無限空想世界の幻想的な物語~楽園~ 第2話 「迷い無き一撃」
これまでの銀の旅は?
山を登るべく夏風の里を訪れる銀、
しかしうっかりミスして今回のデータが消える始末、
やっちまったぜテヘペロクリティカル、
精神に多大なダメージを負いながらもなんとか執筆する作者、
そんな中、神社を訪れて見るとそこには白鶴鏡之介と炎天山鏡子の姿があった。
2人の仲裁にはいったのだが、なんやかんやで団子を食う事になった。
その団子屋で何故か夜桜と柘榴と再会、なんだかカオスになって来た雰囲気だった。
そんな中、団子屋でドロボーをしかけていた幼女に何故かネタを披露する夜桜、
フードをかぶった少女を狙う謎の兵隊、
それすら簡単にねじ伏せる鏡子、
彼らはまた厄介な旅路になりそうだと思いながら事を進めるのだった。
「あらすじがわけが分からないのは仕様です」
「しよ・・う?」
「ああ、君は気にしなくって良いんだよ?」
銀は前回助けた少女と事情聴取している所だった。
フードをかぶった少女の実態は一体何者なのか、
一同の中でも落ち着きはある銀が優しく声をかける。
「とりあえず・・名前言った方がいいよね、僕はシルバー・ウィルコンティ、ガーネット邸で使用人をしている者さ」
「僕様が世界三大魔術師の1人、元混沌の四天王、数々の異名を持った白鶴鏡之介だよ?気軽に白鶴さんとでも呼んでくれたまえ」
「俺は炎天山 鏡子」
「鏡子ちゃーん、自己紹介ぐらいもうちょいひねったら?」
「自己紹介にぐちゃごちゃとなんだかんだ言っても仕方がないだろう」
「そうかもしれんけどなー」
白鶴と鏡子は知り合い故にこんなに仲良くおしゃべりができる。
例え鏡子がいくら冷たくっても、
白鶴は喋るのを止めないのだ。
一方は楽しそうなのに、もう片方はとても冷徹、
実にどうでも良いが、何か矛盾している。
「で、君の名前は?」
「わた・・わたしは・・わたた・・」
「どうしたの?」
「恐らく緊張して喋れんじゃないの?」
「それはあり得る、こんなひ弱そうな奴にありがちだろうな」
3人が分かってないから特別通訳すると、
先ほどの戦いぷりっを見て実は内心凄いビビっているッ!
がくがくぶるぶると震えているのは次は自分がやられるのではないのかと言う不安である。
「じゃあ、主に鏡子ちゃんのせいですね」
「なんで俺のせいなんだよ」
「鏡子ちゃんが戦ってたし、そうだよねー?」
「うにゅぃ?!」
「子供に同意を求めてんじゃねぇぞッ!つか、お前もそんなフード被ってないでいい加減素顔見せろッ!!」
「うわぁーッ!!」
「あー、鏡子ちゃん、そんな乱暴にフードはがすと変態みたいにみられるから・・」
鏡子と少女の事案はこのまま法廷へと移るかと思われたその時、
鏡子がじれったいと思ってフードをガバッと下すと、
そこで彼らが見た物はなんと猫耳の少女だったッ!
しかも獣耳ッ!
そう、この少女はもう君たちは分かったかもしれないがプロローグに出て来たあの少女、
神社 美華だ、なぜこんな所にいるのかは不明だが、
今はフードを下ろされて耳を必死に抑えながら2本の猫の尻尾をフリフリとしている。
つまり恥ずかしいのである。
「み、見ないでくださいッ!」
「・・・猫?」
「鏡子ちゃん、どうすんの?」
「食うか」
「ひぇぇぇッ?!」
「消そうとしてるッ!?この期に及んで消そうとしている?!」
「いや、もうどう対処したらいいのか俺分からんくて、つい頭が錯乱した」
一同困惑、これはどうしたらいいものかと落ち着く事が出来ない有様である。
ともあれ、一旦状況を整理するため、
美華と銀達はしばらくご機嫌取りと言うの名の信頼を取り戻す会話が続いた。
そしてしばらくして数分後、
「じゃあ、つまり・・お前は人獣と言う奴か」
「はい、猫と人のハーフ・・正確には式神の類なんで、化け猫でも良いんですが・・」
もじもじとまだ慣れてはいないが話す事に大分抵抗の消えた美華、
どうやら長い説得の甲斐あってどういう人物なのか知る事が出来た。
彼女は説明不要だが神社 美華、
猫と人のハーフの人獣である。
