無限空想世界の幻想的な物語~楽園~ エピローグ
これは戦いの終わった森での出来事、
それはあの宴の中にいなかった二人の出来事だ。
森林の奥地、大樹が美しく輝きを見せる森林の奥地で、
その光景は見えたのだ。
「・・大樹・・よかった、光を取り戻したんだね」
大樹の美しい輝きを見つめる一人の少年、闇裏、
彼は穏やかな表情で心を休めるように大樹を見つめる。
「元気そうね・・闇裏」
「ッ!?姉さん・・」
驚く闇裏が後ろを振り向くと、そこにいたのは灯、
灯は優しく微笑み闇裏に話しかけた。
「うふふ・・会いたかった・・」
「はは・・僕もだよ・・姉さん」
「あら、意外ね・・あの頃の事を引きずっていたと思っていたのだけれど・・」
「い・・いや、あれは仕方がない・・僕の軽率な行動でみんなを苦しめた・・アレは僕の責任だ・・いずれすべての者にケジメをつけるつもりだ」
「そう・・よかった、あなたはやっぱり私の・・いえ、今はいいわ」
「そうだね・・それを呼ぶのは・・せめてこの戦いを終えてからにしよう・・今はまだその時じゃない・・だけど・・再開は喜ぶべきだよね?」
「ええ・・もう何十年と会えなかったのだから・・当然よ」
「ありがとう、姉さん!」
「こちらこそ、闇裏!」
互いに再開を分かち合い、喜ぶ二人の姉弟、
大樹がその再開を祝福するかのように光さす光景、
互いに会えなかった者同士が暖かい自分たちの時間を作るように、
抱きしめ合う二人、その姿は小さな子供と大きな母の様だが、
知っている者から見ればまさしく幸せの姉弟の光景だと言える。
そして、闇裏は強く抱きしめられながら上を見上げて灯の微笑む顔を見て言う。
「・・姉さん、お願いがあるんだ」
「なぁに?闇裏」
「虫がいいのはわかってる・・だけど・・頼む、姉さん・・瑛里華を救ってくれ・・このままあの状態が続けば・・本当に死ぬかもしれないんだ・・あの美しかった緑の髪の毛も・・もうだんだん薄く薄く・・」
「薄く・・?奇妙ね・・そんな状態になるものじゃないはずだけど・・」
「・・・えっ?でも・・最後に仮死状態にしたのは・・姉さん・・だよね?」
「そう・・仮死状態にしたあの子を・・あなたが背負って・・その時はまだあの髪の毛も・・というよりあの子に老化なんて言葉もなかったわ・・」
喜びを分かち合っていた二人に衝撃の事実、
まさに新事実に驚きが隠せない、
その衝動で灯から離れて体に恐怖がわたり始める。
「な・・なんだってッ?!・・じゃあ・・それじゃあいったいなんなんだッ!?あの病態は明らかにおかしいッ!姉さんじゃなければ・・いったいだれがッ!?」
「・・・わからない・・だけど一つだけ言えるのは・・これは確実にィッ!?」
「姉さんッ!?」
バチィッ!!
突如灯の背後から謎の黒い電撃、
あの灯でさえ気づけなかった背後を狙ったのは一体だれなのか、
灯がぐったりと倒れこみ、
闇裏が見た灯の背後に立っていたの人物・・それは、
頭部は少し茶色とブロンドの混ざりあうロングヘアーに髪の毛は下に向かうごとに髪色を変えて美しくウェーブのロングヘアーを見せる聖女の様な女性、
服装に気品と色気を醸し出していたが、彼女が聖女という事だけは分かった。
だが、あの黒く染まった暗黒の眼差し、
にやりと笑う不気味な微笑み、
闇裏は・・ゾクッと恐怖していた。
「ふふ・・灯様とあろうものが・・まさか油断してしまうとは・・」
「き・・貴様ッ!姉さんに何をしたッ!」
少々気を荒くしながらも恐怖を押し殺し怒りをあらわにする闇裏、
謎の聖女はニタニタ笑いながらこう言った。
「何も・・ふふ・・少しふかーいふかーい眠りについてもらっただけです・・」
「てめぇ・・」
「ああ・・下手に攻撃はしないほうがいいですよ・・私を殺せば・・灯様はお戻りにならない・・それに・・ふふ・・」
「・・チッ!」
「いい子いい子・・よーく分かってますね~・・フフッ・・」
不気味に微笑むその聖女のいわれるがままに闇裏は手さえも出なかった。
闇裏はその手に怒りをぶつけ、痣ができるほどにギュっと手を握った。
「・・・何が目的だ・・貴様」
「ほえ?私の目的は一つですよ・・ノアの破壊神の復活・・あなたは今からそのお手伝いをするんですよ~?」
「ノアの・・破壊神ッ?!」
闇裏の前に現れた聖女が言った交渉はなんと、
その昔、世界を破滅の危機までに追いやったノアの破壊神の復活だった。
だが、闇裏はこの事がどれだけ恐ろしい事かもわかっていた。
それと同時に・・この人物が誰のなのかもわかってしまった。
「・・お前・・お前はッ!!」
「ふふっ・・まあ、ここまで言えばあなたも私に下手に手は出せないでしょう」
「嘘だろ・・あんたと言う人物が・・どうしちまったつうんだよッ!?」
「・・私は・・もとよりノアの破壊神の復活は望んでいましたよ?」
「破壊を望んでいた!?・・嘘だろッ?!だったら大昔あんたらが必死の思いで封印したあの日は嘘だったのかッ!?希望聖様ッ!!」
「・・そう・・あの日は所詮あなた方に一度恐怖を与えるためのデモンストレーションにしかすぎない・・私たちは今度は本当の恐怖を貴方達に教えるのです・・この希望聖 白夜が!」
その夜、平和だった神社と裏腹に、
また一つ・・一つの教団による恐ろしい事件が巻き起ころうとしていとは、
だれも知る由はなかった。
誰も知ることはなかった。
闇裏はこの後どうなってしまうのか、
灯の運命はいかに・・、
この物語の運命は・・どうなるのか、
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