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無限空想世界の幻想的な物語  作者: 幻想卿ユバール
第一章 真紅編
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無限空想世界の幻想的な物語~真紅~第5話 「絡み合う血」

どうも、幻想卿ユバールです。

今回は三話目になります!

今回最初の視点が中々長いのですが、

主人公視点も中々に長いですッ!

そしてなんと今回でシリアスが?

かもしれません、では皆様、どうかよろしくおねがいします!

絡み合う血と楔と守るべき者


〇月×日、今日はとても雨が降った。

空はずっと暗く、俺を照らす太陽も無し、

握りしめていた手は人知れずぬくもりが消えていった。

その日は□□□の手を毛布の中に戻した。


〇月□日、今日はとても寒かった。

今日も空は暗く、雨ではないが雪が降り積もる。

外で警備をしていた俺はとても苦痛を味わった。

そんな苦痛も□□□の優しい微笑で全てが吹き飛んだ。


月日不明、今日の雨は止まない

何故だ、止まない、止むことがない

俺は部屋の中、誰もいない家で静かに休む

ああ、君は今どこで何をしているのだろう。

きっとあの時俺に力があれば、君を救えたのだろう。

『すまない、□□□・・』


「・・・日記はここが最後か、こいつもきっと相当追い込まれていたんだな」


雨やまぬ屋敷の個室の中、暇を持て余すように日記を読み漁る執事、それは俺だ。

自分で入れた完璧な紅茶を片手に調べものをする。

何を調べているか、

それは当時起きた『ロンディニア都市・末期』と言う事件についてだ。

簡単に説明しよう、

この事件は特にこれといって特別な事はない、

ただ、不幸で最悪な事故が多発してしまったのだ。

家族は一家心中、

学校の生徒が皆殺し、

狂った殺人鬼が徘徊する。

など、その他危ない事が多発した事件だ。

これに対してロンディニア警察は全力を尽くしたが、

南区を魔術師によって爆破、

これにより残った西区のみで活動する事になった。

そして、現在俺がいるこの屋敷はなんとロンディニア都市西区に存在する屋敷だ。

要するに過去にこの屋敷に住んでいた者の日記だった。

かれこれこういった悲しい生い立ちをいくつも聞いたが、

何もわからない、

分かってはいけないとは思うが、

俺は真実を知りたい、

知ってどうするか?

それは真実にたどり着いてから考えるとしよう。


「とはいえ、屋敷に入ってから生い立ちの話をもう何年聞いた事か、隙あらばこの旧屋敷の地下にもぐりこんでいるが、結果得ているのはみんながどうやって最後死んだかもしくはなんか悲しい事があったかぐらいだ」


