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無限空想世界の幻想的な物語  作者: 幻想卿ユバール
外伝その1
52/150

無限空想世界の幻想的な物語~外伝~ 魔章1  「魔王と巫女」

始めに

この物語は本編【夜桜編】を見ているともっと楽しめます。

まだ見ていない人は先にそちらを見ていただけると幸いです。

この物語を読む諸君らに問う、『異世界』と言うのを知っているだろうか?

分かりやすく言うのなら、『未知の世界』だ。

現実にはいない人種や動物たちがいる世界、

色んな風景がごっちゃになった世界、

色んな魔法や剣が飛び交う世界、

そんな感じのが異世界、

何故そんな話をするのか?

それはここが異世界だから、

これから君たちが知るのは現実無視の超絶非現実の物語、

与えられるのは絶望か希望か、

それは最後までのお楽しみ、


「と言う・・感じにまとめて見ましたッ!いかがでしょうッ!」


「うん、つまらん・・実につまらんぞ出雲」


「そ、そんなーッ!!私、かなり頑張って書いたんですよッ!?」


「いや、もういいよ、もう飽きたこの序盤からちょっとこれから盛大に始まるよー的な流れを作って盛大に何も始まらないやーつ・・何回目?このくだり何回目てっワシ思った」


「うう・・ぐうの音も出ません・・」


時は異世界の朝、

ここは和の風景を忠実に再現させた里、

古きレトロチックでちょっと観光にいかが?

と言う感じのテーマで最近ノリに乗って・・いるわけでも無いけど、

とにかくそんな文化を大切に思う里、みんなは昔から『夏風の里』と言った。

そんな夏風の里に古くからある神社、ここ『夏風神社』を代々守っている家系、

それこそ私三代目出雲家当主『出雲(いずも) 翡翠(ひすい)』です。

緑の髪の毛をながーくふわふわとなびかせ、

白いく青い巫女衣装をいつも着てこの神社の信徒を集めています。

巫女服と言うより袖は振袖に近いですし、

なんだか現代的な意識も高いですが、

あと、なんだかチラリズムを意識した服とこのスリットスカートモドキが恥ずかしいです。

デザインしたのと作ったのは何とかウィルなにコンティとか言ってましたがゆるせん、

・・ですが、私は正式な跡取りでは無くまだ見習い、

その為この世界流通である魔法、能力、力等がまだ完全に仕えないと言う有様、

おかげで里の人たちに支えてもらう情けない姿をいつも見せています。

日々立派な巫女になるため神社で修練に励みます。

その師匠とも呼ばれる存在こそ我が家の神様『姫蛇風(きじゃかぜ) 心愛(ここな)』さん、

金髪のサラサラストレートロングヘアー、

ぶかぶかのそで衣装、ワンピースと言ったらわかるだろうか、

そんな感じの神々しいオーラ漂う服装の神様です。

幼女の様な可愛い見た目、可愛いじっとりな目、絶壁、低身長、

どこからどう見ても幼体ですがこれでも長年生きた神様です。

・・見た目なら百パーセント可愛いですが、

どこか達観的性格、冷徹な考え、毒舌、ゴミを見るような死んだ目つき、

見た目に反してとてもギャップが激しい人です。

私はいま畳でその人の目の前で正座しながら説教されていた最中でした。


「おい、聞いているのか駄目巫女」


「だ、駄目巫女ッ!?私の事ですか!?」


「そうだよ、お前の事だよ駄目巫女、お前がいつも努力せずして信徒を集める方法とか読んでるからこんな世界をろくに語れない出来損ないのプロローグへんてこクソリプ風あらすじ書いちまうんだよッ!」


「ひ、ひどいッ!昨日徹夜で書いたのにッ!心愛さんがこの世界の事を書けと言うから書いたんですよッ!」


「こんなの湯葉好きでも書けるわッ!この低能駄目巫女ッ!」


「なんか増えたッ!悪口増えたッ!」


この様にドジを踏んでいつも怒られます。

私ももっと立派になって怒らせない努力をしたい・・、


「この分だとお前あれじゃぞ、そろそろワシもお前に別の仕事与えようと考えるぞ、たとえば風俗とか」


「なぜ風俗ッ!?」


「うるせぇ、その無駄な肉の魔物使える仕事はそれくらいしかあるまいよ、精々変態信徒でも集めろ」


「この上なくゲスな上に本末転倒も良い所ですよッ!それもう巫女関係ないしッ!」


「三代目がお前の様な駄目巫女のせいで神社と里の危機にさらされとんじゃボケッ!見ろこれをッ!」


そう言ってバッと袖から取り出す悪臭のオーラ漂う紙、

そう、契約書である。

なんの契約書かって?

