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干上がった石舗装の用水路がずっと続いている。
その傍らを2匹の鮫が砂上を滑るように、時折跳ねながら泳いでいた。
それぞれの背の上に、ルシャと野柳の姿がある。
結局あの威嚇じみた挙動は本当に冗談だったらしく、ひとしきり野柳のリアクションを楽しんだ後あっさり乗せてくれた。
「師匠、乗り心地どうですか!?」
「ああ」
景色は雄大かつ単調だ。砂漠から沙漠に入ったのか、ぽつぽつ植物が見えてきたが太陽の動きがなければ時間の感覚が分からなくなる。
他の旅人や魔獣に出会うこともない。砂鮫には荷物が括り付けられている。その荷物に更にルシャの家の壁にあったのと同じベルが括られている。砂鮫は結構揺れるのに、ベルが鳴る気配はない。
しかし、風を受けて進んで行くのは気分が良い。ブーツに受ける砂の感触も小気味良い。砂鮫も魔獣の一種らしく、周りの砂が影響を受け軽くなっていた。
それがなんとも面白く、子どもじみていると思いながらブーツでかき混ぜてみる。
それがルシャには不貞腐れて見えたらしい。
「師匠〜、機嫌治して下さいよ!! ジョーズジョークですよ!! ジョーズジョーク!!」
「うるさすぎる。怒ってませんが」
「怒ってる人の返事ですよそれ!!」
──本当に怒ってませんが、そこまで言うなら怒ってるということにしましょうかね。怒ってませんが。
「いいかねルシャくん。オトナの人が明らかに怒ってるのに怒ってないって言うときはね。感情は抑えられないが、理性ではこんなしょーもないことに怒ってもしょーがない、と自分をなだめている時なんだ、だからね」
「あ!!! 着きましたよ師匠!!!!」
「はやいね」
──自由過ぎる。
砂漠の描写説明に不安があるので後で変えるかもしれません。
あしからず。