もっとこう、大まかに何か無かっただろうか、

戦争中良く知る人物が実は犯人で、

その証拠が残されているとか、


「ま、あるはず無いよな、だって生きてたらそいつは吸血鬼か何かだろうし」


「まあ、ジャック・・」


「吸血鬼ッ!?」


「誰が吸血鬼よ」


「いや、すまない、突然部屋に現れたものだから・・」


びっくりした・・まさか奴が、

リアリナがここにいるとは・・、

ふと横を向いているのはただのメイド長、

そう、他愛もないメイド長じゃないか脅かしやがって、


「何しに来たクソッたれメイド」


「口がずいぶん下品ね、ジャック」


「当たり前だ、朝も昼も連敗と来ればそりゃあ地下に引きこもるつうの」


「何もこんな貧相な場所に来なくても・・仕事も無いなら部屋で泣き寝入りすればいいじゃない」


「誰も泣き寝入りしたいからなんて言ってねェッ!」


調子が崩れる、こいつといつもいると調子が崩れる、

もう、早いところお帰り願おう、


「用が無いならさっさと出ていけ、俺は忙しい」


「あら残念、せっかくあなたの大好きなマカロンを差し入れに来たのだけれど・・」


「何ッマカロンだとッ!?」


「すごい食いつきぷりね、ほしい?」


「当たり前だッ!俺は生きている内でそいつが大好きな物ベスト3に入るくらい好きだッ!」


「(どんだけ好きなのよ・・マカロン)」


やはり調子が狂ってしまうな、

あいつはいつも俺にちょっかいとプライドほへし折るだけの人間かと思ったが、

たまにはできるじゃないかメイド長、

この色とりどりのマカロンがまさに俺に食べてほしいと語りかけるぐらいおいしそうだ。

俺は日記漁りとかいう終始くだらない事を止めて、

リアリナの作ったマカロンを食べることにした。


「ではいただくとしようじゃないか、見せてもらおうか・・メイド長の実力とやらを・・」


「ええ、どうぞ、結構自信作だから、あなたも満足なはずよ」


籠の中にある一つ一つ丁寧に作られたマカロンを一つ親指と中指でひょいッとつまみ、

口の中に入れる、そしてそこから広がる甘い・・


「甘い・・あれ?」


「どう?おいしい?」


「こ、これは・・か、かか」


「どうしたの?」


「ものすごくからッッいッ!!」


思わず机をドンッと叩いてしまった。

それはさながらうっかり一ミスをしてしまったプロの人の様に、

しかし、この辛さはまるで世界の終りを意味しそうなぐらい激痛の殺人マカロンだ、

食べなれていた俺が食わなければ素人ならばこれは死んでいる。


「・・つか、てめぇが作った奴かこれ・・」


「そ、そうよ!失礼しちゃうわッ!」


「いや、失礼も何も、毎回お前の料理食って死にかけてるこっちの身にもなれって」


「そんなのあなただけよ、他の子たちは「天にも昇る気分」とか「ここが天国」とか言ってほほ笑んでたわよ?」


「それ多分意味が全く違うでございますマッドクッキングメイド長」


「そうかしら?」


「そうだよ」


思えば自信作と言う言葉に思いとどまるべきだった。

いつもと違い無駄に気が利くのとマカロンのダブルパンチで疑う事がおろそかになってしまった。

クソッ!俺のバカ野郎ッ!


「それにしても今回も失敗だなんて・・面目ないわね」


「まったくだ、てめぇの料理はなんだかんだ毎回食っているが、いつもひでぇぞ、溶けるインスタントラーメン、ものすごく甘いカレー、究極胃袋破壊レア焼きステーキ、暗黒おにぎり、虹色モンブラン、そしてこのロシアンルーレットマカロン、全部ひどいッ!特にこの前食ったゲテモノスープは病室がいっぱいになったんだぞッ!」


「うう・・ごめんなさい・・」


「肩書きは完璧メイド長だが・・料理を除けばの話だッ」


「・・そう、だから料理ができるあなたが羨ましいてっ、いつも思う、この前も、夜の時間が無かった時に一人で二十人近くの料理を捌いたわ、あの時は完敗だったわ・・」


「ほお・・お前にしては人の恩を忘れてないとは驚きだ」


「あなたの料理はおいしいし、とても好きだからね」


「んだよ、気持ち悪い」


「(あれ、怒ってる?そんな事ないよね・・)」


それにしてもこのメイド長、全く読めない、

思えばいつも謎行動が多かった。

昔は大人しかったイメージが強かったのに、

急に注目を集めた、それは俺が執事になったあの日から、

もしや、対抗心と言うやつだろうか?

いや、それは俺の方だろう、

いつもこいつに負けるかもしれない勝負を吹っかけて負けている俺の方が対抗心はあるはず、

ならなんだ、なぜここまで俺の側でなにかしたがる。


「(わかんねえ・・何を考えているのか・・あの純粋な瞳に何か隠されているのか?)」


「(なんだろう、さっきからずっと私を睨んでる・・なんかやったかな私・・)」


「(つか、こいつてっ人だよな、知識はそれなりにあるんだが・・あれ、じゃあ料理だってできはず・・)」


「(なんだかずっと見られると恥ずかしいですね・・そんな凛々しい目で私を・・)」


「・・なんか顔赤くない?」


「えッ?ああッ!これはその・・なんでもないッ!ですッ!」


「ぐぉっッ!!?てめぇ・・いきなり人の顔にナイフを刺す奴が・・」


「ああ、手が滑った・・」


今の早業は絶対手は滑ってない、

むしろ通常運転だったろうがッ!