それはこの里の契約書である。

何故私達がこの里の巫女を代々ついでいるか、

それは事の発端を簡単に説明せざる負えまい、

この里は出雲家が仕切る土地となっており、

神社はこの里の動力源でもある、その力もあって、

レトロな雰囲気なこの町は常に暖かな生活が約束されている。

理由は神社にある輝く緑の石『大樹の夏翡翠』と言う動力石があるから、

この里一帯を豊か過ごさせる力があり、

農作から商業が成功しやすくもある。

はずなのだが、これを狙いに来る役人とやらもいる。

最近海を越えてやってくる不敬者だ。

都会に移植させてほしいとの事だが断固拒否、

私は立派に何人ものこの役人どもを追い払う事に成功・・したはずだった。

夜の飲み屋でいつものように宴会に参加していた私は、

おだてられて渡された紙に調子をぶっこいて名前を書いてしまった。

結果、今の燦々たる有様になっている。

30日以内にこの契約書を破棄できる大金が無ければこの里は消えてしまう。


「だ、だってッ!まさか里の人に化ける役人だなんて思いませんでしたしッ!」


「言い訳するかッ!この戯けッ!お前がもっと酒にベロンベロンに酔わされてなければこんな目にはならんかったわッ!ワシあの時畜生コイツ台無しにしやがったと思ったわッ!」


「で、でもッ!」


「でももクソもあるかッ!駄目巫女ッ!お前はいつもそうだッ!この絶望の契約書はお前の人生そのものだッ!お前はいつも失敗ばかりだッ!剣がカッコイイとか言うから稽古してやってんのに何一つ基礎を覚えようとしないッ!」


「うっ・・うぅ・・」


「お前は愛されているが愛した者はいない」


「うわーッ!なんだよーッ!バカーッ!絶壁神ッ!見た目だけなら男を騙す究極の悪魔ッ!冷酷幼女ッ!」


「良いから悪口言ってる暇あったら金持ってこーいッ!!」


「すいませぇぇんッ!!」


いつもこのように私はドジを踏んでばかり、

大体最終的にはこんな感じに神社の外に放り投げられます。

あの神様いつか絶対見返してやる・・ッ、

そう心に誓いながら結局里のお手伝いでお金を稼ぐ日々が続いていました。

ああ、この流れはたぶんこの倒れた体勢を起こしていつも通りバイトして、

帰ってごはん食って説教食らって寝て起きて夜勤と言う地獄のループに入ろうとしている。

せめて何かドカーンとデカイ事始まらないかなーと大空に向かって神社の地面に寝っころがる私だった。

ああ、見上げているとお空に何か光が・・光がッ?

ドカァァァァンッ!!


「ドカーンとデカイ事起きたァァァッ!!?」


私が寝そべっていたのもつかの間、

お空から急接近で私の神社の地面に何かが飛んで来た。

すっごい近くで落ちたからコレはあたるんじゃね?

と、思ったがそんな事は無かったが・・、

と言うより私今凄いワクワクしているッ!

だってこれは事件とかの匂いッ!

つまりこれを発端に事件解決すれば信徒わんさか契約も逆転やったぜッ!


「さあッ!何が落ちて来たのッ!?隕石ッ?それとも宇宙人ッ?それとも異世界転生者ッ!?」


「残念ッ!魔王だッ!」


「魔王だッたァァァッ!?」


それは突然に出会った黒いマントに包まれたとても賑やかな男、

穴の開いた地面からヒョコと出て来た黒く白髪のふわふわとした男、

見た目が確かに現代のスーツの様な姿だったが魔王ちゃ魔王なオーラはあった。

ニヤニヤと笑いながらよいしょと地面へ這い上がる。


「わわわッ!どうして魔王がッ?!何しに来たんですかッ!?」


私はあまりの恐怖で怖気づく、

ガタガタと情けない姿をさらす。

こんな悪臭漂う男と出会ったら絶対私の様になるってッ!

見るまでわかんなかったけど超こえーよッ!

きっと世界の破壊を目論む顔だよアレッ!


「私は世界を支配しに来た魔王ッ!手始めにこの周囲から支配してやるッ!」


想像以上に魔王だったーッ!

王道かよッ!

王道中の王道の魔王かよッ!

あんな不敵な笑顔で言われんの違和感覚えるよッ!

あまりにも予想の斜め上を行っていてなんだか恐怖がうっすら和らいだ。


「支配ッ?破壊はしないんですかッ?」


私が疑問に思いそう告げると、

魔王がニヤリと笑うのを止めて、

怒っている様にイライラしてそうな表情で睨みつけて来た。


「なんだと・・破壊したら人が消えるではないかッ!破壊に私の幸福は存在しないッ!」


「(ええッ!?魔王なのにッ?!)・・支配して何するつもりなんですか?」


「よくぞ聞いたッ!」


その魔王と名乗る男はまたニヤァと笑い、

マントをバッッ広げてとても元気そうに語り始める。


「私の理想はこの世を支配して全ての人々の希望と絶望を見届ける事ッ!この世に住むお前ら人間は常におもしろおかしいッ!私は思ったこの人々の世界を支配して全ての人々をありのまま自由に生活させて常に絶望と希望が入り混じって何をするのかを見届けたいッ!」


