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無限空想世界の幻想的な物語  作者: 幻想卿ユバール
第三章 夜桜編
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無限空想世界の幻想的な物語~夜桜~ エピローグ 「止まってほしいこの時間」

深夜に賑やかな宴を終えて数時間後、

この屋敷のどこかのバルコニー、

そこに向かって歩いて行くハルバード、

宴には料理を作ってろくに出れなかったからと、

リアリナさんの話に付き合いに行くハルさん

※ナレーションは銀がお送りします。

ポケットに手を突っ込み眠そうにあくびしてだるそうに行くハルさん、


「(なんかすげぇ誰かに馬鹿にされている気がする・・)」


気のせいかと思うハルさんはそのままバルコニーへと向かう。


そして、月明かりが綺麗なバルコニーを覗き込むとそこには、

黒いスプライトの様なシャツ、黒い美しいミニスカート、

手には黒のアーム・ロング、足にはガータベルトと、

とことん黒くなっているが、より白銀の髪と美しい白い肌が目立つなと、

思うハルさんでした。


「来てやったぞ、月に思い老けてるとはずいぶん乙女チックなもんだな」


「あまりにも遅いから、また強く願っちゃうところでしたよ?」


「うるへー、こちとら料理作るので超忙しかったんだ」


やれやれちょっと恥ずかしいから行くのを拒んでいたなんて、

かっこ悪くて言えませんもんね~

この色男め、くたばれッ!


「(やっぱり、誰かに馬鹿にされている気がする)」


「どうかしたの?」


「いや、なんでもない・・ところでそんなにめかしこんでどうした?」


「・・似合いますか?」


「・・別に、似合ってんじゃねぇのか?昔のお前みたいで俺は良いと思うぞ」


「そ、そうですよねッ!・・私やっぱり変に変えない方が良かったんですよね」


「そりゃおめぇ・・アレは無理してんなてっ思ったわ、18になる女が可愛い可愛いフリフリした服装なんぞ・・」


「ひ、ひどいッ!私まだ行けると思ったんですよッ!!」


「わりぃわりぃ・・けどな、俺的には前のそのクールで一際に使用人だった頃の服装が一番いいわ、髪型も昔は獣の耳みたいに横の髪ハネてたよな、アレはもうやらないのか?」


「アレですか?・・やっても良いですよ、でもまた昔みたいに犬みたいだから撫でたくなるとか言わるのが恥ずかしいんですよ」


「そうだっけ?覚えてねぇや」


「言いましたよッ!散々人の頭を撫でまわしてッ!凄い恥ずかしかったんですよッ!」


「すまねぇな・・なんか、撫でたくなるんだよ・・」


「病気じゃないですかッ!今すぐ灯先生呼びましょうかッ!?」


「それ、冗談じゃなくてマジでやめろッ!?」


いや、その人は病気だと思うから呼んであげなきゃ灯先生、

全く聞いてるだけで恥ずかしい会話だぜ、

ナレーションしている身にもなれと言う奴だ。

焦りながらも落ち着きを取り戻すハル、

なんだか懐かしく思ってクスクスと笑うリアリナさん、

2人とも幸せそうでなにより、

しばらくこんな会話が続いて楽しく過ごす2人、

そんなかで少しさびしげに声を出すリアリナさんがハルさんに言った。


「ハル・・」


「どうした?」


「私は・・ずっと思い悩んでいた事があったの」


「ほう・・お前がか?」


「時々話していると胸が苦しくって、何か締め付けるように息苦しくなる時があるの」


「・・・」


「・・ある人を思い浮かべて何度も何度も苦しくなって、いつもどうにかなりそうだった」


リアリナさん息を吸って、一息吐くと、

強い決意をして声を上げて言う。


「だから、私・・私言いたいのッ!ずっと言いたい事がッ・・んっ!」


その時口封じをする様に人差し指で口をクールに抑えるハルさん、

やわからな表情、涼しい笑顔で彼はこう言う。


「そいつはまだ未熟で答えなんざ出せない、だがいつかそいつはお前の下に覚悟を決めて帰ってくる、それまで・・待っててくれるか?」


優しく人差し指を放すと赤く頬を染めたリアリナさんが、

ハッとなって明るく答えた。


「はい・・ッ!待ってますッ!いつまでもッ!」


「おう、ありがとう」


重く苦しい思いをしていた胸はいつのまにか軽く軽くなった。

今までお嬢様に仕えてお嬢様にご奉仕をしてきて心はお嬢様にゆだねていたはずだった。

しかし、いつのまにかいつまでも愛し続けた人が帰ってきて、

また、心はそちらへと揺れ動くのだった。


「・・そういえば、まだ言って無かった事なら俺もあったわ・・お帰り・・リアリナ・・いや、アリサ・ルナチャルスキー・・リアリナは偽名だもんな」


「・・覚えててくれたんですね・・ハルバード・ルクウェインッ!」


こうして、二人の使用人の恋物語がまた一つ進んだ。

まだまだ先は長い、これからもこの恋は続くだろう。

静かな月明かりの夜、深夜の風が彼らを祝福するかのように、

静かに吹いた、まだおめでとうと言うわけではないが、

素敵な一歩だったと、そういう事なんだろう。

これからも、素敵な日々をどうか願っていると、

僕もそう思うのでした。



終わり

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