着替え
(今回のお話は北沖 和陽の視点でお送りします)
えっ、今日も女の子なのか。
僕は朝起きてため息をついた。
僕ら性転換症の人たちは朝起きるまで自分の性別が分からない。
しかし、例外がある。
それは女の子特有のあの期間だ。
つまり生理の期間。
僕たちは否応なく女の子にならざるを得ない。
その日は一週間も有る。
普段の性別のそれぞれの確率は1/2。
でも女子に固定される日が月に一週間有るから年間を通しては女子でいる時間の方が長い。
僕にとっては苦痛の期間だ。
僕は心が男なのだ。
女の子でいる期間は非常に苦痛でもある。
それにその時はお腹がぎゅるぎゅるしているし。
あまり気分が良いものでは無い。
ただし、メリットもある。
それは体育の時間、着替えなくても済むことだ。
あの着替えの空間は僕にとっては苦痛でしか無い。
第一、僕が女子の着替えの中にいる罪悪感が凄い。
だから僕は着替える必要性が無い時は教室を出ます。
いたたまれないから。
何せ僕は中学までは男子として生活していた。
女子とも口をきいたことが無かった。
だから女子校舎にいる僕にとっては刺激が強すぎる。
本当は男子校舎に行きたかった。
と言っても月の半分は男子校舎だが。(もちろん生理期間を除いて)
僕が女子校舎に通う理由はズバリ体質を隠しきれなくなったことに依る。
その原因は胸だ。
中学の時、最初は良かったのだが段々と胸が膨らみ始めた。
僕は毎日胸を潰していた。
ただもう限界だった。
だから僕はこの学校で性転換症であることをカミングアウトをして生活しているのだ。
話を戻すと今日僕は非常に憂鬱である。
それは今日は女子校舎に行かなければならないからだ。
僕は女子校舎の生活はもう慣れてきたと思う。
まぁ、体育の授業がなかったらだけど。
しかも今日はプールの授業がある。
普通の着替えすらなれていないのにプールの授業は非常に憂鬱だ。
学校に来ていつものように友達に挨拶した。
僕の友達の1人、星江 月沙ちゃんだ。
クラスの委員長でもあり僕の体質をよく知っていてよく気を遣ってくれている。
彼女は
「今日は大丈夫?
いつもの(体育の)着替えでも逃げようとしているぐらいだから。
今日は水着よ。
女の子初心者の姫(僕のこと)は耐えられる?」
とちょっと笑いながら尋ねてきた。
もちろん、からかいの意味も半分含まれている。
僕は姫というあだ名が嫌いだ。
僕の背丈が小っこくて可愛らしいと言うことから付いたらしい。
僕には全然似合わないあだ名だと思っている。
でもクラスのみんながあまりにも(悪意無く)言うから僕は渋々認めている。
とうとう着替えの時間に突入した。
もちろん、放課(休み時間)の時間に着替えなければならない。
みんな、恥ずかしげも無く(当たり前だが)素早く水着に着替えていった。
僕はどうやって着替えて良いものか思案していた。
そうしたら委員長が
「あら、今日は珍しく逃げてないじゃない。
普段だったらこんな刺激的な場面は逃げるくせに。
でも言っておくけどあなたが恥ずかしがる意味が分からないわから。
なぜならクラス一の巨乳でスタイルが良いくせに。
背が小さいからロリ巨乳か。
あなたは自分の体で興奮したことが無いと言っていたけどだったらなぜクラスのみんなの裸を恥ずかしがるの?
ましてや下着姿を。
訳分からない」
と茶化してきた。
続けて
「でも、どうしたの。
まだ何も着替えてないじゃない。
早く着替えたら。
何を恥ずかしがっているの?
それともスク水は初めて?」
僕は小さく頷いた。
そうしたらクラスのみんなからどよめきが走った。
委員長は
「コホン、じゃぁ教えるわね。
スカートを履いた状態でショーツだけ脱いで」
僕は委員長の言われるままをした。
そうしたら委員長が
「かわいい、あなたこんなカワイイショーツを履いていたの?」
と聞いてきた。
今日のショーツの色は赤だ。
僕は
「今日はたまたまこの色のショーツだけど普段は赤、青、黄色、オレンジ、緑、紫のショーツをローテで履いているんだ。
もちろん無地のやつをね。
レースが付いていることやパステルカラーなのはそれしか無かったから。
これでも女物の下着を履くのは高校に入ってから初めて。
下着を見られるのは結構恥ずかしいんだからね」
と言った。
それを周りのギャラリーの女子がはやし立てていた。
委員長は
「次を言うわね。
水着をスカートを履いたまま下から履いて。
そしてそれをお腹までたぐり寄せたらスカートを脱いで」
僕は言うがままにした。
委員長は
「それからブラを外して」
僕はその通りにした。
そうしたらまた委員長や他の女子が(ブラを)可愛いとか、なんだかんだでまた盛り上がった。
そして一呼吸置いて委員長は
「水着を胸までたぐり寄せたらブラウスとキャミソールを脱ぐ。
それから肩に水着を通したらできあがり。
脱ぐ時はその逆ね。
ちゃんとその時は水着の水を拭いてから脱いでね」
委員長の指示通りにしたがって僕は水着を着ることが出来た。
なんだかんだでなんとか授業が始まる前に着替えることが出来ました。
でもその後が大変でした。
何せ僕はカナヅチ。
結局クラスメイトの女子たちに手取り足取り教わることになった。
水着の女子たちは僕にとっては刺激的で、まだ女子としての生活は慣れません。