「要するに直接的に支配して管理するとかじゃなくて、誰も支配していない自由な世界にしたいと?」


「そうッ!実質今この世界は大量の卑劣な者に束縛された世界ッ!そんな息苦しい生活は断固として断るッ!私は人が決めた生き方に尊重し、人それぞれが作る世界を私が見たいのだッ!」


「あー、管理者を無くしてつまり人1人が決めて行く世界・・」


「そうッ!貴様は良く理解できているッ!」


「でも、もう結構その形に近いですよ?」


「な、なんだッとォォッ!?」


この魔王と言う男いちいち面白いな、

感情の変わりようが凄いわかりやすい、

動きが激しいからとてもじわじわ来る。

なんだか一気に親近感がわくな~と思った私だ。


「ば、バカな・・私が目指していた理想郷に近づいていただとッ!?」


「魔王さん・・あ、もしかしてその様子は王道の封印されていたパターン?」


「なぜわかったッ!?私がやく100年も封印されていた魔王だとッ!?」


「いや、雰囲気で」


「雰囲気だとッ!?うぉぉ・・私はそんなわかりやすい人物になっていたのかッ!」


「いや、たぶん100年前の人も分かりやすいと思っていたんじゃないかな?」


「クソォォッ!人間ッ!これが人間の力かッ!!」


「何もしてないよ・・」


段々なんとなくだけどこの魔王と言う人物がどういう人なのか分かった気がする。

恐らくこのイフニアで大昔悪さをしていた者で、

それが今になって封印が解けて帰って来たのだろう。

にしても本当にわかりやすいなこの魔王、

地面をばしばしと叩いて無駄に驚いている魔王さんとかシュールすぎて笑う。


「グッ・・凄まじい人間の力だ・・貴様何者だッ!?」


「巫女です、将来的にはこの里を守る者として立派になる修行中ですが・・」


「巫女ォォォッ!?巫女だとッ?!貴様のような可愛い巫女いてたまるかッ!」


「なにさらっと褒めてんのッ!?大体それ言うならあんたみたいに血相の悪いイケメン魔王なんていてたまるかッ!完全に言ってることも魔王らしくもなんともないしッ!」


「ウグォォッ!?なんだ・・コイツの言葉で心臓がグサグサと突き刺さる・・さては貴様魔術師ッ!?」


「メンタル弱いなッ!?」


「クッ・・こんな奴に我が心臓がァァァッ!!せめて朝の食事ぐらい食べておけばァァッ!!」


「ああもう、めんどくさいなぁぁッ!要するに腹減ってんですねッ!!」


「イエスッ!この上なく極めて屈辱だが背に腹は代えられん何か食わせてくれぇぇ・・」


私はドン引きながらもこの魔王と言う男をとりあえず人里に連れて行く事にしました。

行く途中もなにかぶつぶつ言っていましたがとりあえずは無視して人里の商店街へと向かう。

とにかく今分かった事は、この魔王多分私の求めているドカーンとしている事ではないと、

改めて心に刻んだのでした。


「・・なんだこれは」


「えッ?お団子ですよ?食べた事無いんですか?」


この魔王どんだけ寝てたんだよ、

三色団子も見た事無いなんて、相当前から寝ていたんだなと改めて思った。

魔王さんは不思議そうに三色団子をチラチラと見ていた。


「オダンゴ?なんだその魔物はッ?私がいない間にそんな魔物が生み出されたのか?」


「変な事言っていないでさっさと食べてください、美味しいですよ?」


「フム・・こんな三色をぶっ刺した丸い物がこの魔王を満足させるなど不可・・ウマァァァァイッ!!」


ああもう声にしなくてももう表情で語ってほしいよ、

いちいちうるさいなこの魔王、


「お口に合った様でなによりです」


「ああッ!最高じゃないかッ!なんだこの口に広がる甘さと一体化した幻の様なもちもちの食べ物はッ!」


「不思議ですよね~どうやって生まれたかは私も詳しく知りませんが、他の世界でこういう物があったらしく、その本を読んだ人がこうやって色々食べ物を人々に教えて来たとか」


「原理はどうでも良いがとにかく美味いッ!私が生まれた時代にはこんなモノは無かったッ!」


どんな時代に生まれたんだこの魔王、

私は魔王さんと一緒にこの書店街の団子屋さんで椅子に座りながら、

ゆっくりと食事をするのでした。


「食ったッ!満足だッ!実に満足ッ!」


「それは良かった、このお店は私のお母さんの行きつけでとても気に入っているんです」


「なるほど貴様のマザーか・・それはそれは・・」


なんで母の部分だけ良い方変えたし・・、

とにかく満足されたみたいで良かったと思う私。

魔王さんも誇らしげに満面の笑顔をしている。


「フム・・巫女よ、私に最高の食事をした礼をしてやろう」


「ほ、本当ですかッ!?」


「ああ、一つ私が為になる話をな」


おお・・思わぬ収穫、

魔王の話を聞けば何か今後につながるヒントになるかもしれない、

これはちゃんと聞いておかなければ、


「貴様はこの世で最も魔王が恐れる存在はなんだと思う?」


「ええっと・・魔王だから勇者?」


「確かに・・勇者は隙あらばぱーてぃとやらを組んで我ら魔王軍を壊滅に追い込む、それもまた我々の生き様、壊滅されるのは仕方があるまい・・だがな私も別に勇者など常に恐れているわけではない」


