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締め切り

 (今回のお話は鶴井つるい 優歩ゆうあの視点でお送りします。ていうか前回の続きのお話です。

一応は主人公の設定だし)


 今日のデートは楽しかった。

いろんな所へ行けたし今回も仲は深めれたと思う。

亀井姉弟とはこれからも長く付き合っていく訳だし。

そう深く噛みしめていた。


 しかし、これからは地獄が待っている。

寮に帰ると地獄が待っているのだ。

そう思うと今までの幸せな気分が吹っ飛んだ。


 寮に着くと案の定2人の男女が待ち受けていた。

2人とも僕の担当者だ。


 ここで僕の仕事を紹介したいと思う。

僕はこれでも高校生ライトノベル作家。

つい最近、デビューしたばっかだ。

デビューしたばかりは1番センシティブな時期。

担当さんとよく話し合わなければいけない時期だ。


 そして、今日は締め切りの日。

と言っても本当の締め切りは1週間後だ。

僕の場合は性別がその日によって違うのでわざと1週間早く設定されている。


 つまり、今日は僕の2人の担当さんが僕の家に来ているのだ。


 僕は2本の小説を書いている。

と言っても今の僕が書いているのはいわゆる百合小説。

僕の別人格である妹はBL小説を書いているが僕は関知していない。


 僕が寮に帰ると男の担当さんはガッツポーズをしていた。

女の担当さんはガックリしていて「また、明日来ます」と言って帰って行った。


 僕が男の時と女の時とは人格が違う。

もちろん思考も違う。

だから、男の時と女の時とでは書いている小説が違うのだ。

当然小説によって担当さんが違う。

男の担当さんは僕と同じ百合好きの担当さんだ。

普段は百合談義を小一時間してから仕事の話をする。

今日は切羽詰まっているからそんな余裕はないのだが。

担当さんもいつものにっこりした顔ではなくかなり真剣な顔だ。

僕の顔を見るなり「分かっていますね」という表情で僕に無言で頷いてきた。


 ここで僕の小説のことを少し説明したいと思う。

妹が書いている小説は僕は関知していないので妹に聞いて欲しい。

僕が書いている小説は「異世界に召喚された私はなぜか今美少女ハーレムの中で暮らしています」と言う長い名前の小説です。

内容は主人公の高校生の女の子が朝、家から出て行く時に突然異世界に召喚されます。

そこは女性だけが住む村で主人公の女の子は勇者に任命されます。

そこからいろんな技を体得しその村を救うという物語です。

もちろんその過程でいろんな女の子から好かれるハーレムものです。


 この小説はデビュー作です。

とても力が入っています。

妹も自分の作品には力が入っています。

何せこれでこれから生活できるよう頑張っていかなければなりません。

僕だって必死なのです。


 僕は小説を書く時あることをしています。

それは妹の記憶をのぞき見ることです。

妹も僕の記憶をのぞき見ているのでお互い様です。

なぜ僕がそういうことをしているのかというと生の女の子の生態を感じることが出来るからです。

僕が書いているのは百合小説。

リアリティが必要なのです。


 今日の担当さんは非常に厳しい。

いつもは雑談をしながら時には好きなアニメの話をしたり、時にはフィギュアをくれたりもする優しい担当さんだ。

百合はこうあるべきだという信念も持ち合わせている。

彼とは趣味も合うし、何より僕のファンだと言ってくれた。

初めに読んだ時に担当を願い出たとも。

それだけに仕事モードの彼は僕に厳しい。

この展開はあり得ないとか主人公はこんなことは絶対に言わないとかとにかく注文が多いのだ。

僕はと言うと彼の言うことは大概もっともだと納得してそれに従う。

何しろ新人作家だ。

従うしかないのだ。

それでも僕だって譲れないところがある。

その時は大喧嘩だ。

お互いが納得するまでそれは続く。


 そして今日はとにかく原稿が出来るまで帰らないという。

僕だって少しずつは書いていたのだが何せ学業が優先される。

当然、原稿の進捗は大分遅れていた。

その上で担当さんのダメだしが続く。

当然最初からやり直しだ。

それがまるでで賽の河原のように続く。

本当に地獄だ。


 結局、原稿が完成するまでに夜明けまでかかってしまった。

正直、とても眠い。

そこからがまた地獄なのです。

担当さんが僕の小説の感想を述べてくれるのですがこれがとても長い。

彼は重度のオタクなのでかなり熱を入れてしゃべってくれる。

正直、とても嬉しいのだがその前に眠らせて欲しい。

そして、それから小一時間ずっとしゃべりっぱなし。

彼が満足して帰る頃には授業が始まる頃の時間になっていた。


 ちなみに今回は早い方で前回は原稿の完成に次の日の昼頃までかかっていた。

まだ今日はましな方だ。


 今日は学校に届け出ていて学校に来なくても良い日になっている。

みんなには悪いが。

この後、布団に入ってゆっくり眠ろうと思う。

起きた時には性別が変わっているかも知れないが。

もし、性別が変わっていたら今日も地獄が待っている。

もちろん、妹にだ。

僕には関係ないが。

でも体力は持つだろうか。

そんな心配をしながら僕は床に就いた。


 

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