《物流王》
「取り敢えず皆さん初めて会った事ですし要件を言う前に自己紹介から始めませんか?」
と、神さまが提案する。それを聞いたライオンの男が勢い良く反応した。
「がっはっは!そうだな!!それでは先ずは我からいこうではないか!」
「元気の良いことじゃのぉ」
「それではあなたからお願いします」
「我はアニマリアから来た《獣王》レオ・アニマだ!!獣人族代表である!」
後ろの獣人達が一斉に跪く。
「やっぱり獣人だったんだ……それにしても獣王って王様じゃん……」
「ほう獣の王とは……」
「まったく、王ならもっと落ち着かんか」
「がっはっは!まあそう言うな!さあ!次は誰だ?」
「それでは私が……デモンズパークから来た……《魔王》ラウル・デモンだ。魔人族の代表をやっている」
「こっちは魔王かよ……俺、今日死ぬんかな?」
そんな蓮の呟きは無視され会話は進んでいく。
「魔王とは初めて聞くのぉ、まあこちとらエルフしかおらんからから当たり前じゃがの」
「我らも獣人しかいないからな!お前ら全員初めて見る種族だ!」
「さて次はわしの番かの……わしはスピリティアの《精霊王》アイナレス・エルスピル、エルフ族代表としてここにおる」
「なんだよこれ、王様ばかりじゃん……俺の場違い感半端ないんですけど……」
蓮が自分の今の状況を嘆いていると皆の視線が集まっていることに気がつく。
「あーやっぱり俺も自己紹介……しなくちゃダメ……ですよ……ね?」
「がっはっは!何言ってんだ当たり前だろう!」
「お主はなんのためにここにおるのじゃ?」
「何でもいいから早くしてくれ」
「ですよね……えっと……出身は日本で、……仕事は株式会社《物流王》っていう会社をやってて……名前は五十嵐 蓮と言います。種族は……たぶん人間ってことになるの……かな?」
「ほほお!!お前は《物流王》か!」
「ふむお前も王だったか、お主ひょろっとしているがなかなかやるのぉ。確かにあのような大きな鳴き声を上げながら走る奇っ怪な獣を操っているのも頷けるの」
「いやだからあれは獣ではなくただの乗り物で……」
「《物流王》……物の流れを掌握することは私でも難しい、それを支配するとは……蓮だったか……覚えておこう」
「ぎゃああああなんか盛大に勘違いされてるぅぅぅ、俺は王なんかじゃないんですぅ!」
「それでは自己紹介も終わったことですし本題に移りますね!」
「無視……だと!?」
「がっはっは!蓮は静かになったり元気になったり面白いやつだな!!」
「もうどうにでもなれ……」
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