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無限空想世界の幻想的な物語  作者: 幻想卿ユバール
第五章 悪夢編
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無限空想世界の幻想的な物語~悪夢~ 第4話  「その名はクリアマン」

「うぉぉぉッ!!」


ドッシャァァンッ!


作られた戦場でも容赦はしないホネッルス。

僕に向かって大剣を振り下ろし、大きな一撃を決めてくる。

だがそれに対して何もしないわけじゃない。

僕だってその一撃一撃をひらりと交わし、瞬く間にホネッルスの背後へと行く。


「チェストォッ!」


「甘いッ!」


ギィンッ!


二つの剣が交わって攻撃がつば競り合い。

大剣だと言うのに素早い動きだこれでは手の出しようが無い。


「中々やるじゃん・・ホネッルスはやっぱそうでなくちゃな・・」


「ぬふふ・・俺も戦士・・勇者に憧れたんだ・・こんぐらいはできるさ・・」


クアンッ!


つば競り合いから一度押し離す。

かれこれ何時間とホネッルスとこの劇を続けているが・・。

やはりと言うかなんというか・・。

ホネッルスがばて始めた。


「ゼハァ・・ゼハァ・・見たか!俺の全力!」


「み・・見たけど・・ホネッルス体力余ってんか?さっきからもう体力危ないぜ?」


「ふっふっ・・こ・・ここからが俺の全力のさらに全力だ・・」


「な・・さらにまだあるのか!」


どう見ても余裕無さそうだけど。

一体ここから何が始まると言うんだ。


「行くぜ!俺の全力必殺技・・【骨大剣(カルシウムカリバー)】ッッ!!」


シュゴォォォンッ!


大剣を両手で振り上げ飛んで振り下ろす巨大な一撃ッ!

大いなる青のエネルギーに包まれた大剣が僕めがけて放たれた。


「なるほど・・だけど・・僕にそれはできる!」


「えっ!?お兄ちゃんにもできるの?」


「見てろよニア、これがお兄ちゃんのスゲェところだから・・」


そう言って僕は手から剣を投げ捨て、いつもの様剣と銃を出現させようとする。

が、予想外の事が僕の目の前で起こってしまう。

そう、これは【血の決闘】を使ったその時だ。

手のひらに現れたのはなんと。

通常よりでかいマグナムと言う銃とサバイバルナイフが一体化した様な銃が。

赤黒と白青の色の物が二つ出て来た。


「え・・ええええッ!!ナニコレ!いつものは!?」


「わー!武器かっこいいね!お兄ちゃん!」


「そんな手のひら合わせて合掌しないで!てかなにその笑顔ッ!?」


「そ、それよりお兄ちゃん!攻撃がもうすぐ来てやられちゃうよ!」


「(こいつ切り替わりはえぇぇ!!つかいきなりチュートリアル無しで現れたこの武器をどうしろと・・あっ!)」


その時だ・・来たよいつもの明鏡止水・・。

水がピシャンと一つ心の中で研ぎ澄まされた時見えた未来のビジョン。

来たぜ・・これが僕の真の力の現しかた!

僕はこの二つの銃剣をグイッと変形させて一つの剣の様にする。

そしてそれを振りかざして二つの剣を上から振り下ろされる大剣めがけて。

僕も二つの銃剣をぐるりと一回転し巨大なエネルギーの剣を作り出す。


「うぉぉぉッ!!【血源(ブラッド)(ブレイド)】ッ」


ドゴォォォッ!


大きくぶつかる二つの剣。

その勝敗の行方はいかに・・互いにぶつかる巨大なエネルギーの剣。

大きく大きくクロスさせるつば競り合いの果てにこのまま相殺か?


「相殺なんて・・させるものかッ!俺はここで勝つ!勝って栄光のホネッルス伝説のまた一歩にするんだ!」


「僕も負けられない・・今はニアの兄として・・カッコイイところみせてやんなきゃね!」


「いいよーいいよー!お兄ちゃんがんばれー!・・ふふ、なんだか・・羨ましいな~・・二人とも苦しくなさそう・・子供みたいに大はしゃぎ・・男の子は純粋でいいな~・・」


『ウォォォッ!』


「(二人ほどではないけど・・私もあんな風に・・女の子もあんな風にできたらなー・・)」


ピイシャァァァンッ!ズゴォォォオッ!


その時だ・・剣のつば競り合いは一体何が起こったのか。

エネルギー同士の戦いは終わりをつげあたりが煙に包まれた。

流石にこれならばホネッルスも倒れたはずと思ってしばらくは煙の中でじっとした。

しかし予想以上の事が起こっていようとは誰も思わなかっただろう。

そう・・煙が晴れた次の瞬間だ。


「・・な・・なんじゃぁ・・こりゃぁ?!」


「あ・・アレは・・なんだッ!?」


「うわぁ・・なにあれ・・すごっい!まるで・・私の今考えたヒーローみたい!」


煙が晴れてしばらくした時の事だ。

舞台の上空に現れた謎の女性。

まるでそれは正義のヒロイン・・黒くなびかせたロングヘアーの髪形。

フレアスカートに白く美しいシャツ。

後ろには黒き翼とマントを羽織って頭にはティアラの様なアクセサリー。

左手には黒くメタリックに光り輝くランチャー。

右手にはなんだか刃型がでかいレーザーソード。

元気ハツラツと言わんばかりのきらりと輝く眼差し。

彼女は誰だッ!?


