プロローグ 100年戦争
温かい目で読んでください
世界は大きく2つに分類される。我々の生きる人間界と、魔なる存在の生きる魔界。2つの世界は互いに干渉しあうことなく、それぞれの世界で共存共栄を続けていた。争いも略奪もない、平和な状態がこれからも続いていくものであると思われていた・・・
魔界も大きく分けると4つの国に分類することができる。弱肉強食の国『メイプル』、先進技術の国『シナモン』、議院内閣制の国『カラメル』、酪農の国『ショコラ』。そして魔界では1000年に1度、これらの4つの国の中から魔界を統治する国『大統治国家』を決めることになっている。それを決めるのは魔界の神官『メレンゲ』である。大統治国家に選ばれた国は、今後1000年に渡って多大なる権力と発展が与えられる。よって4つの国は少しでも我が国を大統治国家に選んでもらうために、功績をあげようとメレンゲ神官に対してアピール合戦を行う。
そして大統治国家決定まで100年を切ったバニラシュガー歴3年、各国のアピールが激化していき、やがてとあるトラブルがきっかけで戦争が勃発した。そう、それこそが後世まで『100年戦争』と語り継がれる最初の争乱、『第1次暗黒融合炉産ナンキン略奪戦争』である。
終戦と開戦を繰り返し、「第3次暗黒融合炉産ナンキン略奪戦争」が始まった頃、唯一この戦争に参加しなかった国があった。酪農の国『ショコラ』である。そもそもショコラは、第1次戦争で大半の戦力を削がれて以来、戦争行為には積極的な姿勢を見せていなかった。しかし、彼らに大統治国家への野心がないわけではない。彼らは他国との戦争行為以外で、大統治国家への道を歩もうとしていたのである。そう、狙いは魔界ではなく、『人間界』にあった。人間界を征服し、それを新たな自分たちの領土としてメレンゲ神官に献上すれば、大統治国家への大きな一歩に繋がると考えたのである。
そしてバニラシュガー歴91年(人間界ではツイモーマンツネー歴21年)、ショコラ公国は王族の血を引く末裔『チョベリバ』を王に任命し、人間界に対して介入を始めた。魔王チョベリバは凶魔を人間界に放ち、侵略行為を続けていった。人間は抗いながらもやがて疲弊していき、戦況はショコラ公国が優勢のまま7年の月日が流れた。大統治国家決定までの征服は確実だと思われていたある日、とある勇者の台頭により魔王チョベリバは葬られ、長きに渡って続いた人間界征服は失敗に終わった。
魔界での戦争でも戦果をあげられず、人間界の征服もままならない。ショコラ公国の大統治国家の可能性は断ち切られたかと思われた。しかしチョベリバの死から1年、彼の兄『チョベリグ』は再び人間界征服を目論み、ショコラ公国の王の座に君臨するのであった・・・
ネクスト魔界ズヒーント!
「カステラ」