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無限空想世界の幻想的な物語  作者: 幻想卿ユバール
第四章 楽園編
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無限空想世界の幻想的な物語~楽園~ 第11話  「見えぬ傷を負った鶴」

僕はあの時の事をずっと覚えていた。

あの時の事をずっと全ての人たちに恨まれ生きて来た。

それは、全ての人達が傷つかない為にも、

それしか方法が無かったのだ。

そう、それはあの銃を渡された時の話だ。

あの回想の話は、あの銃以降の会話を全てデタラメにごまかしてた。

銀君に矛盾しているなんて言われた時には少し焦ったが、

僕の得意の騙しの感情で逃げ切れていた。

だが、それもどうやらここまでの様だ。

僕はついに、鏡子ちゃんにあの真実を知らてしまうのだ。

そう、銃を渡された時の事だ。


「これはお前の相棒・・」


「そう、ずっとともに私と生きて来た相棒」


「どうしてこれを俺に?」


アルテミスは静かに立ち上がり、

あの綺麗な星々たちを見上げて悲しげな声で言った。


「私はね・・この中に眠る力のせいで多くの人を傷つけてしまうかもしれない」


「どういう事だよ・・ちゃんと説明しろよッ!銃を渡されただけじゃわかんねぇよッ!」


「ハハ・・だよな、父さんはきっと・・遠く離れる事も想定してこんな石ころ私に埋め込んだのかもな・・」


「どういう事だ?」


「コズミックハートは魔力を増幅させて体を永久的に保たせる効力がある、でもその代償として、私の善の心は蝕んでいく」


「・・・ッ!?」


「そうなれば私は悪の人の塊としてこの世を破壊し続ける、父さんは最初っからやっぱり・・娘を破壊兵器にしか思っていなかったんだよ」


「嘘だ・・ッ!嘘だッ!そんなのウソだろッ!?ジョークも大概にしろよッ!そんな無茶苦茶な石がこの世にあってたまるかッ!それならなぜだッ!なぜあんたの親父は今まで・・」


「心を汚し、この体さえも傷つけたか?それは私の善の心を無くすためだよ」


衝撃の真実が次々と突きつけられた。

どんどん心は深い深い闇へと誘われた。

僕は目から流れる涙が、怒りの感情が収まらなかった。


「父さんは破滅願望があったの・・それで私を気づけ、世界を巻き込んで破壊したかったの、それしか考えられないわ」


「だからって・・だからって・・お前がいつまでも苦しむ必要ないだろ?お前がそんな事言う必要ないだろ?お前が・・」


「言葉になってないよ鏡之介、もっとしっかりして?」


「無理だよ・・・ッ!お前のそんな悲しげな顔見てどうしつうんだよッ!そんな顔でこっちを見るなよッ!後の事も全部理解しちまってんだからッ!頼むから見ないでくれェェェッ!」


