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それからは、暫く組手や、お互いの能力を用いてのコンビネーションをあれこれ試した。
野柳は素直過ぎる性格のせいでルシャのことをアホと思いがちだったが考えを改めなければならなかった。おそろしく飲み込みが早い。応用力もある。
試してみたいことは次々浮かんでくるが、ルシャの動きに疲れが見えるようになると切り上げた。
近接格闘がモノになる日はそう遠くない、と思う反面、――許可が出せる日が来るかは疑問だった。
「お腹、減りましたねえ!!」
決まった時間に食事をとる習慣はないらしく、めいめい、お腹が減ったら食べるというスタイルという話だった。
乏しい食料をなるべく温存しようという結果なのかもしれない。
「しかし呑気なモンだ。君のような大物を指してハズレの勇者とは……」
「あ!! それ私じゃありません!!」
「へ?」
「勇者は異世界から来る。そう言い伝えられてきましたので!」
「私の他に転移して来ているヤツが居るということかね?」
「色々立て込んでて言うタイミング逃してたけどそうです!!! 師匠と似たような服着てました!!!」
「……メシ食いながら色々教えてもらおうかな」