「えっ?じゃあ何を恐れているんですか?」


「答えは仲間だ、私もいくつもの兵や四天王を従えてきたが・・ある日四天王の1人が裏切りおってな、そいつは人の者だった・・おかげで全ての情報が敵にさらされてしまった・・この事から私はむやみやたらに仲間にさせるのではなく、常に考えてそいつが本当に仲間になって大丈夫かを確認するようになった・・」


「(なんかわかるなぁ・・私もあの日酒に酔って契約書を・・)」


「お前も仲間には気をつけた方がいい・・意外な人物が敵だったりするのはよくあるぞ?」


「いえでも・・私の周りで敵ぽっい人なんて・・(いるけど多分違うよな・・)」


でもこの魔王さんの言っている事は為になる。

おそらく過去に悪さはしてたけど王道を貫いて生きた魔王なんだろうなーと思った。

部下にもみんなにも慕われて・・良いなー、

私もこんな貫禄があって立派な人になりたいなー、


「魔王さんはどうして魔王になったんですか?」


「唐突だな?私が魔王になったのは混沌の世界を守りたいからだ、我ら混沌は常に破壊と戦いしかできぬ悪者だった、そんな時人と混沌の血で生まれた私はこの世を支配してみな平等に生きられて混沌を住まわせてやりたいと考えた、だがそれを受け入れる人間は少なく、結果戦争をした、多くの命を失い、多くの者を戦わせた・・未来に絶望があるとも知らずに両者戦いは続いた・・」


「それでも・・魔王さんを信じて戦ったんですね」


「悪い事をしたと両方に思っている、今更謝って許さる事でもない・・我々の欲望であの悪魔は生まれた」


「悪魔?」


「戦争中に飛来した全ての脅威アビスだ、奴らは人でもなく混沌でもない世界を破壊する者、奴らがこの世で戦争をしている最中に奴らは全てを殺した、それを止めようと今こそ二つの勢力が一つになり、アビスを撃退した・・その後私は不意を突かれてアビスの残党に封印されていたのだがな」


なるほど、良くわからんが分かった。

つまりこの人は混沌の魔王、

大昔人と混沌の戦争していたけど、

その争いを漁夫の利するかの如く現れた不届き者がアビス、

それに怒った二つの存在が一つになり、

結果的には魔王様の思惑通りになったと、

でも、その後はアビスの残党に不意を突かれて封印された。

こんな感じだろう。


「じゃあ、それ以降はずっと?混沌は大丈夫なんですか?」


「心配せずとも私が封印されていた地で代わりの者を見つけてしばらくは大丈夫だとは思ったが・・そろそろ代わりの者でも限界が来るころだろう、しかし私はこうやって蘇った・・ここから私は一気に目標へと目指して行くのだよ」


「なーるほど、世界を管理しているて言うのはそのアビスと言う事だったんですね」


「そう、その通りッ!私は皆の自由を守りに来たッ!フフッ・・私が封印を解かれたからにはアイツらなんぞもう怖くないぞ・・」


こんな事言ってるけど要するにもう一度自分の世界を取り戻すとか言う、

どちらかと言うと勇者サイドになってるなんて言えないしなぁ・・、

私は微笑みながら心の声をひとまずごまかす事にした。


「えっと・・とりあえず大変だと思うけど頑張ってくださいッ!」


「おうッ!私は今一度世界を取り戻すッ!」


なんだかこの人は魔王なのにとても元気をもらった。

さっきまで凄い怖いなーと思っていたのが嘘の様だ。

私はフフッと笑い、なんだかとても和んだ。


『なんだこのマズイ団子はァァッ!!』


「な、何ッ?!」


「なんだ・・隣の方から聞こえて来たが・・」


私達が会話をしている最中、

隣のイスの方からとてもデカイ怒鳴り声が聞こえてきた。


「も、もうしわけありませんッ!お口に合いませんでしたか?」


「ああッ?聞かなくてもわかるしょッ?まずいんだよッ!」


「おいおい・・兄貴は時間が無い中もうすぐ消える里を訪問してんだぜ~?もっと美味いもん作れやボケェッ!」


「ああッ!やめてくださいましッ!」


ゲッ!?あいつらはこの前の役人ッ!?

あんなゴロツキみたいにこの里を荒して・・許せないッ!