悲しくも、どこか微笑むアルテミス、

心も感情も傷つき泣き叫ぶ僕、

もう、歯を食いしばっても足りないぐらい、

今、怒りの感情さえも抑えきれない、

今、自分がすべきことが分かってしまっているからだ。

僕のこの様子を見ても、優しく見つめる彼女に対して、

何をすればいいのか分かっているからだ。


「・・鏡之介、お願い・・聞いてくれる?」


「やだ」


「みんなにはごめんなさいてっ、伝えて」


「絶対に嫌だ」


激しく心が抵抗する僕、

それでも優しく語りかけるアルテミス、

静かな神社で、悲しい風が吹き荒れた。


「みんなより先に向こうで待ってるて・・伝えて」


「いやだって言ってるだろッ!」


「今まで楽しい時間をありがとうてっ」


「・・ッ」


「素敵な時間を・・ありがとうてっ」


涙を流し、もう何を言っても止めないアルテミスに、

何も言えずただ聞き入れてしまっている僕がいる。

とっても情けないのは分かっている。

だが、もうそれしか・・それしかできないのだ。


「私はみんなを守る為に、先にいくねてっ伝えてね」


「・・アル・・テミスッ!」


アルテミスは僕の体に近づいて、

両手を僕の体について、体を距離が無くなるまで寄せてこう言った。

優しく、明るく、とても悲しげな声で、

アルテミスは言った。


「鏡之介・・死ぬまで私を恨んで・・卑怯で、卑劣で、最低な私を最後まで恨んで生きて」


「・・恨んでやるさ、お前と言う最低クソ野郎を・・ずっと恨み続けてやるッ!忘れないからな・・ずっとずっと心の中でお前の事を恨み続けてやるからなァァッ!!」


どんなに強く言ってもその泣いた微笑を変えなかった。

僕は力強く怒鳴り散らしたのに、

それに怯える事もせず、ただ、それを聞き入れてくれた。

僕の嘆きを受け入れた。


「鏡之介・・ありがとう・・私、貴方に・・会えて・・良かった・・」


「泣くんじゃねェよ・・泣くんじゃ・・ねぇょ・・ッ!」


「うん、そうだよね・・最期くらい・・笑顔でお別れしないとね」


「ああ、そうだ・・あの世でずっと泣き続けろ、俺に詫び続けろ悲しみ続けろ、俺がいなくなって、みんなの周りから離れた事をずっと詫び続けろ」


「うん・・だから、鏡之介は俺の事をずっと・・ずっと恨んで良いよッ!私、貴方なら一生恨まれても良い、貴方になら人生奪われても良い、だから・・その分・・幸せにね?」


「・・ああ、約束する、必ず幸せになってやるよ」


そうやて最後に抱き合った2人は互いの涙が流れ、

お互いに別れの準備が整った。

アルテミスはゆっくりと、手を放していって、

一歩ずつ後ろへ下がった。

万天の星空、冬風の里最後の星空の中、

この星の中に、アルテミス・・君を加えてあげよう。


「じゃあな・・アルテミス」


「じゃあね・・鏡之介ッ!」


パァァン・・

虚しく鳴り響いた発砲音、

魔法の弾丸は、幻想的はおろか、悲しい物語の幕閉めとして使われることになった。

みんなが憧れた弾丸によって、みんなの憧れたアルテミスは死んだ。

心臓を貫いて、どこまで広がる血の湖を作って、

死んでいく、僕は最後に彼女に駆け寄って、

手を握り締めた。


「・・さようならアルテミス」


「・・さよう・・なら・・しぬの・・こわいな・・でも・・」


ああ、彼女声が聞こえる。

どんどん冷たくなる手を握り締めてもまだ、

彼女は生きてしまった。

辛いだろう、苦しいだろう。

僕は一瞬で彼女を楽にしてあげれなかった。

彼女はまだ苦しそうに微笑んでこちらを向いて優しい声をかけた。


「・・さいごにてをにぎってくれたのが・・きょうのすけでよかった・・うれしいな・・ひとり・・は・・さびしい・・けど・・これ・・で・・さびしく・・ないね・・」


「ああ、そうだろう」


「うん・・だからね・・きょうのすけ・・も・・もし・・くるしく・・なったら・・きょう・・こ・・ちゃ・んといき・・て?ふたり・・ならきっ・・としあわせ・・になれるよ・・」


「うん・・ありが・・とう」


「えへ・・へへ・・さいごに・・これが・・いえ・・てよ・・った」


「・・俺も、アルテミスのその言葉が聞けて良かった」


1人の黒魔女が今、息を引き取った。

虚しく吹き荒れる風の中、アルテミスは死んだ。

もう、あの暖かな温もりはない、

もう、あの優しい瞳は消えたのだ。

僕は、あの体にはめられた石を取って、

その場を後にしようとしたその時だ。


「・・鏡之介?」


「・・鏡子・・ちゃん?」


 ◆


「これが・・一人の自己犠牲による馬鹿みたいな物語」


「・・言うなって・・言ったのに・・」


「ごめんね、でも・・君の辛そうな顔ずっと見ているの辛かったからさ・・」


あまりにも衝撃的な真実で、

あまりの鏡之介さんの不幸な出来事に、

僕は、驚きを隠せない、

僕以上に驚いているのは・・鏡子さんだ。

眼から涙を流して、怯えるようにな目、


「じゃあ・・なんだ・・お前はずっと・・俺らを傷つけない為に・・ずっと・・自分を傷つけて生きて来たのかよ・・?」


「・・ああ、そうだよ・・鏡子ちゃんと幸せになれだなんて虫がいいにもほどがある・・だったら僕は・・君らに恨まれて生きてやると誓った・・特に君に恨みが集中するのは分かってた・・そうなる風に言ったんだから・・」


「・・ふざ・・けんなよ?」


「大真面目だよ」


「ふざけんなァァァッ!!」


鏡子さんが胸倉を掴んでゆさぶりかける。

鏡之介さんのあの薄ら笑い・・いや、泣いている?

