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無限空想世界の幻想的な物語  作者: 幻想卿ユバール
外伝その2
83/150

無限空想世界の幻想的な物語~外伝~ 魔章6 「巫女と努力」

ここは幻華の里の闘技場、

現在私は観覧席で不安にもガッツ君の勝負を見届けるところだ。

私の不安は募るばかりだが両手を力いっぱい握りしめて祈った。

そして、私だけではなくガッツ君を応援する声は周りから沢山聞こえた。


『負けんなー!』『あんな奴ぶっ飛ばせー!』『はぜろー!』


期待と不安の中の闘技場。

波乱交戦が今始まる。

ガッツ君とあの男名前は確かレオーネが互いに真ん中へと歩き出す。

互いに距離が取れるとお互いの見つめ合い戦闘前の意気込みを言ったのだった。


「この戦いに勝って嬢ちゃんも渡さないし俺っちの敗北記録もここで止める!」


「んふ・・その意気込みよし・・でも残念だけど・・んふ・・僕には勝てないのさ・・んふ」


「言うじゃねぇか・・ここでぶっ倒してやるよ」


「望むところ・・んふ・・なのだよ・・」


ところでさっきからあの人の「んふんふ」が。

うざいと思ったのは私だけじゃないはず。

絶対に私だけじゃないはずだ。

そう願うばかりである。


「巫女ォッ!無事かッ!」


「あ、魔王様!」


後ろの入場口から魔王様の声、

これは魔王様が到着したという事か、しかし一歩遅かった。

もう試合は始まる寸前だ。


「ご・・ごめんなさい!急いで探していたんですが・・やっぱりガッツさんが試合を?」


「そうです!これは私とガッツ君のあいつに制裁を加える戦いなんです!」


「な・・っ!貴様は馬鹿かッ!」


魔王様も流石に怒りの声、だが私はそれに対して動じず。

私もそれに対して怒りの声を上げる。


「馬鹿は魔王様です!先ほどはガッツ君を弱いと愚弄しました!」


「なん・・だと?!」


「見ててください、魔王様・・彼は本来強い者だという事がよくわかりますよ」


「・・・わかった・・見てやろう」


流石の魔王様も私の力強い言葉に納得してくれた。

良かった、これで言う事聞かなかったらどうなるかと思った。


「いいんですかい魔王さん・・ガッツの野郎なんかに任せて」


「どのみち始まった勝負を変更はできない、こいつが何を考えているかはわからんが精々最後の時を見守ってやろう」


「・・魔王様」


「(スライムは基本的に体当たりのみの戦法以外はない、したがって奴の様な剣を使う相手では不利でしかない、切られてもすぐ再生するあいつはまた別格だが・・それでも部が悪い・・)」


「(ガッツの野郎・・戦争中は相手の人間にボコボコにされていやがったがどうなる・・しかも今回は鎧だ・・鎧の騎士相手じゃどうしようもないだろう・・)」


「(ぷるぷるとした彼の肉ではダメージすら当て得られないはず・・これは負けたわね・・もう勝負ついてるような物・・)」


私がこんなにも勝利を祈っているのに。

この人たちはたぶん敗北しか考えていないのだろう。

全く失礼な人達だ、少しはガッツ君の事を見守ってくれたっていいのに。


「(がんばれ・・ガッツ君!)」


私は祈る事しかできないが誰よりも勝利を確信している。

理由は理論は無いけどなぜだか勝てる気がしたんだ。

しばらくすると試合開始の合図が始まりすだす。

いよいよ始まる・・二人の決闘!


『試合開始・・・五秒前・・』


「さーて・・いっちょ本気出しますか!」


「んふ・・・精々楽しませてくれよ・・」


『3・・2・・1・・・goッ!!』


パァンッ!!


試合開始の発砲!

まず最初に動いたのはレオーネ!

ガッツ君もそれに続くように走り出す!

しかしレオーネのあの体を斜め前にする走り方はなんだ。

とても意味があるとは思えないが、どういう走り方なんだ。

両足を素早く動かし体系に似合わない速度で果敢に攻め込む。


「んふんふんふんふんふ!僕のこの走り方は貴族流んふ!君に・・これが交わせるかな!」


ガッツ君に片手で剣を振りかざして大きく振り下ろす!

一直線にズドンと放たれ、周囲から砂埃が舞う。


「んふんふ・・手ごたえがありすぎるんふね・・」


「おい巫女・・」


「大丈夫です・・ガッツ君ならあそこですよ!」


「なんだと?」


魔王様が私に問いかけるのはよめていた。

それを予想してのこの攻撃だ!

