魔物
「それではまず、あなた達を集めなければいけなくなった原因ですが……もうすぐ魔物が各世界に溢れ出すことが分かったからです。手遅れになる前に何とかしたく思いこのような手段を選びました。」
「魔物ってあのゲームとかにでてくるような?」
「あなたの場合はその認識で概ねあっています。他の方にもわかるように説明すると、獣をさらに凶暴化させたようなもので非常に危険なのです」
「なるほどのぉ、してそのもの等はどうしていきなり湧いてくるようなことになったのかの」
「それは邪神の仕業のようです、1度滅したのですがどうやら力の一部が逃れていたようで……居場所は分からないのですが魔物を生み出し蔓延らせようと目論んでいるのは間違いありません」
「なるほど!!それでそいつらをみんな殺すのに我らが呼ばれたのですな!」
「そうですねレオさん。あなた達には各種族の代表になってもらい、それぞれの世界を救う手助けをして欲しいのです。その為に私が少々手助けをしますのでどうかお願いします。」
「がっはっは!元より自分の国がある世界、守れなくて何が王か!!」
「そうだな……協力しよう」
「うむ」
「お、俺は……」
「蓮さんもどうかお願い出来ませんか?」
「…………わかりました、自分に出来ることなら頑張って見ます」
「ありがとうございます」
「それで!我らは具体的にどうすればいいのだ?」
「はい、魔物なのですが、私の力で何とか出現位置の分散を抑えます。レオさんの世界ではアニマリア近辺、ラウルさんの世界ではデモンズパーク近辺、アイナレスさんの世界ではスピリティア近辺、蓮さんの世界では日本近辺という具合にできると思います」
「なるほど!そこを後は魔物が出現次第叩けばいいのだな!」
「そうですね、邪神は主に人の多い主要な都市を狙ってくるでしょう。十分に気をつけて下さい。魔物を倒して邪神の力を削ぎ、最終的には居場所を暴き打ち倒したいですね。」
「分かったのじゃ」
「おう!やってやろうぞ!」
「……だな」
「俺は死なないか心配です」
そこで神さまが改めて島を見渡す。
「それでこの島なのですが簡単に言うと神の領域とでも思って頂ければ問題ありません。悪しきものからの干渉は受けないようになっていますので安心してください。それぞれの世界からこの島に来ることは出来ますが、別の橋を渡って他の世界に行くことは出来ません。ただし代表とそのパーティだけは例外で行き来出来るようにしてあります。それとあの橋を渡ったところにある水晶はそれぞれの世界とリンクしていまして通常の場合は緑色に発光しています。魔物が発生すると黄色に、さらに代表が緊急事に念じることで赤色になります。」
「ほう………危険な時は知らせることが出来るのか」
「その通りです!更にその緊急時のアラートは他の各代表にも伝わるようになっていますので皆さん助け合っていきましょう!魔物は様々な種類がいて色々な特性を持っています。ひとつの種族では対応するにも限界があるでしょう。上手く活用して下さいね!ここまでで質問のある方はいますか?」
神さまは皆が質問が特にないことを確認すると再び話し出す。
「では次に魔物と実際に戦ってみましょうか。お試しの訓練ということで!ゴブリンを8体ほど生み出します、皆さんは戦闘の準備があると思いますのでお望みの場所へ1度転移させます。準備が整い次第ここへ戻しますので」
「がっはっは!戦闘か!王になってからはあまりしてなかったから楽しみだ!!それでは先に行くぞ!」
「……また後ほど会おう」
「ではわしも行こうかの」
皆が続々と転移していく中蓮は頭を抱えていた。
「いきなり戦闘かよぉ……」
「後は蓮さんだけですよ?どこに転移しますか?」
「くそっ……やるしかねぇか、じゃあ俺の実家でお願いします」
「わかりました、それではまた会いましょう」
こうして蓮はこれから始まる戦闘に不安を抱きながら転移されるのだった。
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