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話の裏付けが欲しい。何より現況を理解したい。質問を始めようとした所で、壁のベルが鳴り始めた。
シャタールの表情がさっと変わった。
「野柳さんは休んでいて下さい! ……来客があったようで、ちょっと出てきます!」
そう言うシャタールの声色はやや固い。立ち入ってはいけないような気がして深くは聞けなかった。
椅子に深く腰掛けて休もうかと思ったが、それだけで癒える疲労ではないとすぐに察し、床に寝そべる。
床は固かったが、風の吹き荒れる屋外に比べれば天国だった。なにより清潔だった。靴のまま入る家だったし、何よりこの気候ならいくらかの砂は覚悟したが、一粒も落ちていない。
何度か寝返りをし、落ち着く体勢を見つけて目を閉じる。体の方を柔らかくすれば眠れそうだ。
体は疲れていたが、思考は元気にあちこちに飛び回っていた。