砂埃が舞う戦場の中一匹のスライムがレオーネの後ろに立って屈んでいた。


「な、なんだと?!」


「ガッツの野郎が生きている・・」


「ありえない・・だって彼は今確かに・・」


「潜り抜けたんですよ・・股の間を」


『股の間ッ?!』


「あ・・なるほど!ガッツさんの小さな体なら・・!」


そう、これぞガッツ君の体を最大限に生かした最適な戦い。

実は戦闘が始まる前にダメ元でアドバイスとして教えていたんだけど。

まさか本当に通用するとは思わなかった。

これにはさすがにみんな驚きだろう。


「な・・何故奴がいないんふ!?」


「へっ・・後ろががら空きだぜ!!」


「後ろ・・ハッ?!」


気づいた時には遅い、すでにガッツ君の戦闘準備は整っている。

地面に深く深く体を屈ませ体を回転させる。

ギュルンギュルンと大きく大きく摩擦の熱を作り出す。

そしてそのまま一気に地面を蹴って大きく素早くとびかかる!


「いっけぇぇぇッ!!!」


ドォォォンッ!!


流石の固い鎧にも傷が付くほどの大衝撃!

ガッツ君の回転体当たりが炸裂してレオーネの鎧がめり込み。

そのまま地面を転び行く!


「ふんぬぉぉぉッ?!ばほぉあ!!」


「どうだ!見たか!」


『おおおおお!!』『すげぇー!』『初めてガッツの攻撃が通ったぜ!』


これにはみんな歓喜、流石にみんな驚いているだろう。


「ありえん・・ガッツの攻撃がヒットするだと!?」


「いえ、これは現実・・ガッツさんは日に日に特訓を重ねていたのは事実なんです・・ですから彼に足らなかったのは力ではなく知識、戦いの知識を得ている彼はまさに努力の成果がにじみ出ている!」


「いける・・いけるぜ!こいつは面白くなってきたぜ!」


「黒竜・・うるさい」


周りのみんなから希望の声が出て来た。

そうだ、ガッツさんの本気を見てもう絶望するほうが難しいんだから。

こうなったらとことんやってガッツ!

貴方の本気を見せる時だよ!

まだレオーネは立ち上がって戦う意思がある。


「グッ・・なめた真似しやがって・・」


「よーやくその薄笑いとんふんふが消えたな・・」


「てめぇ・・ごときが・・スライムごときが・・調子にのんじゃねぇぞ!!」


レオーネの腰からもう一本剣が?!

でも今更剣が増えたところでなんにも変わんない!

今のガッツ君を止められるのは誰もいない!


「ハッ!いよいよ本気てっか!?見せてみろよ騎士道つうのを!」


「ああ!見せてやるとも!・・・俺様の騎士道をなッ!!」


ズザァッ!!


その互いに走って攻めに行きガッツ君がレオーネに近づいた時それは起きた。

その時観覧席にいたすべての人達が驚いた。

全ての人達が青ざめるくらい非道な事が起きた。

なんとレオーネは最初に持っていた剣を投げてガッツに当てようしていた。

しかし本当の目的は転がって起き上がる時につかんだ砂をガッツに当てるのが目的。

ガッツ君は目を思わずつぶってしまう。


「ヴァァッ!くっそ!目に砂がッ!!」


「はっはっはっはっは!くたばれッ!!」


ドゴォォッ!!


持っていたもう片方の剣で勢いよく殴られるガッツ君。

ひどいわざわざ切るためじゃなくて剣を殴るために使うなんてッ!

騎士道のかけらもなにもないじゃない!


「ああ!ガッツ君!」


「グッ・・卑劣な」


私は思わず涙声になって心配してしまう。

次から次へと狂ったように剣で殴りかかるレオーネ。

このままではガッツ君が先に倒れてしまう。

どんどんボロボロになっていくガッツ君なんて見てられない!


「ハハハハ!オラオラオラァ!どしたどした!!さっきまで威勢はよぉぉ!」


殴って剣でたたいてこれじゃあただのイジメと何が違う。

こんなの闘技場でやっていいわけ無い、いいはずがない。

周りからもブーイングの声が止まないのだから。


『ふざけんなー!』『恥を知れ!』『こんなの決闘じゃない!』


「なーにが決闘じゃないだ!戦いは勝てば勝利だ!どんなに醜かろうと・・どんなに愚かでも・・負ければ悪・・勝てば正義だァァァ!!」


ドゴォォォッ!