両者の泣きが絶えない、泣きながら怒って笑っている?


「ふざけやがって・・ふざけやがって・・」


怒りの声は静かに聞こえた。

それは確かに聞こえた。

泣きながら鏡之介さんに涙を見せて、

今までよりとても悲しい、乙女の顔で泣いた。


「散々・・お前の事を恨んでいたんだぞ・・アルテミスといつも話して・・いつも・・お前の事を話していたアルテミスを・・お前が殺した事をッ!!」


「・・知られたくなかったんだよ・・君がどうせ・・許してしまうから・・僕をね」


「・・許せる・・わけないだろッ!こんな事に・・こんな仲が悪くなるを想定してやったんだろッ!?このまま無茶苦茶になっちゃえばいいてっ・・そう思ってやったんだろッ!」


「ああ・・僕と鏡子ちゃんが仲良くなる資格なんて無い、あまつさえ一人の少女を垂らして最低最悪な結末を迎えさせてしまった僕に・・君と・・幸せになる資格はない」


「だからか?あの時も、あの時も、あの戦争中・・秩序じゃなくて混沌に行った時もッ!ひょこっとお前裏切るし・・いつのまにか秩序側の仲間になってたし・・やっぱ適当に生きてるなって思わせたのも!?」


「それも作戦だよ、君が僕を嫌うためのね」


「・・・最低ッ!最低だよッ!大嫌いだよッ!」


「そうだ・・それでいい」


いいのか、それで・・、

いいのかこれが灯先生の狙っていた事なのか?

これならばまだ言わない方が良かったんじゃないのか?

もう、これじゃあ・・どうしようもないだろ・・。


「銀君・・彼らは・・大嘘つきだね」


「えっ?」


灯先生が静かに声を出した。

それは鋭い一つの言葉だった。


「自己犠牲もいい加減にしろよ・・お前いつまで自分に嘘つくんだよ」


「あ、灯先生ッ!?」


急に声がトゲトゲしくなる灯先生、

鋭く怒り散らす殺気のオーラを増す先生だ。


「うそ?僕が嘘をついている?」


「そうだ、お前はいつもそう・・いきなり私の下に訪ねて来てこの石を原料に不老不死の薬を開発しろだとか・・僕はずっと人に恨まれて生き続けるヘイト係とかいつもそう、お前は本当はこんな苦しみから救われたいくせに・・人から嫌われるのが一番嫌いな癖にッ!強がってんじゃねェよッ!タコッ!」


『タコッ?!』


どんどん言葉づかいが激しくなる灯先生、

でも、どこか・・心に響き渡る。

鏡之介さんから・・悲しみが晴れて来ている。


「もういい、もう・・良いだろッ!いい加減自己犠牲を止めろよッ!自分だけ傷ついて、周りにも何も言わないで・・それでなに?救われた気持ちになってんの?馬鹿だろッ!お前は・・本当に馬鹿ッ!ずっと馬鹿、万年馬鹿ッ!」


「ひでぇ・・言われ様だ・・」


「本当はずっと鏡子ちゃんの事が好きで好きで何回も僕には恋の病があるとか言ってるくせに、ずっとそれもごまかしてるッ!」


「うぉいッ!!それ以上は止めろッ!?」


「鏡子もそうッ!アルテミスと仲を崩したくないとか弱ねを吐いていつも引っ込み思案だったッ!本当は鏡之介の事をずっと守りたいてっ、ずっと隣にいたいてっ言ってた癖にッ!」


「や、ヤメロォォォッ!!」


言いたい放題かこの医者は・・、

それにしても、不思議だ。

ただ、黒歴史を暴露されただけなのに、

彼らは・・自然と元気を取り戻している。


「・・二人とも両想いの癖に・・ずっっっっとそうやってイライラさせてくれたからね・・二人とも思いも言ってることもかぶってんのよ「もし、不幸にさせる事があってもずっと好きでいる、ずっと側で支えてあげたい」てっ・・あーッ!あちぃなーちくしょーッ!!」