「ちょっとッ!その人困っているでしょッ!手を放してあげなさいッ!」


「なんだぁと・・えらそうに言いやがって・・誰かと思えばこの前酒におぼれた駄目巫女じゃねぇかッ!」


「う、うるさいッ!いくら土地が無くせる約束ができたからっと言って・・やって良い事とやって悪い事ぐらいわかるでしょッ!」


「そんなもん知らんねッ!この世界のルールてっ奴をのっとてやってんだ、文句ねぇだろッ?」


「酷いッ!土地が手に入るからってアンタらの好きにしていいわけないでしょッ!」


「ごたごたうるせぇッ!!」


「うぐっ・・ッ!!」


こ、こいつら・・容赦なく私を蹴り倒したり、

お店の女の子を乱暴にしたり、好き放題して・・、

力強すぎでしょ・・腹にケリなんか入れられたら流石に倒れこんじゃうてっ・・、

て言うか、お腹痛い・・蹴られるのってこんなに痛いの?

ジンジンどこの話じゃない・・ギスギスする・・、

あまりにも強く蹴られて力が入らない・・、


「何・・寝てんだよ駄目巫女ッ!!オラッッ!!」


「グァァァッ・・ッ!!」


コイツ・・図体デカイその足で私の腹を・・、

止めろッ!苦しいッ!

お腹が痛い・・ッ!

ぐりぐりと強く強く押し込まれてとても・・苦しいッ!


「なんもできねぇ駄目巫女が・・だからこの里もまもれねぇ、だから何一つできる事がねぇんだよッ!」


「そんな事・・ないッ!」


「なんだと?」


「今は・・できなくっても・・いつかみんなに幸せを与えて・・みんなをお前の様な悪人から守ってあげるんだから・・ッ!」


「それが出来なくって里も何もかも取られてんだろうがッ!」


「ぐぁぁッ!!やめてッ!」


「オラオラッ!蹴って殴られる気分はどうだッ?いっそその体でそういう仕事についた方が早い・・お前の様な奴をみんなは待っているよ・・ヒャハッハッハッッ!!」


屈辱だ・・、

こんな悪の塊をした人間に胸倉をつかまれて絶望の選択肢を与えられたり、

蹴って踏まれてまるでイジメラレっ子の様にやられて、

かっこ悪い・・、どうして何もできないの?

どうして誰も助けてあげられないの?

どうしてッ!どうしてよ・・ッ!

私はボロボロと涙が止まらなくなった。

何も出来ない自分が悔しかった。

弱い自分が悔しかった。

こんなみじめで怠惰な自分がとても悔しかった。

私は・・私はッ!!


「ブッハハハッ!コイツッ!とうとう泣きやがったッ!だっせーッ!アッハハハッ!!」


「・・・ッ!!」


「いっけねぇ、足が思わぬ方向に滑った」


「グォォォッ!?」


「あ、兄貴ィーッ!!」


ドカァァンッ!

その時、私の目の前で一つの美しい足が目の前にいるゲスを吹っ飛ばした。

そのゲスは勢いよく向こうの店へと一直線で飛んで行き、

もはや何も考えずにただ足を出して奴を吹き飛ばした。

普通ならこんな事できない、けれどもできてしまった。

彼は魔王だから、普通じゃない、考えも何もかも、

その時私は、この人はやっぱり魔王だと改めて知る事になった。


「て、てめぇぇッ!自分がなにやって・・ウォッ!」


「それはこちらの台詞、見ているだけで胸糞悪い・・貴様は人か?人でもやって良い事と悪い事は区別がつくだろう、それすら区別がつかないとは貴様そうとうの空っぽ脳みその様だな?」


「お、お前ッ!こんな事してただで済むと思うなよッ!!お前何様のつもりだッ!!」


「何様ッ?貴様私が誰かわかんのかッ?教えてやる・・俺は初代混沌の魔王「カオス」ッ!最古にして最強の魔王よッ!」


魔王カオス・・それが彼の名なんだ。

私は闇に染まっているはずの者を見て、

何故だか光にも見えた。

闇と光が混合した混沌の王、

それこそ彼の本来の姿なのかもしれない、


「ま、魔王カオスッ!?馬鹿なッ!お前はあの時封印したはずじゃ・・」


「何ッ?貴様今なんと言った?」


「や、やべぇ・・」


「貴様さてはアビスだなッ!!制裁してくれるわッ!!」


「ほ、ホゲェェッ!!!」


ズシャァァッ!!

エグイ、胸倉を掴んだ状態で地面に勢いよくぶつけた。

やっぱり闇だ、闇にしか見えない。

けれどもまあ、やられたらやり返すのが彼の道理なんだろう。


「フハハハッ!!貴様なんぞそこで土に埋まっていると良いだろうッ!」


「魔王さん、どっちが悪か見分けつかないんであんま派手に暴れちゃだめですよ」


「ほう、それは困る・・ところで立てるか巫女」


「なんとか・・それよりさっきの話本当なんですか?」


「間違いない、アビスだ、触って気づいたが感じるモノが違った」


「感じるモノ?」


「人間は常に人間のオーラを、混沌は混沌のオーラを、そしてアビスはアビスのオーラを・・」


「じゃあ、彼らは・・アビスだったと・・」


「そうッ!奴らはアビスッ!何年も前に私を封印した愚か者どもだッ!!」


そうか、やる事めちゃくちゃだと思ったけど、

アビスて言う奴らの仕業だったんだ。

人じゃない感はあったけどここまで人じゃなかったとは・・、


「く、クソが・・ッ!こうなったらッ!」


「あ、魔王さんッ!アイツ・・・ッ!」


私はその時、明らかにおかしな光景を目にした。

それは心臓に木材が突き刺さったあの先ほど蹴り飛ばされた役人ッ!

