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3

 大声に驚いたのか、失敗の罪悪感からか少女は目に見えてうなだれ、落ち込んでいた。目を潤ませてさえいる。


 人を恨む権利などないと思ったばかりではないか。増してや命の恩人を。


「あいや、大声を出してすまない。本当に助かった。君がいなければ死んでいた」


「ごごごごめんなさい」


「責めてはいない。お陰で生き返った」


 少女の表情は面白いようにくるくる変わった。


「異世界から来られた方ですよね!? お腹空いてませんか!?」


 少女の問い掛けは前のめりだった。


 何故異世界出身か知っているのか疑問だったが、渇きが癒えるとたちまち空腹を自覚した。


「ん、まぁ……空いてはいるが……」


「ウチにきませんか!? いくらか食べ物もあります!」


 水が貴重なら必然、食物も貴重だろう。


 このまま甘えてもいいものだろうか、とも思う。


 ここで強がって行動不能になっても本末転倒だとも思う。


 その逡巡の内に、くぅ、と腹が大きな音をたてた。


「ご案内します!」


 少女の顔が輝く。


「私、ル・シャタールって言います!」


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