髪の毛がさらさらしているようで、どこかふさふさしている。
容姿はどこか都会の様なこことはまた別の雰囲気を漂わせている。
どうも、幼い頃から人見知りだったり、
ある事件の発端から人嫌いが激しいらしい、
「みんな人獣だの、厄病神だのって言ってこの耳や私を見るたんび言うから・・嫌われないようにと・・」
「しかし、あのガスマスクはお前を求めていた感じをしたが?」
「それは私の力を求めているからですよ、式神と契約すれば両者共に強い力を手に入れますから・・ここ最近になって奴らは平気でうろつけるようになったらしいですからね」
分からない人たちに説明しよう、
なぜこの少女はここまでおどおどした性格でいるのか、
それはすべては世間の風、密猟者に狙われる毎日がとても嫌だからだ。
密猟に関しては今に始まった事ではないが、
彼女は式神としてはかなりの効力もち、
契約を交わせば凄まじい戦力となるだろう。
「えっ、アレ平気でうろついちゃいけないの?」
「あー、銀君は知らんのね、アレは本来この里に入れないはずの【密猟者】の様な存在とでも言っておこう、当然だけどそんな輩入れない様になっているんだけど・・ちょっとした事件があってね」
「ちょっとした事件?」
「あの密猟者てっ実はつい最近どっかの都会から来た組織の密猟者でね、ここ最近で【巫女様】がドジ踏んでこの里の土地を受け渡すとか言う馬鹿しでかしたのだ」
「ああ・・」
「んで、馬鹿やらかした挙句の果てにそいつらってアビスだったらしいのさ、でもアビスだけじゃなくて本当に密猟の組織に売ってたらしいからね、要するに奴ら結託してたのさ」
「うわ・・」
「結論から言うと、この里は今はアビスと密猟連合による自由の世紀末と言ったところか・・アビス以外も動いているらしいからね・・まあ、ほぼ巫女が悪い」
「巫女って悪い奴だなー」
軽く話されているがこの巫女は現在も世界を救うため日々努力している【詳しくは外伝の魔章を参照】
こんな感じに軽く馬鹿にされているからみんなからあまり努力の成果は伝わらない悲しみである。
「これじゃあ美華ちゃんが可哀想だしなんとかならんもんかね?」
「僕様じゃどうにもならんね、大量の資金がアレば密猟者共の手切れ金になるらしいけど・・」
「そんなもん俺でも用意はできんな、いくらギャングと言えど大資金集めんのに何年かかると思ってやがる」
「ちなみにいくら必要なの?」
「3億あればいいんじゃない?」
「3億!?僕の給料の何年分ッ?!」
意外ッ!
それは過酷な現実ッ!
これには銀は驚きを隠せず指を何回も折り返すほどだッ!
「ここの土地高いからね~それと人獣てっよく人身売買される時に高値でやり取りされてるらしいよ、興味ないけど」
「無理はねぇな、コイツとかさっきも言ってたが式神なんだろ?幼い式神てっ結構狙われやすいからな」
「うーむ、許せん奴らだ」
これには流石に重い腰を上げる銀だったが助けられないのであればこちらか手の出しようが無かった。
方法がアレば殴り込みに行くレベルだったのだが、
無いのであれば流石にいつものように主人公キタキタキタよーと言いながら、
突撃お前が今日の晩御飯と言うわけにもいくまい、
銀は深く悩んでいた。
「あわわッ!でででもっ!そこまで考えてもらわなくても・・所詮私達人獣が一人二人の犠牲で済むならそれでもかまいませんッ!」
「良くないッ!君の様なか弱い子を玩具にして遊ぶ奴らが許せんのだよッ!」
自分の為にそこまで必死にならなくてもいいと、
そう言ってあわただしく言う美華だが、
この男は自分の許せない事は堂々と嫌だと言う男だ。
ビシッと言える時は言えるのである。
この様にいつも威勢よくいてほしい物だと弟は語る。
「シルバーさん・・(どうしよう・・本当は助けてもらいたい・・でも迷惑かかるの嫌だし・・)」
「(むっ?これはこの子心のSOS・・やっぱり内心助けてもらいたいんじゃないかッ!)」
説明しよう、銀はおばあちゃんの血を吸って生きている事により、
おばあちゃんの能力で近くにいるとても悲痛な救難の声が聞こえるようになっているッ!
詳しくは真紅編を見ようッ!