どうして生きているッ!?


「クックッ・・こうなったらもう隠す必要もねぇな・・」


「巫女、貴様戦えるか?」


「えっどうしてですか・・戦えますけど・・」


「向こうにいる奴の目がおかしい・・と言うよりオーラが完全にアビスのモノになった・・このままこのあたり一帯を荒すつもりだ」


「そ、そんなッ!そんな事されたらそれこそ里が・・」


「私もこの里や世界をこのままアビスの好き放題にはさせたくはない、巫女・・今一度私と共闘する覚悟・・いや、契約を交わす覚悟はあるか?」


「け、契約ッ!?」


また契約ッ!?

しかも今度は魔王ッ!?


「そ、それってつまりぼったくられる奴ですかッ!?」


「違うッ!私に力を貸せと言っているッ!今の私は力を完全には取り戻していない・・だがッ!契約を交わせば私は力を取り戻せるッ!そしてお前にも力を分け与えられるッ!」


「で、でも魔王となんて・・」


「世界の命運かかってる時にでももクソもあるかッ!貴様はこの周囲を壊されたいのかッ!!」


「・・ッ」


た、確かにそれはイヤだ。

でも、魔王と契約・・巫女がそんな事で務まるの・・、

世界の命運がかかってるからってそんな軽々とうんなんて言える事じゃないし・・、

でも、どうしたら・・、


「巫女ッ!迷う暇があるのならそれを断ち切れッ!迷いなどなんの意味も持たぬッ!」


「・・・ッ!」


「迷い歩いて答えは出るか?迷いたどり着ける正解はあるか?答えが知りたいのならまず行動しろッ!」


「ああッ!!もうどうにでもなれぇぇッ!契約しますッ!私は契約しますッ!!」


「フハハハッ!それでいいッ!さあ、受け取れッ!そしてその指輪をはめよッ!」


魔王はそういうとこちらに黒い指輪を投げて来た。

黒く禍々しい指輪、これが契約の証・・、


「どんな事でも良い、貴様の望みを言えッ!」


「私は・・私は・・立派になりたいッ!強くなりたいッ!誰かを守れるような・・立派な巫女にッ!」


これが私の望み、単純かついつか叶えたい望み、

私はその指輪をはめて強く祈るように力を込めた。


「クハッ・・実に単純な望みだ・・だが・・聞き入れたッ!」


ピィシャァァンッ!

その願いを込めた瞬間指輪から光が放たれた。

黒く輝く光、そして覆い隠すように地面からもなぞの魔法陣が現れ出す。

私の周りを吹き荒して舞う黒き光、

私はその光に包まれて一度周りからの姿は見えなくなる。

何か強い、力強い光が私を変えてくれているような感覚、

私の身に一体何が・・しばらくすると目の前が明るくなって包まれていた闇が晴れる。

そして目を開けて自分の身を見てみると・・、


「な、なんだこれッ!」


「それが私と契約する為に得た力の証の衣装だ、ずいぶんと黒くなった」


「こ、これが私・・髪の毛も若干黒に染まっている・・」


「まあ、そんなの後で確認すればよい、それよりも・・」


「アビスの力を解放するッ!ウォォォォッ!!」


ドガァァンッ!

む、向こうでも何か異変が・・、

と言うか巨大な謎の気持ち悪い生物がッ!

なにアレッ!気持ち悪いッ!

言葉じゃ説明できないくらい気持ち悪い奴だ・・。

そしてめちゃくちゃデカイしッ!

説明する必要もないよねッ!


「グハッハ・・これぞ我が真の姿・・」


「ほう・・貴様の真の姿がそれか・・なら私もまた・・姿を変えねばなるまいッ!」


ゴォォォッ!!

ま、魔王さんも謎の闇纏ったッ!?

片手でもう片方の腕を抑えて力強く何かを念じるように闇に囲まれるッ!

そして一瞬でその闇は解き放たれて、闇から出て来たのは謎の黒竜ッ!?


「ま、魔王さん竜にもなれるんですか!?」


「これが我が第一の変化・・他にもなれるがな・・乗れッ!私がサポートしてやる心強く思えッ!」


「よく、わかりませんけど・・わかりましたッ!」


「それでいいッ!迷いなどいらぬッ!無駄な考えなど全て省けッ!」


私は言われるがままに雄々しくデカく黒い竜の魔王さんに乗っかり、

竜の魔王さん、めんどかいら魔王竜さんは翼を広げて飛び上がるッ!

