良い子ちゃんと悪い子くん
良い子ちゃんはとっても良い子です。
「クッキーを焼いたから一緒に食べようよ。」
良い子ちゃんは悪い子くんに言いました。悪い子くんは悪い子です。ニヤリと笑うと何も言わずにクッキーを全部奪い去っていきました。良い子ちゃんは少し悲しくなりました。
また別の日のことです。良い子ちゃんが学校から家に帰ってくると、キッチンに作りかけの夕食がありました。それはとても美味しそうな唐揚げでした。良い子ちゃんはとても良い子です。しかし、この時の良い子ちゃんはとてもお腹が空いていたのです。ついに良い子ちゃんは誘惑に負けてつまみ食いをしてしまいました。
良い子ちゃんはつまみ食いをした自分が許せませんでした。そしてそんな自分を責め続けました。良い子ちゃんは心を病んでそのまま亡くなってしまいました。
良い子ちゃんが亡くなったという知らせは悪い子くんにも届きました。
「良い子ちゃん、亡くなってもうたのか。」
悪い子くんは呟きました。そして、良い子ちゃんがいつも自分に優しくしてくれた事を思い出しました。
「あの時どうして僕は良い子ちゃんと楽しくクッキーを食べなかったんだ。」
悪い子くんはまた呟きました。
悪い子くんは良い子ちゃんのことを思い出すうちに、だんだん自分のことが許せなくなってしまいました。そしてそんな自分を責め続けました。悪い子くんは心を病んでそのまま亡くなってしまいました。