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2-9


 出された物はやはり粗食で、メニューはそっくり同じだ。ルシャは自分の分を減らして野柳に多く渡そうとするので、諦めさせるのに苦労した。


 食事の時間はあっという間に過ぎたが、聞くべきことを聞かなければならない。


 ルシャは砂の入った壺に使用済みの食器を出し入れしている。壺から出た時には食器の汚れは落ちていた。


「ハズレの勇者というのは? どういう人物なんだね」


 問いかけに作業を続けながら答える。


「……この村に来たのは師匠が来るよりだいぶ前だったと思います!」


 いわく、服装は野柳に似ていたこと。顔立ちや肌の色もおそらく、野柳と同じ人種のように見えたこと。


 魔神、魔獣双方の気配もなしに異形の姿に変わり不思議な力を使ったこと。異形の姿には角を持つ狼のようなマークがあったと言う。


 頭に閃くものがあって、野柳は立ち上がった。


「それは」


 壺から砂を一掴み取り出し、机の上に拡げる。


 それに、指で組織のシンボルマークを描く。


「こんなマークだったか?」


「そうですけど!」


 最早間違いない。組織の人間だ。


「テーブル汚さないで下さい!」


 魔神の力だろう。砂自分で動いて一塊になって飛び、壺に収まった。


「細かな反復練習の為だ。その感覚を忘れないように」


「本当ですか!?」


「ゴメンて。……その後、ハズレの勇者の動向は?」


「一度だけ、この村に到着してすぐ、蛇の魔獣士の撃退を助けてくれました。その後は、この世界の情勢を聞いて、村外れの洞窟に籠もってしまって……どうしてもの時にだけ呼んでくれって」


「今がどうしても、の時だな」


 窓を伺うともうすっかり暗くなっている。ルシャの体力を考えればもう休んだ方がいいだろう。


「明日朝イチ、訪ねてみよう。案内してくれ給え」


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