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3-3

「まぁ細かい話は後だな。メシがなくなっちまう。いくらでもある、とは言えんがたらふく食ってくれよ」


 男性はそう言うと、野柳に大きな器渡し、調理台に戻って行った。


「村長もああ言ってますし!! 食べましょう師匠!!! オススメは……全部です!!!」


「……そうだな」


──にしてもこれで“いくらでもある”状態じゃないとはな……。


 独特な香りを放つ、初めて見る料理の数々。


 渡された器を見る。器は厚手の土器で汁物が入っても気にせず持てそうだ。中には春巻か餃子の皮を分厚くしたような物が沢山入っていた。


 匙なり箸なりが入っていないかとその下を見るがそれだけだ。


 インドのように素手で食べるのか? 作法が分からず、他の人が料理を取り分けるのを観察して見る。


 ルシャが早速テーブルから目ぼしいのを取っていた。器の中に有った皮を使って掴んでいる。


 サラダも、肉も、練物らしいのも、全部一先ず皮で掴んでくるみ、器に確保。溜まってきたらテーブルから離れて食べ始める。


 汁物はどうするのだろう。


 汁物のテーブルを見てみると、お玉ですくって器に入れている。まずは直接飲み、ひとしきり干したら、具と汁気を避けておいた例の皮で拭うようにして食べている。


 それに習って、手近な台のものを食べてみることにする。


 まずは見た目と味のギャップの少なそうな塊肉。


 デンと置かれた巨大な肉に、巨大なナイフが突き立てられている。


「ワイルド」


 適当に切り分け、皮で掴んで、食べる。


──うまいな。


 牛豚鶏どれとも違うが、確かに濃密な肉の味わい。その奥に香草らしい特徴的な風味がある。


 この風味で、料理から漂っている嗅いだことのない香りが香草や香辛料から来ていることが解る。


 他にも試しに一つ二つ摘まんでみる。


 野菜を煮焼きしたものも、腸詰めにも、香の強いスパイスがふんだんに使われており、モノによっては時間は掛かりそうだが、慣れれば美味しく食べられるようになるだろう。


 なにより。


 好き嫌いの贅沢を自分に許せそうになかった。

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