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無限空想世界の幻想的な物語  作者: 幻想卿ユバール
第五章 悪夢編
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無限空想世界の幻想的な物語~悪夢~ 第5話  「希望か絶望の物語」

また・・夢の中?

最近夢をよく見るんだが・・こう夢が続くともう慣れっこだな。

一体どうなってんだ。


「調子はどう?主人公さん」


「・・おい、なんで今度は普通に会話できてんだ」


「さあ・・私が天才だから?」


「わかったお前馬鹿だろ」


「ふふ・・面白い対応アリガト・・」


ベッド・・と言うより謎のソファーで寝ていた僕が目を覚ますと。

起きて目に入ったのはあのルカと言う少女の声をした女の子だ。

首には謎のヘッドフォン、スタイルの良い体系。

じっとりとした目つきでこちらを見る。

謎の白衣と赤いゴスロリの目立つ謎の眼鏡のかけた美少女・・だと言っておこう。



「あら?貴方・・以外に分かってるのね・・」


「そりゃそうだろ・・心の読める女ほど怖い者は無い・・って言ったら傷つく?」


「ふふ・・別に・・気にしてる事でもないし・・今更そんな事で怒らないわ」


このルカと言う少女が優しい笑みでこちらをにまりと見る。

本当に怒っていなかわからんな。


「・・にしても・・貴方・・心読まなくても全然平気ね・・」


「へっ?なんで?」


「わからないの?私の目は心だけじゃない・・記憶・・感情・・それ以外も見通すけど・・貴方の場合は・・そうね・・なんというか純粋・・純白・・感情がはっきりしてるわね」


「そんなに?僕そんなにハッキリしてる?」


「ええ、それはそれはもうイージー・・貴方人生本当に楽しんでる人間ね・・強くてニューゲームでも選んだかしら」


何をわけのわからない事を言ってやがる。

僕の前世は無いって。

これが最初・・セーブデータとかないから!


「おやおや・・心の乱れ方もまた一筋ね・・」


「なっ・・」


「・・でも・・ここまでデータと一致するなんて・・貴方・・」


「ん?どした?」


急に考えこむルカ、袖で口を隠す様にじーっとこちらを見る。

しばらくすると何かを悟った様ににんまりとまた笑う。


「ふーん・・」


「な・・なんだよ」


「いえ・・貴方はどうあっても世界を救う人物なのね・・」


「は?わけのわからない事言うのなよ・・」


「ふふ・・ごめんなさい、ちょっとした独り言・・貴方には・・関係ないわ」


「は・・はあ・・」


本当に読めない・・こいつのこの微笑み。

弟のジンを思い出すよ。

ニコニコとしているけど内心超何考えているかわからない感じ・・。

ジンそっくりだよ本当に・・。


「・・さて・・そんなお兄ちゃん主人公である君にひとーつ・・お知らせ」


「なんだ?」


「君の体の回復が完了したぽいね・・外の様子をちょこっと除いたよ」


「お、良かった・・と言う事は灯先生でも到着した頃か・・」


ふと安心する僕だったが。

それが一瞬で消し飛ぶ。


「灯はいないわよ?」


「えっ・・でもこの世界のまともな医療ができるのは・・」


「医療したのは【メイドの子】・・アリサちゃんと言うのね・・その子が能力を使ったわ」


「アリサ・・さんが?」


突然の出来事の説明に困惑する僕。

どう反応するかより先に灯先生が不在と言う事実に驚愕していた。


「主人公さん・・いい加減・・夢と希望だけの世界から目覚めて頂戴・・」


「る・・ルカさん?」


笑顔でニヤニヤとしていたルカさんからそれが消えた。

笑っていてもどこか悪魔の微笑みに見えた。


「この世界はね・・今は【イフ】の世界・・そしてここは【ユメ】の世界・・貴方は仮想の仮想に入り込んでまで戦いをしていることにそろそろ自覚したらどう?」


「えっ?・・えっ?」


「だーかーらー・・アビスの作り出した世界でのんきにアビスに食われそうにならないで・・てっ事よ・・貴方・・自分が今何をしてたか分かってんの?」


「何って・・ホネッルスとニアと劇を・・」


「そう・・貴方には・・ニアに見えたのね・・」


「はっ!?あれはどう見ても・・」


「ニアに見えた・・そうよね・・私が説明不足だったわ」


この人大丈夫か!?

情緒不安定?それともただの狂人!?


「アレはニアの【精神】よ・・つまりアレはニアであってニアじゃない」


「えっ・・うえええッ!?」


「はーい・・テンプレ反応オツカレ☆」


だからその余裕の反応は何!?

どういう事?!精神!?


「簡単に説明するとあの子はニアではないけどごく一部のニア・・でも彼女はニアであってニアではない・・本来あるべき姿・・理想形のニアとして生まれた精神のニア・・それが精神のニアよ」


「・・どっからその精神のニアが生まれた?」


「アビスの悪夢は分かるかしら?分かってても「はい」を押しても「いいえ」を押しても私は説明するわよ・・ああ、長いからスキップ機能はバッチリ削除させてもらうからね☆」


「いちいち何言ってんのッ!?」


「とりあえず聞いて・・彼女はアビス四帝の一人・・悪夢によって【魂】【精神】【心】の三つに引き裂かれの・・そのうちの【魂】が本来のニア・・今はこの世界のどこかにいるらしいんだけど・・きっとアビスが連れているのね」