無駄口をたたきながらガッツ君を持ち上げて左手でストレートをかます。

もはや騎士と言うのも汚らわしい、あんなの悪魔だ。

悪魔と何が違う、陰湿で汚いやり方をッ!!

ガッツ君がゴロゴロと転がって地面に倒れこむ。

もう流石に立てないか・・


「ふっ・・?」


「まだ・・まだだ・・」


「ガッツ君!!」


「よし、まだ立てる」


「けど、もう限界も近いわ」


大丈夫、ガッツ君は立てる。

今まで沢山力を積み上げて来たガッツ君ならやれる。

私は信じてるガッツ君ならできるって信じてる。


「おーやおやおやおや・・どうしたもんかねー!雑魚スライムのくせにまだ立ち上がるのかっよッ!!」


「ウベボァッ!!」


ああまた近づいてレオーネが蹴った!

蹴ってまた遠くへ転がるガッツ君。

またしても地面に倒れこむ。


「ははは!愉快愉快!オラアッ!!」


「ウグォ・・ッ!!」


今度はそのまま壁際で何度も蹴り始めたッ!?

もうやめてよ・・見てるだけそんなの耐えらない・・


「もういい!!やめて!!」


「待て、巫女」


「魔王様ッ!?これ以上はガッツ君が・・」


「戦わせろ」


「えっ・・?」


魔王様?

もしかしてこの状況でまだ勝てるなんて思っているの?

そんなわけ・・そんなわけないよ、流石にこんなの・・

ボロボロのガッツ君を見て勝てるだなんて・・


「ふはは・・はぁはぁ・・」


「ぐっ・・ヴぅ・・」


「ふ・・ふふはは・・ふざけんなッ!!」


「ブォッ!?」


「何回立ち上がんだよお前は~‥ッ!!!」


ガッツ君が今度は持ち上げられて何度もストレートを決められている。

嫌だこんなのが・・こんなのが決闘だなんて。

あんなのが騎士ほ名乗って戦っているなんて。


「大嫌いなんだよ・・そういう諦めの悪い奴・・大嫌いなんだよ!!ロクに能力ももってないクセに才能ないクセに・・何度も何度も挑戦しやがって!」


「ふぎぃ・・ふぐぅ・・あ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!」


ガミィッ!!


意識がもうろうとする中ガッツ君が維持を見せて手に嚙みついた。

ガッツ君・・そこまで・・


「ヴぁぁぁ!!この汚らしいゴミめがァァァ!!!」


ドゴォンッ!


下に振り投げて蹴り飛ばすレオーネ。

ああ・・まただ・・またガッツ君が遠く遠くへと蹴り飛ばされた。

なんで・・こんな状況でどうして勝てるてっ言うの?


「魔王様・・もうやだ・・私もう見てられないよ」


「ダメだ、目を背けるな」


「無理言わないでください!私はもう見たくないんです!ここまで彼が努力してきた結果が報われないが・・必死にあがいてきた彼が・・」


「貴様があいつを語るな」


「・・ッ?!」


その一瞬、私はハッとなって魔王様を見た。

その時の魔王様はとても真剣な表情だった。

魔王様は・・怒りの目で彼の戦いを見ていた。


「あいつはスライム族最後の生き残り・・戦争後に無礼極まりない騎士団にスライム族の村を襲われたんだ、ただでさえ強かった騎士団になすすべなくやられたスライム達は一人のこらず死んだ・・だが奴は・・ガッツだけは戦後途中に帰っていたばかりに・・奴だけが生き残ったんだ」


「そんな・・じゃあ・・」


「あいつが真に強さを求めて努力したのは一年二年の話じゃない何百年と言う時を重ねてあいつはずっと戦いに磨きをかけた・・あいつは・・お前に語れる様な奴じゃない!」


「ッ!!」


「我は奴が心底どれだけ諦めが悪いか知っている・・我はあいつがどれだけ強いか知っている・・心強さと根性ならば誰にも劣らん!」


「それが・・真の強さなんですね」


魔王様がこんなにもガッツさんの事を知っていたなんて・・

私が間違ってた、私が・・ガッツ君に対して失礼な言葉を・・


「魔王様・・ごめんなさい・・私が馬鹿でした・・」


「互いに大馬鹿と言う事でしめておけ」


「・・はいッ!」


静かになった闘技場、

もう流石にガッツ君は立ち上がれないと思ったその時だ。


「・・・だ・・だ・・」


「なっ?!まだ立ち上がるのかよ!」


「まだ・・終わってない・・」


そうだ・・まだ終わってない!