「もうしわけありません、なんだかあなたに突然そんな事を言われて投げたくなりました・・」


「口も滑ってんぞッ!」


「お詫びとしてして一つ質問が・・」


「(それお詫びなのか!?)」


「まあ、単刀直入に言いますと・・お嬢様の件について」


「・・ああ、その事か」


その時だ、この部屋の空気、この瞬間に漂う悪臭、

リアリナの一言によって全てが変わった。

風だ、吹いていた風すらが止むぐらい、

この部屋はこの言葉によって変わってしまった。

フリーダムでコメディなムードは一転、

すっかりシリアスなムードへと逆転した。


「まあ、なんださっきからずっと立ってたしその辺に座れ」


「・・はい」


リアリナがあの明るかった表情を一気に冷たく凍らせる。

真剣な表情でこちらを見つめる。

ボロボロの干からびているベッドの上で静かに座り、

こちらを見つめる。

それに対して答えるべく、俺も静かに物事を語り始める。


「まず、その件に関して重要な事が三つ判明した、一つは現在の家主の正体についてだ、奴はおそらく【ロンディニア都市・末期】に存在した者である事だ、謎の仮面は現在から大分時の経った物だと推測、なぜなら若干だが鉄部分がはがれていた、次に白く長い銀髪について、俺が近くで観察した感想だが、とても30代前半の輝きとは思えない、あったとしても若すぎる、まるで10代前半の輝きだ・・そして、手に持っているあの禍々しい杖だが、あれをちょいと調べさせてもらった所「かなり丈夫な素材」と「100年使用され続けた魔力の跡」がわかった」


「それは何か関係あるのかしら?」


「さあな、なんとも言えねぇな、ただ、奴がクソッ長生きだってのは一目瞭然だ、あとは素材がわかればいいんだが」


「まあ、それは後で解析の続きをすればいいと思うわ、それであとは?」


「一つ目は以上だ、正体と言っても結局真相と本名がはっきりはしなかったが、しいて言うなら・・吸血鬼だというところだろう」


「・・・ッ!」


目つきが一気に変わった。

手をギュっと握りしめている、おそらく怒りの感情を我慢しているのだろう。


「言いたい事はわかる、だがそれは3つ全てを聞いてからにしろ」


「・・わかりました」


「それでは2つ目、これは俺の調べ上げたあいつらしき人物が取り上げられた記事、そして日記だ、これは数年前の事件で題名は【ロンディニアの白銀女帝、部下と共に行方を晦ます】この時行方不明になった軍の総司令『ヴィハラ』は若くして20代後半の者とみられていたらしい、この時は特に吸血鬼と言う噂は無い、次にさらに数年前【ロンディニアの悪女末期の中で活き活きと】と言う記事、この記事で取り上げられたのは当時悪の町でなぜか遊び生きた悪銀の女『ジータ』、この女性は10代後半にしてこの末期のさなか大富豪としてロンディニアに居座っていたらしい、この時も吸血鬼としての噂は無し、続けてその数カ月前【セベット都市最大の最悪の事件、市民全滅犯人は風銀の殺人鬼】だ、これは当時仮面をつけた銀髪の女性がこの遠い遠い大陸の国を襲った事件だ、これについては当時もう一つの事件である【許されざる吸血鬼エミリア】と言うのが関わっている可能性がある、当時有名な吸血鬼の家庭【ウィルコンティ家】の先代であるエミリア氏は夫が死んだ悲しみで小さな村にいる市民を全員殺したらしい、と言う事で俺が推測するにこのエミリアが風銀の殺人鬼ではないかと推測、猿でもわかりそうだがな」


「・・質問いいかしら?」


「なんだ?」


俺が狭い個室を行ったり来たりぐるぐるとまるで事件解説でもしているかの如く語っていると、

リアリナが鋭い声でこちらに話しかけてくる、


「すべての人物に銀が付いている事・・そしてなぜあの子の苗字がここに?」


「まあ、それに関してはもう少し待て、それを話すにあたって仕上げがある、良いな?」


「・・・わかったわ」


「では、続き、そろそろ目がしんどいだろうが我慢しろもう少しだ、これは当時幼少期の【エミリア・ウィルコンティ】の日記だ、かなりボロボロだがギリギリ解読できた場所から簡単に訳を言うから聞いとけ」


『月日不明、今日はピアノ発表会!

お客様が沢山来るホールを舞台に

私は芸術を語るの!』


『月日不明、あの悲しみが忘れられない

どうして私の夢は儚く散ってしまったのか

どうして私の舞台は赤く染まってしまったのか

優しい父や母は私の目の前で・・ああ、やめて・・助けの声はもう聴きたくない』


「日記はこれで終わった、ここから察するにおそらく演奏会はとんだ恐怖のパーリィーナイトに変化してましったのだろう、子供の時の感想にしてはとてもしっかりとしていたから直しやすかったぜ」


