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「最後通達だ。助けて欲しいんならなんとか伝えてくれ」
「くどいと! 何度言えば済むのか!!」
「そうかね」
指揮官が振り返ると、彼の立つ大地が大きくうねり始めた。
──いいぞ、ルシャ。敵をマトモに立たせるな。
指揮官の体勢が崩れた所に、飛び掛かる。
「ならば、やろうか。最後まで!」
崩れたと見えたのは、野柳を誘う為の動作だった。
納めていた太刀を再び居合いの形で一閃。
液状化して逃れる。その先に巨腕が伸びるが、
「なんだっ!?」
結局防御に回る。ルシャの円月輪が巨腕の隙間を塗って指揮官に殺到したのだ。
──いいぞ……!
野柳が更に畳み掛ける。鋼化させた体の欠片を撃ち付けながら肉薄する。
指揮官の太刀捌きは大したものだ。野柳が学び、また対峙してきたものとは全く異なる体系の武術だ。
いくら切り合ってもまだ読み切れていない。奇襲の成功した今! 決着をつけるしかない。
巨腕が飛び道具を払う。全身を液状化させ、隙間を縫って飛び込む。
間合いに到達した所で、集結し、人型に戻る。同時に余剰分はそのまま飛ばし、鋼化させ手裏剣として使う。
指揮官が切り払うが、接触したタイミングで鋼化を解いて、太刀に付着した。
「なかなか良い武器をお使いだが!」
付着した部分を固形化させたまま、一部をゲル化させ、思い切り力を籠める。
「残念だったなぁ!!」
太刀が五つに割れた。更に付着した野柳がお互いを足場に、指揮官に向けて不規則な軌道で飛ぶ。
「っ! なんなんだお前はァ!!」
巨足が出現し、飛ぶ刃を踏み留めた。
地響きのような呻きが聞こえた。
――ダメージは通る!
指揮官に組み付き、寝技に持ち込む。
「ルシャ! 今だ!!」
指揮官の魔神を上回る巨大な砂の足が眼前に出現し。
巨足の向う脛を思い切り蹴り抜いた。