ビュォォッと凄い風を起こして高く高く飛び上がる。

あの巨大なアビスの上に行けるほど高くッ!


「き、貴様ら・・己ッ!」


「巫女ッ!武器は何が使えるッ!」


「長刀か剣を・・でも長刀の方が使えますッ!」


「今から、指輪に望みの武器を送ってやるッ!そいつを使えッ!!」


「分かりましたッ!」


私は指輪から出現する長刀を手に取り、

それを両手で力強く握り構えるッ!

そして黒い長刀の刃をアビスに向けて私は言うッ!


「貴方を・・ここで裁くッ!!」


「ぬかせッ!貴様らごときが調子にのるなよッ!」


「行くぞッ!巫女ォッ!!」


「ハイッ!魔王さんッ!」


私達は天高い空からアビスに攻撃を仕掛ける為勢いよく滑空するッ!

アビスは謎の黒い連射される小さな球や、

謎の触手で私達目掛けて攻撃を放つ、

だけどそれを軽々と交わす魔王竜ッ!

乗ってるだけで伝わる疾走感ッ!

しっかりと掴まっていないと落ちるかもしれないこの疾走感はすさまじいッ!


「今だッ!長刀を構えろッ!」


「了解ッ!」


私は避ける魔王竜の指示を聞いて長刀を構えるッ!

まだかまだかと緊張の中、時は訪れたッ!


「今だッ!飛び上がれッ!」


「セイヤァァァッ!」


「コイツッ!我の心臓部にッ!?」


「決めてやるッ!【魔月相殺(まがつそうさい)】ッ!」


ズブシャァァッ!!

両手で構えて片手で勢いよくキューを突くように槍で奴の心臓を貫くッ!


「ウグォォぉッ!?」


「必殺のッ!!【月華乱れ(げっかみだれ)ざくら】ッ!!」


ズシャズシャズシャァッ!

心臓を突き刺して次から次へと心臓の肉体を切り刻み、

そのまま心臓を切り刻んで体に大きな穴を作って貫通するッ!

勢いのまま、貫通した穴から飛び上がり、

そのまま魔王竜さんに乗って再び空へと上がるッ!


「ヴォォォッ!!!?人間ッ!?巫女ォォォッ!?」


「や、やった・・やりましたよッ!!」


「案ずるな・・まだ奴はくたばっておらんぞ」


「そ、そんな・・じゃあ、どうすれば・・」


「ああいう奴は一気にやるに限る、巫女、指輪に祈れッ!」


「またですかッ!?」


「強い想像力が私を強くするッ!巫女ッ!」


「ここまで来たら・・もうやるだけやりますよッ!」


「それでいいッ!!」


私は指輪に祈りを込めて、

力強く念じたッ!

強く、両手で思い描く創造の強さッ!


「神よッ!与えたまえ・・混沌より授かりし不滅の魂ここにありッ!私に力を貸せッ!【怒りの業火】ッ!」


「これが私と巫女の怒りだッ!【ライトニング・ディストラクション】ッ!!!」


キュィィィィィインッ!!

赤く白く雷と火が混ざりあうまぶしくも燃えあがる魔王竜の口ッ!

大きく口を広げてその球はドンドン膨れ上がるッ!

そして一気に力強く放ったッ!

ドォォォォォォンッ!!


「いっケェェェッ!!」


光よりも誰よりも早く放たれた神速の魔弾ッ!

その球はあの巨大なアビスへと当たり、

アビスを光の爆発に囲んだッ!!

ズドォォォンッ!!


「ヴォォォッ!!魔王ッ!!巫女ッ!!これで勝ったと・・・思うなよォォォッ!!!」


光の爆発の中断末魔、光が開けるとそこにもうアビスの姿は無かった。

私達は勝ったんだ、アビスにッ!


「やったッ!やりましたよッ!私達・・勝ちましたッ!」


「ハハハッ!!流石は巫女だッ!!!」


互いに勝利に喜ぶ私達、

すっかり浮かれムードの中、ゆっくりと地上へと降り立って、

互いに元の姿にもどるのだった。


「とはいえ、大分荒されましたね・・おもに自分たちのせいで」


「やりすぎたのは分かってはいたがな・・」


「あ、あのッ!お怪我はありませんかッ!?」


降り立った後ろから声がしたのはあの時のお店の人だ。

心配してこちらに来てくれたんだ。


「はいッ!この通り怪我一つありませんッ!」


「心配は無用だッ!それより貴様らこそ無事か?」


「はいッ!私達は誰も怪我していませんッ!これも巫女様のおかげです・・なんとお礼をしたら・・」


「お礼なんていいですよッ!貴方達の安全や幸せが私の日々励みになりますッ!」


「おおッ!ありがたきお言葉に感謝ッ!!」


私はとても心が嬉しかった。

飛び跳ねたいぐらい嬉しかった。

こんなに気持ちの良い日は久々だった。

周りの人たちも奇跡的に怪我は無く、

お店が破損しただけで済んだらしい、

ご都合主義な展開にも感じたけど、

みんなが無事ならそれでいいよね。

私は心を晴れやかにしてこの書店街を後にした。

その後この事を報告しに一度神社へと帰る私達だった。

これはきっと神様も喜ぶに違いないッ!


