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5-12

お待たせしております。申し訳ありません。

「なっ! 何ィ!!」


 野柳は叫びながらも、前転。身体を巻き込もうとする大枝から逃れた。


 牽制に、身体の一部を釘型に変えて飛ばす。ルシャは? と見れば、なんとか、スリ抜け一応、円月輪を手にしてはいる。顔色は悪い。明らかに本調子ではない。俊敏に動けるとは思わない方が良いだろう。


――何でだ!?


 念入りに魔獣の居ないことは確かめた筈だ。魔獣はおろか敵対的な生物は何も見当たらなかった。


 引き返す時は人型に戻って……。


ーーそうか……進行方向が……!


 人型だったのは引き返す時だけだ。


 『街に向かう』『人間』だけに狙いを定めた罠なのだ。


 太枝は釘の直撃を受けているが怯む様子はない。


 先端に近いルシャに、また巻きつこうと試みる。


 対するルシャは右手の円月輪を投擲。着弾した反対側に左手の円月輪を叩き込む。両の手で力を籠めると太枝は皮一枚で繋がった。


 ぶらぶらと揺れる枝に一瞬気を抜くが、太枝は武器の役を成さない先端を自切。先端をまたルシャの身体へと伸ばす。


「距離を取れ!! ルシャ!!」


 野柳は叫び、腕を変形させながら、太枝の根本へ駆ける。


 大ナタと化した腕を根本にブチ込み、ぶっ切る。太枝は懲りない。またも枝を伸ばし、今度は野柳を絡め取ろうとする。腕のナタ部分を分離させ、投げる。


――キリがないな……


「ひゃあ!!」


 ルシャの悲鳴だ。目をやれば足に蔦が巻き付いている。


「ルシャ!!!」


 こうなってくると四方八方どこから来るか解らない。駆け寄ろうとするが、足元に急にせり出して来た根っこにつまずく。


 ルシャは蔦を切ろうとするが、強い力で引っ張る蔦に体制を崩され思うようにいかない。遂に、立つことすらままならずなすがままに引きずられる、と思った時だった。


「ルシャっていうのは、ル・シャタール?」

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