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女装

(注意;この話は主人公 鶴井つるい 優歩ゆうあの友達、角鹿つのしか 康喜こうきの視点でお送りします。)


 僕はある学校に通っている。

性転換症の人たちが通う学校だ。

ちなみに僕は性転換症ではない。

僕はその学校で様々な性転換症の人たちと会った。

正直、まだ性転換症のことはよく分からない。

身近にいなかったからだ。

僕のクラスには3人いる。

他のクラス、学年にもいるらしい。

まだクラスの中の人たちしか知らないが徐々に性転換症のことも分かるようになってきた。


 その中でも僕は鶴井つるい君とよく話す。

鶴井君は僕と話が合うのだ。

僕は鶴井君のことをゆう君と呼ぶ

いわゆるオタク仲間だ。

なんのオタクかというとアニメ、マンガ、ラノベ、ゲームといういわゆる二次元文化のオタクだ。

しかも彼は自らラノベを書いているという。

性転換症、そして二重人格という特徴を得て男性側からも女性側からも書けるのだそうだ。

そんな彼の書く作品も僕は大好きだ。

そして僕たちは放課ほうか(休み時間)になるとそれらの二次元文化について熱く語り合うのだ。

まだ入学して2ヶ月足らず、ゆう君とはプライベートも含めていろんな事を語り合った。


 しかし、ゆう君を含めてクラスの人たちには明かしていない事実がある。

それは誰にも言えない秘密。

僕はずっと押し隠してきた。

まずはその第1を話すことにする。

僕は男の子が好きだ。

小学校の時の初恋も男の子だった。

めっちゃイケメンで女子にモテモテの男の子だった。

今日日、性転換する人もいるのだから同性愛者もいても珍しくない時代。

しかし、カミングアウトにはどうしても勇気がいる。

世の中にはカミングアウトしている人も大勢いるのだが、その一方で出来ない人も大勢いる。

いろんな人たちに優しくなってきているがカミングアウトには心理的負担があるのだ。

事実、僕の初恋は誰にも打ち明けられずに片思いで終わった。


 僕の秘密はもう1つある。

それは休みの日に女装して出かけていること。

寮の中ではない。

寮の中では僕の秘密がばれる恐れがある。

だから、外でするようにしている。

女装道具はとある駅のコインロッカーに預けてある。

僕はそこまで電車で出かけコインロッカーで荷物を受け取り多目的トイレの中で着替える。

自慢じゃないが僕めっちゃ美少女に変わる。

そんじょそこらの女子には負けないと自信を持っている。

事実、何回もナンパされているのだ。


 僕が街で女装している理由はただ1つ。

彼氏を作りたいのだ。

女の子として。

僕は心は女の子だと思っている。

正直女の子に生まれたかったと思っている。

そうすればこんな苦労はしなかったのに。

性転換症の人が正直羨ましかったりもする。

半分は経験できるのだから。

まぁ、いろいろと大変なのはゆう君の話から分かっているのだが。


 女装を始めたのは高校に入ってから。

寮で一人暮らしをするようになってからいろんな物をネット通販するようになった。

ネット通販とは便利な物で誰にも見られずに女装用の道具を変える。

女性用の服や下着、ワンピースやスカート、そしてウィッグや小物、女装するための道具は全てそろえた。

僕はすぐに女装の極意を身につけた。

かなりの美少女に変身できたからだ

街に出掛ければ結構な数の男の子に声をかけられた。

しかし、好みの男子は未だ見つからず、全てを断ってきた。

幸い僕が男だと言うことは一切バレなかった。

しつこいナンパには僕が自らバラしたのだが。


 今日も何人かの男の子に声をかけられたが未だ収穫なし。

僕の理想が高すぎたからだろうか。

なかなか彼氏を作ることが出来ない。

かといってクラスの中で彼氏を作ることは無理。

僕の秘密はクラスの人たちには知られたくないから。

しかし、僕のクラスには美少年が多すぎる。

スポーツ男子に眼鏡男子、見た目委員長に俺様系、そして王子様系と属性が多種にわたる。

僕にとってはまるで乙女ゲームの世界だ。

二次元では何度もプレイしているが現実となるとかなり違う。

いや、クラスの人たちには知られてはいけないのだけど。

だから僕の理想が高すぎるのかも知れない。


 ちなみにゆう君には僕はギャルゲーの達人ということになっている。

ギャルゲーはやったことはないのだけど。

まぁ、性別が違うだけだからなんとか話を合わせられます。

人間の本質は実はそんなに変わらない物で性別が違えど要所要所を押さえればなんとか会話が成り立つのです。

時々ボロが出そうになるけど。

だって好きなタイプの性別を逆転させて伝えるのってかなり苦労するものです。

学校にいる時は男言葉で通していますし。


 そうこう考えていながらナンパ待ちをしていると1人の男の子が声をかけてきた。

背も結構高くて僕好みのイケメンの男の子だ。

ちょっと声が男の子にしては高いような気がするけれどそれはたいした問題ではない。

僕はすぐにその男の子のナンパにOKした。


 うちの学校は確かに不純異性交遊は禁止されているけれど不純同性校友は禁止されてはいない。

高校1年になって初めての彼氏GETです。




 

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