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「……どういうことだい?」
人ごみを掻き分け、村長が聞いた。
「私には勇者たる資格がなくルシャにこそ、その資格があるということです」
村長の目を見て、野柳は答える。
「ルシャ自身も気付いていなかったことですが、彼女に助力する魔神の力は強大です。なにより彼女の精神性は私が元の世界で……出会った英雄達に匹敵する程の勇気に満ちたものです」
村人たちのざわめきが大きくなる。
「私には勇者の資格はない。しかしこのルシャをこの世界を救う勇者に育て上げます」
「ルシャはこの村の大事な守り人だ。……それを連れ出す、と言ってるのか?」
「そうです」
「村の守りは?」
「考えがあります」
人々はまだ色々話し合いを続けている。村長は、次の質問を思案していた。
物音がした。
避難する時に、乱雑に捨て置かれたテーブルが崩れたのだと思った。
実際、音の方を見るとテーブルや料理が崩れてはいた。
崩したのは、朽ち木と、岩で形作られた骸骨だった。




