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少し進むと、トカゲ型の動物に鳥が襲い掛かる所に鉢合わせた。
木を這っているトカゲを鉤爪が攫う。聞き覚えのある鳴き声が発される。
鳥は捕らえた獲物を勢いよく手放し、木の幹に叩きつけた。気絶した獲物を再度掴み。
木枝の先目掛け飛び、トカゲの腹を掻っ捌いた。
生きたまま腹を割かれ、トカゲは目を向き、悲鳴を上げる。発声器官を持たない苦痛の呻きは、耳を覆うものだった。
鳥は気に留めるでもなく、嘴で腸をつつき、ひと纏めにくわえると満足気に飛び去った。
体液と残った臓物を辺りに散らしたトカゲは、虚しくもがくが、見る間に蟲に覆われていく。
胸の悪くなる、乱暴な狩りだ。だがこれがここの野性で、自然の摂理なら文句を言う筋合いはない。
ただ野柳らに危険があるかどうかだけだ。
鳥も蟲もトカゲも、獲物になり得る生き物にしか興味がなかった。
それを見届け、嘆息する。
人の姿に反応して襲ってくるものがあるかもしれない。そう思い、人型になると、テントを目指し、歩き始める。




