人物紹介
ロザリー・フェルマー
性別:女
アルファベット表記:Rosalie Fermat
備考:語り手の女の子。物静かな人柄で、いつも一歩引いて周りを引き立てるような立ち回りをする。18歳の大人びた少女。
出自は一般人で救世主とはなんら関係のない平民だが、先天的な才能なのか、時折人とは違うものが見える。どうやら幽霊という類いで、彼女はかなりはっきり、生前の姿として見るタイプらしい。
見えるだけでなくある程度干渉することも可能だが、彼女の場合ははっきり見えすぎるためそもそもそれが幽霊なのかの判別が怪しく、ただの通行人だと思って無視することが多々ある。また、ロザリー本人にその才能の自覚はない。
平民向けの食事処を営む両親の一人娘で、店を継ぐべく現在修行中。看板娘としても有名で、特別見目麗しいわけではないがしかしそれなりに将来が楽しみな美少女。接客時の愛想もよく、周りを引き立てる人柄もあって結構人気がある。特定の異性はいないらしい。
リゼット・フェルマー
性別:女
アルファベット表記:Lisette Fermat
備考:ロザリーの母親。割腹のいい女将、といった印象の剛毅なお母さん。大衆食堂の女将だけあって声が大きく度胸もある、いかにも酒場にいる女主人と言った風貌。
ホール担当であり、厨房にて盛り付けや調理もこなせるが基本はホールのみ。客へのあしらいや注文のとり方などなど、それらは年季が入っていてとても手慣れており、最早職人芸の領域。あまりの手際の良さに見惚れるほど。
ロランド・フェルマー
性別:男
アルファベット表記:Rolande Fermat
備考:ロザリーの父親。寡黙な父親で、普段は滅多に喋らない。リゼットとは付き合いが長いため、彼の言葉数が少なくとも彼女には伝わるらしい。
接客は見知った常連相手にしか通用しないため、普段は厨房専属。長年やってきただけあって卓越した技術を持ち、その手際の良さは思わず見惚れるほど。
カミーユ・ブレス
性別:男
アルファベット表記:Camille Bless
備考:本作の主人公。救世主としては生まれつきのタイプであり、世界に愛された子と言われていた。
名前には英語とフランス語が混ざっているが気にしないこと。
世界から授けられた加護によって無敵を誇り、味方をした軍勢に必ずや勝利をもたらす。
救世主としての呼び名は「光の御子」。お伽噺になるほど有名。人類に仇なす滅びにのみその力を振るったとされ、その行いは正しく勇者だったという。
得物は片手用直剣を用い、光を模した魔法を使う勇者スタイル。こと戦いにおいては彼に敵う者は誰一人として存在しなかったらしい。
ブリッシュ王国の辺境に魔王が現れたと聞いて、ロザリーのいる街へ訪れた。それが作中の約30年前であり、その際に彼は死亡している。
その事実を忘れ、「なにかを倒そうとして、戦おうとしてここへ来た」ということのみを覚えた状態で、仲間の姿を街で探し続ける亡霊となる。
周りの人間が彼を見ることはできず、彼の方からも人間を認識することができない。仲間の姿を探し続けることしかできない、生を忘れた亡霊であるが故に。
もし街中で年老いたかつての仲間がいたとしても、彼がそれに気づくことはないだろう。
ヒョロいのっぽな体格の好青年で、女装をすれば騙せるほど中性的で華奢。気が弱いところもあるが非常に仲間思いで、虫も殺せないような優しい青年。
魔王によってメラニーが人質にとられ、それを助けようとして戦いを挑み、力を縛られた挙句レイナルドを庇って死亡した。
自らが死んだことを忘れ、生きた結末を忘れ、時の流れに置いていかれ、仲間のこともわからなくなった、どこまでも悲しい亡霊。
メラニー・ティベリ
性別:女
アルファベット表記:Melanie Tiberi
備考:カミーユ率いる勇者パーティの頭脳担当。カミーユを好いていたツンデレ女の子で魔女っ子。救世主としての呼び名は「大魔道士」。愛称は「Mel」だが、ツンデレらしくそれをカミーユに呼ばせることはなかった。
大きな黒いハット帽が特徴。明るい赤色の瞳と、深い赤色の髪。常にローブを着て厚着をしているのでわかりづらいが、実は結構スタイルがいい。