「なーにが、私は里の人たちを救っただッ!この戯けッ!」


「で・・でも・・」


「でももクソもあるかよッ!よりにもよって混沌の魔王なんか拾ってきてッ!!お前は神聖な神社を汚すつもりかッ!ええ?この薄ら脳みそッ!」


「おっしゃる通りです・・」


喜んでくれる・・と思った私がバカッだった・・。

またしてもドジを踏んでしまった・・。


「はぁ・・今のワシにこの犬を飼う余裕はない、元の場所に封印してこい」


「心愛ァ・・貴様ずいぶん偉そうにできるようになったなッ!!」


「そりゃあ、お前・・可愛い可愛いワシの子がね、拾ってきたのが犬じゃなくて魔王とも来ればワシ驚くよ、天変地異だよ」


「貴様ァ・・しばらく会わないうちにそこまで・・・ッ」


「やるかッ?今なら貴様ごときひねりつぶしてくれるッ!」


この二人怖いッ!

私を挟んで喧嘩しないでッ!!

めっちゃ怖いからッ!!


「て言うか・・知り合いだったんですね」


「あたりまえじゃ、この駄目巫女ッ!ワシとコイツがどれだけ因縁の関係だと思っているッ!ワシは元秩序の四天王の1人じゃぞッ!だったら混沌の魔王ぐらいしってらァッ!!」


「私もお前の事はハッキリと覚えているッ!いつも槍を操って戦う【十二槍神】がッ!」


「体術もたまに使ってやったろうがボケナスわかめッ!」


「黙れッ!この絶壁超絶冷徹幼女ッ!!」


「なんだとォォッ!」


ズシャ!バリィッ!ドンッ!!

荒れる、このままだとこの神社が荒されるッ!


「お二人ともお止めくださいッ!!」


「ゼハァ・・ゼハァ・・・己ッ!巫女に免じて今日のところは勘弁してやるッ!」


「当然ッ!私はまだ余裕だがな」


「いや、これ以上続けないでくださいッ!」


「・・まあ、よいこの辺にしておいて本題に移るとするか」


やっと落ち着いてくださった。

この人いつもこうだから困る。

一度落ち着かせるのに凄い時間食うんだよね・・。


「さて、現在の状況を説明すると・・お前は今魔王の契約で魔王の力となっている」


「そうです」


「その魔王の力を使ってとりあえずは里を救ったと」


「はいッ!」


「・・・まあ、良くも無いし悪くも無い話だ」


「私は世界の為、決断したことですッ!悔いはないですッ!」


「・・・はぁ、しゃーない・・こうなれば私も決断せざる負えまい」


「えっ?決断?」


そう言うと神様は袖からまた紙を一枚取り出して、私に手渡した。

そこに書いてあったのは、なにかの承認証?


「この夏風の里からさらに遠くにある【四季の里】に訪れろ、そこで巫女としての実力を手に入れろ」


「旅をしろと言う事ですか?」


「そう、もはやワシでは教えられんし魔王なんぞ置いて神社が守り抜けるとは思えんし、なにより考えはしていたからな、仕方があるまい」


「いいんですかッ!?でも、それまで留守中お1人で・・」


「戯けッ!お前ごときに心配されてたまるかッ!私は誰だ?神だぞッ!」


「心愛様ッ!ありがとうございますッ!」


これは心愛様が与えてくれた試練ッ!

この四季の里まで行って来れば私も一人前の巫女にッ!


「私、頑張って四季の里にたどり着きますッ!」


「おう、精々死ぬでないぞ」


「はいッ!」


「それと・・魔王よ、しばらくはそっちの監視下で守らせてやる、精々虫を近づけさせるなよ」


「ハハッ!上等ッ!貴様の下に戻る頃には見違えるほど強き者として帰って来るだろうッ!」


「それは期待できるな・・せいぜい頑張れよ、魔王・・」


「貴様に言われるまでもないなッ!」


「一緒にがんばりましょうねッ!魔王さんッ!」


「任せろッ!巫女ッ!」


私と魔王さんはこの瞬間がっちり握手を交わして互いに認め合った。

まだまだ新米な私とまだまだ力が不安定な魔王さん、

私達の旅はこれから幕を開ける。

これからもっと凄い事が起きるだろう。

私は今日と言う特別な日を忘れない、

私達の冒険は始まったばかりだッ!


とぅーびぃーこんてぃにゅーッ!

いかがでしたか?

今回登場した人たちは夜桜編や次の章でも重要人物として出てきますッ!

ぜひ、覚えていただけると幸いですッ!

それではまたお会いしましょうッ!


外伝章はこのように章終了ごとに書きますッ!

短編の様に1話解決です、この外伝の続きはまたいつか、

それではッ!

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