7.長男へ
エコー写真があります。
苦手な方はご注意下さい。
二度目に起きた時、外はもう暗かった。
私は手足を動かそうと試みる。
左手は痺れたような感じで少しだけ動き。左足は、ピクリとも動かせなかった。
しかし右手右足は問題なく普通に動く。
つまり。
右半身、麻酔掛かっていなかったーーーーーー!?
お腹の傷は、ちゃんと中央にあった。右側に開けられた……と思ったのは、私の勘違いだったのだ。
その事実を知った時、私は思った。
武士は大変だったんだなぁ、とーー。
その後、私の体の回復はとても遅かった。
帝王切開した人の多くは、三日で痛みが少なくなり普通に過ごせるようになるらしいのだが、いつまでもいつまでもずーっと痛かった。
後陣痛が来るたびに傷口が傷んで泣きそうになったし、退院してからでも少し笑っただけで「イテテ、笑かすな、やめてー」状態だった。
それが一ヶ月以上続いたのである。
私は心に決めた。
今度もし子どもを産む事があったら、ちゃんと麻酔が掛かってない事を訴えるんだと。
そんな思いをして産んだ我が子が、今日で六歳を迎えた。
長男よ、無事に生まれて来てくれてありがとう。
父ちゃんと母ちゃんにしてくれてありがとう。
母ちゃんと結婚するって言葉を忘れちゃイヤよ!
ちょっと泣き虫な長男だけど、誰より優しい子だって事を母ちゃんは分かってるからね。
そしてどんな病気にも負けない、強い男の子だからね。
あなたの頑張りを、母ちゃんはちゃーんと分かってるよ。
これからも家族みんなで一緒に生きていこうね。
長男くん、お誕生日おめでとう!
******
せっかくなので、エコー写真も!
①胚盤胞。
受精卵が少し成長した姿。
すごいでしょ、あなたには卵時代からの写真があるんだよ、長男くん!!
②殻を破って出て来た状態。
この状態でお腹に戻りました。
③初めてエコー写真で確認出来た時。
まだまだ体はどこにあるのかもよく分からない。
④あ、見える!
形にはなってないけど、いるのは分かる!
⑤頭と手、足もちゃんとある。
すごいね!
⑥性別が分かった時の写真。
分かるかな?
次男話は企画の最終日、3月27日に載せます。
他の方が書かれたパパママ誕生企画作品もどうぞお楽しみください。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。