者席に座る。
「準備はいいかい?」
「はい!!」
「行くよ!!」
馬車が走り始めた。砂鮫の旅が快適さがあったからだろう、野柳には油断があった。呑気に構えていた。
「ままままままま待って!! めっちゃ揺れる!!! めっちゃ揺れる!!!」