魔法による攻撃、支援、暗号の解読やパーティの作戦立案、ツンデレながら健気な言動によるパーティの精神的癒し、姉御肌的一面などなど……勇者パーティの中で、なくてはならない存在だった。
世界有数の魔法使いでもあり、当時は彼女に匹敵する者はいないとまで言わていた。後天的に救世主に至ったタイプ。
戦闘能力そのものはカミーユに及ばず、また魔法ありきの戦闘スタイルのため、魔力を封じられるとなにもできない。
若くして救世主になっただけあって妬み嫉みも相応で、以前は有力貴族の令嬢でそこで魔法についてもそこで学んでいたが、周囲の反応にうんざりして家出をし、その後カミーユと出会う。
カミーユを脅そうと考えた魔王によって魔力を封じられて人質に取られ、散々利用され拷問された末に死亡している。
レイナルド・ミネル
性別:男
アルファベット表記:Raynald Mesnil
備考:カミーユ率いる勇者パーティの切込隊長。救世主としての呼び名は「魔剣士」。愛称は「Ray」。
浅黒い肌が特徴のいかつい男性。粗暴な性格で目つきは悪く、そこらのチンピラか盗賊のような外見。第一印象で悪く見られることが多く、それが災いしてこの性格に育った。
カミーユとは喧嘩仲間のような関係で、普段は優しいカミーユも彼相手だと強気になっていた。
喧嘩を嫌うカミーユでさえ喧嘩ができるほど気心の知れた貴重な仲間ということでもあり、彼の根はとても善良でカミーユに負けず劣らずの仲間思い。
仲間がピンチになれば躊躇いなく自らの身体を盾にする性分。
実は国の騎士をやっていた時期もあって、きちんとした訓練を受けた経験がある。ひょんなことから魔剣に触れてしまい、解けない契約を結ばされた結果騎士団を抜け、そこでカミーユと出会った。
後天的に救世主に至ったタイプ。戦闘スタイルは、魔剣とそれによって強化された肉体を用いた弾丸戦法。ちょっとやそっとの攻撃では傷がつかず、ついても自力ですぐに治るような超人ボディをしており、自身の負傷に無頓着。仲間を庇うことに躊躇いがないのもこれが理由。
カミーユよりも肉体強度自体は頑丈だが、加護やら力やらの関係でカミーユの方がなんだかんだしぶとい。最期の瞬間は肉体強度の差が仇となり、加護で守られているはずのカミーユが即死してレイナルドは瀕死で留まることになった。瀕死の彼をメガーヌが必死に治療するものの間に合わず、むしろ中途半端に治療を施したせいで苦しみながら死んだ。
メガーヌ・ドルジア
性別:女
アルファベット表記:Megane Dorziat
備考:カミーユ率いる勇者パーティのヒール担当。救世主としての呼び名は「癒しの聖女」。愛称は「Meg」。
長く綺麗な金髪を持つ、包容力溢れる聖母のような女性。
元は神に仕える修道女で、生まれつきの救世主ではなかったが持ち得る素質がすこぶる高く、それを神に見初められて加護を獲得し救世主に至る。
人の傷を癒し、動物の傷も癒し、時には命の宿らない無生物をも癒す生粋の聖女。包容力のあるお母さん気質であり、小さい子供や老人に好かれる。
パーティのよき相談役、よき清涼剤であり、彼女がいなければパーティは仲違いをしていたかもしれなかったほど。
レイナルドでさえも彼女を素直に好いていて、カミーユはもちろんツンデレのはずのメラニーも素直に愛情表現をするほど皆から懐かれていた。
最後に戦った魔王との戦いで唯一生き残ったが、それはあくまで「こいつはどうあっても立ち直れない」と魔王に見込まれたから。事実その後は魔法も加護もトラウマが原因で使えなくなり、廃人のようになる。
メラニーが人質にとられ、それによって全力が発揮できなくなったカミーユが、ヘマをしたレイナルドを庇って攻撃を受ける。カミーユはそこで即死、レイナルドはなんとか生きていたもののメガーヌの治療が意味をなさず苦しみながら死亡。それを見て心の折れたメガーヌの目の前でメラニーが惨殺され、メガーヌはその後放り出された。
魔王との戦い以後は街の人間によって保護され、しばらく教会で暮らす。数ヶ月かけて立ち直り、日常生活を送れるようにまでなったところで故郷へ帰る。その後は故郷で孤児院を営みながら、ごくごくたまに仲間の墓参りへ訪れているようだ。