まだ・・負けてない!


「ガッツ!ガッツ!ガッツ!」


私は一人手をたたいてガッツを応援した。

何故だかわからない、でも大きく手を叩いて応援したかった。

ガッツに勝ってほしいから!


「ガッツ!ガッツ!ガッツ!」


『ガッツ!ガッツ!ガッツ!』


どんどんその応援は周りを巻き込んだ。

その応援は力強くなる、気づいたら会場はガッツのコールでいっぱいだった。


「なんだ・・なんだこのコールは・・止めろ!目障りだッ!」


「会場のファンの声が求めてるのは・・どうやら俺っちらしいな・・」


「なんだと・・」


「ヘヘ・・まだいけるぜ・・まだ終わってないぜ!」


「なんでだ・・体を引きずって歩いているくせに・・もう体は限界のはずなのに・・どうしてまだ立ち上がり私に立ち向かえる!」


「決まってんだろ・・一回転んでも立ち上がる・・十回転んでも立ちあがる・・それがたとえ・・百回でも千回でも!命ある限り・・何回でも立ち上がってお前に向かって行ってやるんだ・・たった一度二度・・ボロボロのズタズタにされたぐらいで・・俺は諦めねぇぇ!!」


ガッツ君・・大丈夫だ・・ガッツ君は・・まだ・・やれる!


「けっ・・うぜぇことこの上ないな・・まるで数年前駆ったスライムそのものだ」


「・・・なんだとッ!?」


「おっ?知らねぇのか?俺様実はスライムの村を一つ滅ぼした事があってよー・・いやー清々したぜ・・戦争の時なんども何度も人間様に逆らう魔物でいっちばん気に入らないからな~」


レオーネの奴何してんだろう。

さっきからまるでガッツ君を煽るみたいな動きでしゃべりかけてる?

ちょっと遠くて聞こえない・・

でもなんだか・・レオーネの笑う表情に対して・・

ガッツ君の様子が・・変だ。

まるで・・怒ってる?


「そうか・・ようやく探したぜ・・」


「あ?」


「お前が‥俺っち達の・・種族を・・」


「あー・・お前あいつらの仲間か!」


「ふざけやがってぇぇぇぇぇッ!!」


その一瞬、私は・・いや私達は驚愕の光景を目の当たりにする。

ガッツ君は今までになかったくらいの速さで走り出す。

人間の様な足は無い、力強く振る手も無い・・だけど・・だけど・・

その跳ねて跳ねて進む行く力強いスライムはともて早かった。

まるで・・光の様に・・早く。


「るぅぉぉぉぉッ!!」


ブチィッ!!!

ガッツ君は飛び上がり目にもとらえられない速度でなんと・・

レオーネの髪の毛を歯で多くの髪の毛を噛みつき、

大量に毟り取ったッ!!


「ぎゃぁぁぁぁぁッ!!!」


「はぁ・・はぁ・・・見つけた・・見つけたぞォォオッ!!」


「ヴ・・ヴぉぉぉッ!!!スライムごときがぁぁぁッ!!僕の髪形をぉぉぉッ!!」


毟り取られた頭部からドロドロと血が流れるレオーネ。

これならば・・勝機が見えた!

今の覚醒したガッツ君ならいける!


「いっけぇぇぇぇ!ガッツ君ッ!!!」


「任せろぉぉぉぉッ!!!」


襲い掛かるレオーネに対して地面に体を屈ませてまた力強く回転をかける。

だが今度の回転はもはやタダの回転ではない、摩擦に最大の威力がかかり。

地面から煙を上げるぐらいに強く強く・・そしてそのまま飛び上がり打ちかますッ!!!


ズドォォォォォォンッ!!


「【(スカイ)ハイ】ィィィィィィィィァァァァア!!!」


「ヴぉばなばぁぁぁぁぁ!!!」


その一撃で奴の鎧もろとも全てを砕いた。

全てに終わりを告げた一撃だった。

鎧を砕いてそのまま体に大きく一撃を与えた。

ガッツの・・一撃!!


「ガッツ君ッ!」


「ふっ・・やったな」


『ウォォォ!!やったぜぇぇぇぇ!』


見事に勝利を確信した時だ。

会場の盛り上がりは最大に達した。

ガッツ君・・やったね!


