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「! はい!!!」 ルシャの返事はこれまでで一番元気なものだった。 早速色々話しておきたい所だがまずは。
「休もうか」
「はい!!! ってええ」
ガタン、と音をたて野柳は倒れた。何せこちらに来てから休む間もなく、揉まれどおしで戦闘までこなしたのだ。改造人間の体力も無限ではない。
物音で目を覚ますと、柔らかな布団に包まれていた。 触ってみると、中で粒状の物が動く気配がする。 ──これは、砂か?
元の世界の布団にはなかった感触だった。
不思議なことはまだある。昨日はシャワーをした覚えもないのに、身体に不快なべたつきを感じないのだ。
それはそれとして。物音の正体はすぐに知れた。
「ふんっふんっ! あ!! おはようございます!!!」
わりあい近くの床でルシャが筋トレしていた。
「朝から……熱心だね」
「はい!! 色々教えて貰えると思ったら居てもたってもいられなくて!!」
凄まじいバイタリティだ。感心するやら呆れるやら。
「昨日から寝付けませんでした!!!」
「まさか……ずっとそうしてた訳じゃないんだろう?」
「倒れられてからずっとやってました」
凄まじいどころではなかった。
この娘はヤバい。軽率に師になるなどと申し出たこと、野柳は若干後悔していた。