「じゃあ他は?」


「【心】はサーカスの団長の【エース】君が保護しているわ・・最も彼女は感情が無いから興味あったらしいから任せているだけど・・見事にダメね・・アレ」


「お・・おう」


「そして・・【精神】はごらんのとおり貴方にベタぼれ・・アレって一様本当の彼女の一部だから・・事実貴方は有利力なニアのパートナーね」


「ぱ・・パートナー・・」


「以上説明終わり・・まあ・・あとは変に本体が刺激されないでこうやって精神がずっと幸せでも構わないのだけど・・貴方の場合はやりすぎ・・あまり精神だけ幸せにし続けると暴走を起こすわよ?」


暴走・・考えたくないな。

アレが暴走するとロクでもなさそうだ。


「幸い悪夢は高みの見物を決め込んでいるわ・・今がチャンス・・どうにかして心もエースさんから回収してきてちょうだい」


「えっと・・つまりこの流れはもしかし次の目標?」


「うんうん!だってデートイベントも熱血友情イベントももう堪能したよね?だったら次に何があるかって?君にたっっっっぷりこの世界に希望だけじゃないという事を教える鬱イベントだよね?恋愛げーむには付き物・・選択肢を間違えればバッドエンド・・頼りになるばすの親友ポジションはまさかのド外道・・よくある展開なのに鬱展開にたっぷり絶望するのよ・・」


「・・暗い展開は望まないなー・・そんな絶望の鬱げー・・希望ゲーに変えてやる」


「・・っっ!?」


指をさして僕はルカに言った。

するとルカはテンプレツンデレ系の様に頬を染めて赤らめる。


「・・アレ?」


「・・嘘・・嘘嘘ッ!ああああ・・ありえないわ!今こんなセリフに・・セリフにドキッとした自分がいるなんて・・認めない!」


慌てて顔に手を当てるルカ。

汗汗とする姿はまるで乙女の様。


「あああ!!心に出していうんじゃない!恥ずかしいだろうが!」


「ぷっ・・あはは!なんだ・・意味不明で小難しい事言う割に・・乙女なところあるじゃん!」


「うるさい!うるさい!・・私は・・私は・・天才なんだから!・・ああなんで!馬鹿の一言ぐらい予想できたはずなのにぃぃ!」


「はー・・安心した・・まあ頑張るよ」


「ちょっと!まだ終わってない!寝ようとすんな!」


「分かってるよ・・でもアンタの言う事は一ミリも理解してない」


「ハァッ!?喧嘩売ってんの?!」


床をドンドンと蹴って怒りを見せるルカに僕は余裕の声を上げる。

別にあおっているわけじゃない、ただ安心しただけだ。


「・・僕は僕のやり方であの子を救う・・ニアを」


「・・フン!勝手にしなさい・・警告するけど・・あの子はニアじゃない・・これだけは言える・・いずれ・・いずれにせよ・・いつまでも理想のニアをニアと言っていると・・貴方・・いずれ苦しむ羽目になるかもしれないわよ・・」


「その時はその時だ」


「はぁ・・もういいわよ・・私はこれでオサラバ・・また来るけど・・その時のあなたは・・どうなってるかしらね?」


「さあ・・ね?」


互いに自分を見せた会話の中舞台裏から姿を消すルカ。

ソファーに寝そべる僕は彼女の事を最後まで見送った。

スッとまるで消えたようにいなくなる。

本当に謎だらけだな彼女は。


「あ、おにーちゃん!」


「あ、ニア」


「あっニア!じゃないでしょ!全く!」


ぷんすかと言う言葉が似合うぐらい手首をこすりつけた怒り方。

ぶりっこポーズが近いぐらいのポーズだ。


「・・心配したんだからね・・急にお兄ちゃんが気絶して・・動かなくなって・・」


「ごめんごめん・・急にめまいがしてさ・・」


「大丈夫?やっぱりデートは明日にする?」


心配して不安になる彼女に僕は優しくこう言った。

不安を消すように自然な表情で微笑み不自然の無い笑顔で。


「大丈夫、今日と言う時間は・・今しかないからね・・今日をニアとデートした日でいっぱいにしたいから・・まだ僕はデートするよ?」


「本当に?」


「うん・・それに・・」


僕はとっさにグイッとニアを引っ張り耳元にやさしく声を吐いた。

彼女の攻められる性格が飛びす前こちらから刺激を与える戦法だ。


「(ニアの優しくして甘い微笑み・・まだみたいから・・)なんてね」


「うふふ・・あむッ!」


「ッ!?!??」


唐突の反則級の耳をあむあむと甘噛みし始める。

体にいやらしくなでなでとさわり、いやらしい音で耳たぶから離れると、

ニアは仕返しの様につぶやいた。


「(今のお兄ちゃん・・すっっごく良い・・欲情するお兄ちゃんもちょっとゾクッとするね・・)」


「ににににににアッ?!」


「でもね?今日は頼りないお兄ちゃんがいいなー・・て気分?暴走して・・手が付けられなくなって・・そうしてどんどん私を乱暴に・・あんなこと・・こんな事するお兄ちゃん見てみたいけど・・今日は健全なデートだからね?」


「お・・おう・・分かっているよ・・我が妹」


「ウフフ・・お兄ちゃん・・やっぱり面白いね・・お兄ちゃんはやっぱりその方がいい・・変にカッコつけなくても・・私のお兄ちゃんだもん・・もっと純粋でいてね?」


「あはは・・だよねー・・あはは・・」


「ふふ・・さっ!まだデートは終わってないよー!次見に行かなきゃ!」


「ん・・?つか・・いつからデートになったんだっけ?・・まあいいか」


ずいぶん体力の取られるデートだ。

いや、デートてっそういうものだろうな。

やらしい妹のニアに誘惑を受けつつも僕は一歩また色んなものを踏んで前進。

果たして波乱のデートはどうなる。


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