「へへ・・」


『た、ただいまの試合勝者ガッツ選手!』


「ぐっ・・ぐぅぉあぁぁ!!待ちやがれぇぇ!!」


「げっ・・意識のまだあった・・」


「ふざけんじゃねぇぞ・・まだ俺だって負けてないぞぉぉぉ!」


「ふざけんな!あからさまに俺っちの勝ちだろ!」


「だーまーれーッ!!こうなったらパパに言いつけてここにいる全員みんなぶっ殺してくれりぅぅぅ!!」


なんて身勝手な言い分だ。

もう、騎士じゃない!

今の発言でハッキリ分かったよ!


「失礼お客様・・他のお客様にご迷惑がかかるのでお止めください」


「あ゛あ゛?誰に口聞いてんだ・・・ああッ?!」


レオーネが驚くぼとの人物、それは会場に突如現れたなぞのおじさん。

だ、誰なんだあの人ッ!?


「・・失礼、店長の・・【鈴木 誠】でございます」


「ヴ・・ヴぁぁぁ!!」


「やっべ・・店長来た・・」


「お客様私は言ったはずだ・・・私の闘技場で・・無礼な真似はご遠慮くださいと・・」


「ち・・違うんだ・・たす・・助けてくれぇぇぇ!!」


「命乞いするぐらいならパパとやらにでも助けてもらうんだなッ!フンッ!」


ピィシャアンッ!


鋭い一撃、手刀がレオーネの体につき穿つ。

そしてその店長は静かにこう言った。


「禁技・・【一刀(いっとう)突き()】」


「がは・・・うっ・・」


「安心しろ・・死にはしない」


その恐るべき早業にすべての者が唖然、

一体誰なんだあのイケおじさん・・


「えっと・・と、とりあえず・・誰?」


「この闘技場の店長もとい里の村長の鈴木さんです!」


「マジか、鈴木さんつえーな」


「魔王様、言葉が軽くなってる」


「気にするな」


こ、こうしてとりあえず私ガッツ君はレオーネに勝利した。

会場は大歓声で幕を閉じた。

みんな大喜びだ、ガッツ君の初勝利に・・みんなの気持ちが一つになって。

そしてこの後私達は勝利の祝杯を酒場で挙げるのだった。


「では俺っちの勝利を祝ってカンパーイ!」


『カンパーイ!』


「いやーそれにしても見事な勝利でしたガッツ君!」


「あたりまえよ!これも出雲ちゃんのアドバイスがなかったら達成できてないねー!」


「いやーそんな事ないですってー!!」


嬉しく盛り上がる私達が座るテーブル。

ジョッキを片手に大盛り上がりだ。


「フハハ!しかし良くやったぞ!ガッツ!貴様はやはり魔王軍最高の魔物だ!」


「照れるぜ魔王っち~!」


「(こいつらすげぇ仲いいよな)」


「(馬鹿同士分かり合う者があるんじゃない?)」


四天王のお二人はなんだか冷たいまなざしで見てるけど。

魔王様とガッツ君はなんだかとても楽しそうだ。

良かった、弱いと言っていたのが嘘みたい。


「ところでガッツ!これからもお前はここにいるのか?」


「ん?どうしてだい?」


「お前の力はこれから無限の可能性を秘めている!俺たちの旅に来い!」


「ま、魔王様ッ!?」


「旅かッ!いいなそれ!」


「しかもOKしちゃったよ!!」


「俺もアンタと旅してぇと思ってたんだ!」


「あはは・・ガッツ君なら大いに大歓迎です!よろしくお願いします!」


「おう!よろしくな!」


こうして新たなガッツ君と言う頼もしい仲間が増えた。

私たちの冒険をこれから盛り上げてくれそうだ。


「よし!そうとなれば!俺がガッツの野郎の旅を祝ってこの場にいる全員!俺の奢りだ!」


『ヤッターッ!』


「(馬鹿はお前もか!)」


今日の幻華の夜の酒場大いに盛り上がった。

みんなみんな笑顔になってみんなと楽しく過ごせた。

私もこの光景にうれしくて歓喜、こんなにもたくさんの人を喜ばれた。

いつかこの光景が沢山の場所で見れる良いな。

そう願って神様に今日と言う日をありがとうと心から感謝して。

私は今この時を楽しむのだった。



END


 ◆


「ふーん・・流石は出雲の血・・中々やりおるわね・・」


「いかがいたしますか?輝夜様」


「様子見するつもりだったけど・・ちょっと・・面白くなってきいはったねぇ・・」


「と、言うと?」


「少し・・遊びたくなったわ・・開催しましょうか・・【月杯大会】・・フフッ」


To Be Continued・・


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