「ふっふっ・・この世に悪が現れた時・・私は君臨する・・この世の天と地に悪が現れた時・・私は現れる・・私こそ・・ババッ!【クリアマン】ッ!」


ドカーンッ!


それは戦隊ヒーローショーかなにかと言わんばかりの爆発。

と言うかそれそのものだ。

にしてもひどいッ!

マンッ!?どう見ても女性だよなッ!

そこはウーマンじゃないんですかッ!?


「ふっふっ・・女性はヒーローになれないと言われて早数年・・待った甲斐があった!」


「え、そんなに?」


「今こそ!差別をなくして誰もが勝利の舞台に立てるという事を教えてくれる!ウィルコンティ君!君はそこで記録していたまえ!」


僕の前にバッサバッサと地上へ降り立ち何故か知ってる僕の苗字を言って。

スタスタとホネッルスへと向かって行く。


「てっおいおい!なんで僕の苗字知ってるの!あと貴方は誰なんですか!」


「ふっふっ・・私はクリアマン!それ以下も・・それ以上でもない!私は全国のよいこの味方・・」


「いや聞いてないです」


「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」


「に、ニア?」


突然ニアに呼び止められる僕。

一体どうしたというのだろうか。


「ここはクリアマンさんに任せてみようよ!」


「な、なにを?え、もしかしてこの劇を?」


「だって見てよ!あのホネッルスの輝かしい瞳!」


「あ・・本当だ・・」


気づかなかったけどホネッルスがすごい尊敬の眼差しで見ている。

クリアマンをキラキラした瞳で見ている。

まだ初めて登場したばっかりなのにスゲェ尊敬の眼差しだよ。


「ふっふっ・・困るな・・これから悪を成敗しなきゃいけなのに・・そんな輝かしい瞳で見られたら何もできないじゃないか・・」


「グッ・・ググッ・・悔しいがカッコイイッ!超カッコイイ!まさに・・俺の憧れたヒーロー!」


「その通り!私は全国の子供が憧れたヒーロー!・・君ももしかして本当はヒーローになりたかったんだろう!」


「は、はい!・・けど俺にはあんたみたいに輝く物を持ってない・・俺にヒーローは・・」


「馬鹿やろう!ヒーローてのは輝いてるか・・輝いていないかじゃない!大切なのは心だ!心をずっと・・その胸に熱い正義の心を秘めて人生と言う階段を踏みしめれば・・お前もまたヒーローだ!」


「人生と言う階段・・け・・けどもしその階段が崩れて・・途中で挫折しちまったら・・」


「ヒーローに挫折はない・・通行止めの看板なんてただのインテリア・・ヒーローなら・・飛べッ!飛んで超えていけ!どんな崖も・・どんな障害物も・・超えろぉッ!」


「おお・・オオオォォォッ!!」


グッ!


その時一つの固い握手が交わされた時だった。

なにこれ?

熱い言葉の打つかかり合いはまるで熱血青春映画の一ページ。

もろ演技と言う舞台から離れて師匠と弟子の一コマだった。

でもあんなに悔やみ迷っていたホネッルスがまるで吹っ切れた様に輝いている。

唐突に現れてまるで作者が当時見ていた子供向けアニメで。

台本が入れ替わるように現れた伝説厨のトレーナーの様に。

主人公よりさらに一世代前の主人公をしているキャラが登場とは・・。

それでもまあ・・彼女のおかげで一見落着だ。


「はぁ・・やれやれだな・・」


「全くだねー!結局お兄ちゃんも私もいいとこ取られちゃった~」


なんだか残念そうにしている割には内心喜んでいそうなニア。

実はこれが狙いだったのか?

いや・・そんなはずないよな・・だってクリアマンは絶対まぐれで登場した謎ヒーローだし。

ともあれまたなんだか一人の闇をはらい事件解決に一歩近づく。

今回はわりと無茶苦茶してたが・・よくあることだ。

こうして僕は二人の時間を邪魔しちゃいけないと。

ニアを連れて楽屋裏から外へと行こうとする。


「じゃあ・・行こ・・」


ビリィビリィッ!!


その時・・頭に電流が走った。

どこからともなく電流が走った。

何故だかわからない・・どうして走ったのかわからない。


「お兄ちゃん?」


ふらっと倒れる僕にニアは不思議そうに言った。

僕はそのまま倒れこんだのだ。

そのニアの一言だけ聞いた後僕は体に力が入らなくなり。

暗い暗い闇の中・・何一つ考えられなくなって倒れた。



NEXT・・


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