「悲しい生い立ちね」


「そう、そうしてこれが成長後のエミリア氏の日記」


『月日不明、私はあの日の不幸を忘れる為に必死になっていた、

だがそんな事はもうどうでも良い、今はただこのバジェットと

幸せに暮らしていたい、私はただそう強く願うのだった。』


『月日不明、あの忌々しい娘と娘の夫が私たちが反乱をしてきた

おかげでバジェットと私はこの国を追放されてしまった

人はいつもいつも私を味方しない、金の亡者め』


『月日不明、とうとうバジェットが他界してしまった

私は深い悲しみに堕ちた、この妬み恨みを晴らすべく

人間どもに私の恐ろしさを、吸血鬼の恐ろしさを

見せてやろうッ!!』


『月日不明、あの娘をついに葬った、やったぞ

私はついに復讐をはたした、だがまだたりない

まだ吸血鬼としての異名が戻らい今、

私はこの名をどうにかして取り戻さなくては

・・そういえば遠い国でもう一つ種族の異なる

吸血鬼が存在したな、そこを乗っ取れないだろうか』


「以上、この後はぐしゃぐしゃで見れやしねぇ」


「・・・真相がこんなにも・・こんなにも・・」


「驚きを隠せないのは無理もない、まさかお前が苦労して探してた真相がここまで念入りに計画されていたファンタジーでメルヘンなストーリーだとは思うまい」


「許せない・・自分の目的の為だけに・・お嬢様を・・」


「俺はちょうどその謎の入れ替わり事件の時に来たからな、詳しくは知らないが・・この事件を調べるのを手伝ったのもちょうど1年半前、長かったがようやくこの事件とやらの発端にたどり着けたな」


「ええ、あとは・・お嬢様の居場所を・・突き止めるだけですッ!」


怒りをもった女が恐ろしいと思ったのはこれが初めてだ、

一見冷静に見えて周囲に漂うオーラは怒りまっさかさま、

大好きな大好きな忠誠を誓ったお嬢様が監禁されていて、

さらには洗脳もされているわけでもないのに無理やりコキ使われていたとなれば、

そりゃあ、お怒りですよね、ええ、


「まあ、ここまで良く聞いたな」


「ええ、怒りが無ければまだまだ気になる点はいくつもありますが・・まずはお嬢様を救ってからですッ!」


「ああ、安心しろ、それが3つ目だ」


「おっしゃぁッ!!これであのクソッたれ女しばくぞッ!」


「(そろそろキャラが崩壊してるからさっさと教えよう・・・)その場所だが、この日記に書いてあった・・」


その時だ、ここまでなんの変哲もなく、

ただひたすらに語っていた静かな部屋の上からなんと、

ズドォォォォォォォンッ!!

屋敷の地下が大きく蠢くくらい大きな物音が鳴り響く、

それは突然、それは唐突に起きた出来事だ。


「何事!?」


「う、上からですね!」


「・・リアリナ・・こりゃあ・・やべぇぞ」


「へっ!?なんでですか!?」


「俺が今言おうとした部屋だが・・ちょうどこの上の2階だ・・」


「早く言えよッ!!」


「無茶言うなやッ!」


唐突の出来事に対処しきれない2人、

当然だ、そりゃあ今日真相を明かす部屋が突然爆音聞こえるよ、

なんて誰も予測できない、できるはずがない、

出来てたまるか、


「とにかく、行くぞッ!今ならまだ間に合うッ!」


「そうですねッ!とりあえず2階へッ!」


ドタバタと慌てつつも、すぐにこの個室のドアを開けて廊下へ出た。

しかし、俺達が2階へ行こうとしたその時だ、


「なん・・だと!?」


「これは・・あなた達ッ!」


大量のメイドと使用人、殺意の眼でこちらを見てくる。

これは、この家主に操られてここに来たというわけか、


「どうやら、見抜かれていたらしいな・・」


「その様ね・・でも、残念だけど・・たとえあなた達が相手でも容赦はしないわ、覚悟しなさい!」


「時間はかけてらんねぇ、5秒で片付けるぞッ!」


「はいッ!お嬢様の為にも!」


俺達は大量の使用人を前に一歩も引かず、

戦闘へと移った、明日を生きるためにも、

リアリナの望んだ、主君を取り返すためにも、

俺たち日常を取り返す戦いが今、始まるッ!



とぅーびぃーこんてぃにゅー

色々危なくていつ消されるのか心配になりますね、

幻想卿ユバールです!

特に面白くなくてすいません

ここからだんだん面白くしていきたいと思ってます!

次回はバトル描写を多めに盛り込んで行きます!

どうか、よろしくお願いします!

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