そして、この能力で救難の声を聴いて銀が考え付いた答えは・・。
「・・とりあえず、この子を神社に連れて行きませんか?あそこなら多分安全ですし」
「確かに一番無難だね、心愛なら上手い事やってくれるでしょうよ」
「んじゃあ、心愛の野郎に届けに行くか」
「美華ちゃんもそれでいい?」
「あ、はいッ!どの道しばらくは隠れていたかったし・・あそこの神社に用事がありましたから・・」
「ちょうどいいじゃん、なおさら行くべきだね」
「じゃあ決まりだね~」
こうして、スムーズに話は進行して、
銀達は美華と神社に向かう事にした。
道中の密猟者もお得意の殺人オーラやからまれたら、
RPGさながらのコマンド入力でテキパキ冒険はスムーズに進む、
正直手抜きだが、道中の事を小説でグダグダ書くのは読んでるとダレルかららしい、
なんのことだがさっぱりだが、特にピンチも無く神社へと着いた。
「さーて、後はこの階段の上だね」
『やいてめえッ!薄情したらどうだぁ!?』
『知らんもんは知らんと言っているだろうッ!』
しかし、神社に着いた途端に様子がおかしい、
これはどうやら事件の匂いだろう。
怒鳴り去られる野太い男性の声、
そして騒ぎ立てる心愛の声、
嫌な予感がすると一同が無言のアイコンタクトを取りつつ、
そっと、階段から見えない位置からコソコソと様子を見る。
するとどうだろう、多くの先ほどの迷彩の軍兵と絵に描いた様なデブが神様に銃を向けている。
異様な光景だ。
「(野郎、さっきの連中だよッ!)」
「(神様も今の状況理解してるから下手に手を出せないの分かってんなアレ、キッタネェ・・)」
神様は威勢よく立ってはいるが、
どこか内心助けを求めている声も聞こえる。
特に銀には少しだがその声が聞こえた。
「何度も言うが・・我が神社に猫の式神は来ていない、おとなしく立ち去れッ!」
「やーだよッ!俺様だってノー収穫じゃあ、闇裏様に怒られちまうッ!だったらんYOUッ!せめて収穫はしなきゃな・・グへへッ!」
「ほう・・良い度胸だな・・神である私にそのような真似が通じるかな?」
神は袖から槍を出して戦闘体勢に入るしかし、
デブ男はそれをもろともせず、声を強く吐く、
「わかんねぇ神様だな・・アンタが暴れたら今度は里に徘徊している奴らが動いて里全員で・・後はどうなるかわかるよな?神様・・グへへッ!」
「チッ・・ゲスが・・」
「分かったらとっととその身に入っている力抜いてもらおうか・・」
「・・・ッ」
「イヒヒッ!分かってんじゃねェかッ!オラッ!」
「グ・・ッ!!」
神様はデブ男に強く顔を殴られる。
太い二の腕だ、とても痛くあの小さな体への負担はデカイだろう。
「(アイツッ!!)」
「(待てッ!下手に出るんじゃないッ!)」
ここはサッといつものように出て助けてあげたいが、
今出たら里への被害は尋常ではない、
苦しいが、ここは見守る事しかできない、
悲しい現実を目の当たりにする一向だった。
「・・クソが」
「なんだって?今クソがとか聞こえたけど・・それは俺様にいったのかい?譲ちゃん?」
神の衣服の胸倉を掴んで苦しむ心愛の小さな体を乱暴に揺らす。
デフの男は強く態度に出すと、心愛も強く態度を持ち続けた。
「お前に言ったんだよ・・このクソデブ、ここはな神聖な神社なんだ・・駄目巫女と言われたあいつが守って来た神聖な神社、ワシが信じた聖奈が守って来た神社だ・・お前らゲスなんかに汚させはしないッ!」
「みっともねえ・・抵抗せずさっさと降伏すればいいのによ・・言ってみろよ俺様の下でこれからは忠誠を誓いますてな」
「これからも貴様の下に行こうが私は忠誠は誓わないッ!私が許しを得た人間はアイツだけだ、アイツ意外の物になるものかッ!」
「うるせぇぇッ!!」
「グァ・・ッ!!」
今度は小さな腹にめり込むように一撃、
あまりの激痛に眼から涙を流し、
眼から光が消え始める。
意識が遠くのほど肉体は弱かった。
なのになぜ、そこまでするのか、
それは銀達や美華が疑問にすら感じるほど、
生々しい光景だった。
「・・ガハッ・・ガハッ・・」
心愛は気を失いながらも地面へと叩きつけられ、
顔を足で踏み倒され、もはや抵抗の余地すらなくなる。
ボロボロの体と薄れゆく意識の中最後に思った事など、
きっとこいつには届いていないのだろうと、
心愛は心の中で思っていた。
「オラオラッ!どうしたどうしたッ!?さっきまでの威勢はッ!」
「・・・(死んじゃうのかな・・神様なのに・・)」
「抵抗するんじゃねぇのかよッ!」
「・・(長い人生だったな・・色んな事があったな・・・アイツ元気にしてるかな、ご飯ちゃんと食べてるかな・・魔王だけで大丈夫かな・・でももう心配しなくてもいいよね)」
「チッ・・ぶっ壊れちまった、おい、こいつの頭持って帰ろうぜ、武器よこせッ!」
「・・(ああ、辛かった、しんどかった・・もう何も考えなくてすむんだ、これでもう全てが終わるんだ・・今行くよ・・聖奈・・)」
「さようなら・・哀れな・・」
「ふさげてんじゃねぇぞこの腐れ外道ッッ!!」
バァァァンッ!!
絶望を抱いていた神を一瞬で眼に光を戻すほどの衝撃の一撃の拳を放つ男の姿が、
この神社にいた者全てに見えた。
それはシルバー・ウィルコンティだったッ!!
あの体格すらおまけと言わざる終えないほどの力強い一撃で、
細いはずの腕から放たれる強力な怒りの鉄拳ッ!
デブの男は地面を抉り飛んでゆくッ!
何故この場でもう我慢できなってしまったのか?
決まっている、銀だからであるッ!
次回へと続く・・
感想
やはりグダグダ・・なんだろうなーと反省、
ナレーションシステム導入してみたけどこれもしかして足引っ張ってる?
と少し後悔気味、
さて、今回は5000文字に近い感じで区切ってみました。
効果のほどがどれだけ出てるかわかりませんが、
よろしくおねがいしますッ!




