生徒会長(前編)
(注意;この話は浄安 清花の視点でお送りします。
この人物は初登場の人物なのでどういった人物かは本文でお確かめ下さい)
こんにちは、お初にお目にかかります。
私の名前は浄安 清花と申します。
以後、お見知りおきを。
さて、私が何者かと言いますと一応生徒会役員ということになっています。
役職は生徒会副会長そして生徒会長代理でもあります。
私の学校は1つの学校でありながら男子校舎と女子校舎との交流がありません。
故に男子校舎、女子校舎それぞれに生徒会が存在します。
私は女子校舎の生徒会長代理と言うことになるのです。
さて、私がなぜ生徒会長代理なのかというと簡単に言うと本来の生徒会長が休みがちだからです。
そしてある理由から男子校舎の生徒会との折衝も私が担当しています。
多分、相手方の生徒会の人たちは私が生徒会長と誤解していることでしょう。
別に支障がありませんが。
ここで本来の生徒会長を紹介しなければなりません。
本来の生徒会長は白波瀬 真梨桃さんという方です。
さて、何でこの人が休みがちかと申しますと答えは簡単です。
彼女は性転換症なのです。
月によって違いますがだいたい半分ぐらいは男子校舎にいらっしゃいます。
私と生徒会長の出会いは衝撃的でした。
昨年、1年生の頃の4月の入学式に彼女は突然現れました。
彼女は自己紹介の時にいきなり
「私は性転換症です。
このことは私の誇らしいところです。
別に恥ずかしいことではありません。
胸を張って言えます。
性自認は男ですが女の子の経験も長いです。
何せ生まれた時からですから。
もちろん恋愛対象は女性です。
ここへはハーレムを作りに来ました」
私はその時初めて性転換症というものを知りました。
そしてこの学校が性転換症の人たちを積極的に取り入れていることも。
しかし、「ハーレム」とはきつい冗談だなと私は思った。
私が彼女を見ていて気づいたことがある。
最初の自己紹介の時と違って彼女はかなりの奥手だ。
女の子と話すのが苦手なようにも見える。
しかし、1ヶ月も経つと彼女の良い面が目立つようになってきた。
とにかく紳士なのだ。
着替えの時も別に誰も気にしていないのに別室で着替えているし、それにとにかく優しい。
女子に対する気遣いが満点なのだ。
そして女子にも好かれる中性的なルックスはたちまちファンクラブが出来るほどの人気になった。
立ち居振る舞いがとにかく王子なのだ。
女子なら誰もが憧れる白馬に乗った王子、それを彼女は体現しているようだった。
しかし、「ハーレムを作る」と言った彼女は2学期になっても特定の彼女を作る気配がない。
ていうか、彼女の作り方を知らないようだ。
恐らく付き合ったこともないのだろう。
この手の顔立ちの人には特段珍しいことではない。
好きだと思っている人は大勢いるが自分とは不釣り合いとかもう既に彼女がいるのだろうと思われて敬遠されるのだ。
しかも「ハーレムを作る」と最初に公言してしまった以上なかなか名乗り出る女の子はいない。
彼女は冗談だと言っていたがやはり最初の失言は痛い。
別に私たちもその事を気にしている訳ではない。
彼女の真摯で紳士な態度はみんな分かっている。
彼女は真面目だと言うことも。
とにかく今は女の子たちが遠くで見守りたい存在。
それが彼女なのだ。
しかし、それを打ち破る事件が起きた。
それが私の告白だ。
私は彼女と付き合うことになったのだ。
もちろん、一筋縄には行かなかった。
まずは告白する前にファンクラブの子たちと話し合った。
それもかなりの時間をかけて。
最後には私の熱意に応じてくれてファンクラブの子たち全員が納得してくれた。
そして次は先生方への説得。
同性同士だからといって許される訳でもない。
これもかなりの時間を要した。
そして外堀を埋めてから私は彼女に告白した。
彼女は喜んで承諾してくれた。
そして私は彼女に付き合うに当たって条件を付けた。
1つは「ハーレム」を作らないこと。
もう1つは私を大事にすること。
彼女は喜んで了承した。
しかし、それからが大変だった。
まず、私は女の子が好きだ。
いわゆる同性愛者だ。
だから、彼女をことあるごとに洗脳した。
女の子がいかに素晴らしいかを会う度に演説したのだ。
私は彼女まるごと女の子にしたいのだ。
しかし、し過ぎると今度は男の子を恋愛対象にするかも知れない。
そういうときは逆の洗脳をする。
とにかく加減が難しい。
実際、彼女が(恋愛対象が)男の子に目覚めそうになった時が何回か有る。
その度に戻すのが大変なのだ。
そして、今、ファンクラブの子たちに推され生徒会長の座に彼女はいる。
そして私もファンクラブの子たち公認の正式な恋人になった。
今、私は彼女を支えたい、恥をかかせたくないという気持ちで一杯です。
彼女の男姿はまだ見ていませんが(見たいとも思いませんが)きっと格好良いことでしょう。
まだ彼女には話していませんが、私は彼女と一生連れ添いたいと思っています。