「・・・マジカ」


「知らなかった・・」


「・・ええやん、お前ら最高のカップルやん・・付き合えとは言わないけどさ・・仲直り・・しろよ?」


「・・・」


茫然となる2人、

静かに互いを見つめ合って、

何かを感じ取るように、何かを分かり合った様に、

2人はうなずいて、

手を互いに取り合ってこう言った。


「今まで嘘ついて・・ごめん」


「俺も・・嘘いてごめん」


「うん、それでよしよしッ!」


あの目つきも鋭い眼光も消えた鏡子さん、

優しい表情で、鏡之介さんの手を握って微笑んだ。

鏡之介さんも精一杯の微笑で笑って許した。

今まで無かったくらいに力強く、握りしめた。


「・・話はもういいか?」


「ふえ~とても感動的~・・でも・・僕にはなーんもひびきませんねー?」


「ふっ・・そりゃあ・・あんたらの話じゃないからな・・」


「なんだと?」


「ああ、俺達がようやく分かり合う為に・・たどり着いた真相・・」


鋭くにらみ、また体制を取り戻した2人、

今度の二人は・・さっきまでとは違う、

どちらも余裕のある、あの明るい顔つき・・、

2人は仲を取り戻したッ!!


「お前らに一つだけ教えてやる・・嘘つきはな・・いつもこうやって苦しみながら血を吐いてでも嘘を貫ぬこうとする・・なぜかって?それは真実を語れない・・語ってしまえばきっと嘘をつく以上に嫌われると思われてしまうからだ・・嫌われるのが怖いから・・偽りを語ってしまう・・」


「そう、だから嘘つきが自分の口から真実を語るのってとっても難しい事なんだよ・・大きく膨れ上がった嘘に対して・・真実を語るなんてとっても難しい事だ・・それでも・・勇気を出して語っとき・・怒ってでも良いから・・言ってやってくれ、真実を語ってくれて・・本当にありがとうてッ!」


「・・くだらぬ、所詮は偽りをついた事にはかわりはない・・その上で確かに感謝はあるが私ならば許しはしない・・犯罪者は一度犯罪すればきっとまた犯罪する、ならば嘘つきもまた許せば嘘をつく・・ならば一度やった時点で裁くのみッ!」


『それは違うッ!!』


「なんだと?」


シャオランが冷徹に力強く語っても揺るがない二人の言葉、

2人は息を合わせて力強く決意をあらわにした。


「大切なのはそいつを信じて支えてやる事だッ!もし今回がダメでも次しなきゃいいだげたろ!」


「もし次も嘘ついても・・また支えてあげるのよッ!何度でもッ!やめるまで教えてあげるのよッ!」


「くだらない・・くだらないッ!実にくだらないッ!!」


「しゃ、シャオランちゃーん?」


シャオクウが心配になるほどの怒り狂うシャオラン、

何か様子がおかしい・・どうしてだ?


「人間の戯言など無意味だッ!所詮は嘘ッ!所詮はその程度ッ!きれいごとを述べていつもそうやって・・そうやってェェェッ!」


ズゴォォォシャァァンッ!!

大地から吹き荒れる怒りの業火ッ!

一体何が起こっているのだろうか!?

シャオランが目の色を黒く染め赤い瞳で睨み、

先ほどの和の衣装が消え去り、まるで悪に染まる悪魔の様、

両手に槍を持っているのは変わらない、

だが、後ろのアレは・・黒い九尾ッ!?

全体が禍々しく変わったッ!


「奴は・・九尾だったのか!?」


「そうだ・・今更気づいたか?これぞ私の真の姿・・シャオクウも九尾だが・・彼女は普段から隠しているからな」


「い、いえーすッ!ほらほら~モフモフふんわり尻尾~・・」


「そして、私は偉大なる母「シャオリン」様を守るべく今力を出す・・今こそ・・力を発揮する時だッ!我らが最強だと言う事を・・人間どもに教えてくれるッ!」


「・・そりゃあ、おっかねェことだ・・どうする鏡子ちゃん?」


「やるしかないだろ・・いや、やらないとダメなんだ・・この場コイツを止められるのは俺達だけだッ!」


「・・そうだよねッ!」


「かかってこい・・人間ッ!!」


ついに真の姿を現した禍々しい九尾シャオラン、

強い決意を心に秘めて立ち向かう2人、

絆を取り戻した2人はこの戦いに勝つことはできるのか、

不安だが・・僕は・・力強くッ!

2人の勝利を願った。



とぅーびぃこんてぃにゅうッ!


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